自らが招いた危機を脅しの道具に使い国民を貧困化させている日本政府

東京電力、家庭料金3割値上げ申請 燃料高で大手6社目
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC231ET0T20C23A1000000/

東電の社長は「燃料費高騰の長期化を受け、値上げをお願いせざるを得ない」と言っています。

もしあなたがこの発言を、渋々ながら「なら仕方ないか」と受け容れたのであれば、よっぽどのお人好しです。

何故東電は3割も値上げするのか。結局のところ、日本では再生可能エネルギーの発電コストが高すぎるからです。

世界の再生可能エネルギーの費用は年々下がり、特に風力発電は陸上・洋上ともに1キロワット時あたり3~6円程度しかかかりません。石炭火力発電の半分以下のコストで発電できます。

そのため、例えばアボマガで紹介している公益会社は、古い石炭火力施設を安値で買収し、風力発電を主とした再生可能エネルギーへの転換を進めています。

こうすることで電気料金を値下げしても、運用費用を大きく減らせることで電力会社は利益を増やせます。二酸化炭素の排出もなくなります。電気利用者、電力会社、地球環境にとって、三方良しの取り組みが可能となるわけです。

しかし日本では、陸上風力発電は1キロワット時あたり19.8円、洋上風力に至っては30円と、世界の5~10倍も高額となっています。

日本は風力タービン費用が世界より約5万円/kWも高く、基礎造成費用が山地よりも低地のほうが1基あたりの費用が高額という、常識はずれの状況となっています。
https://www.renewable-ei.org/pdfdownload/activities/REI_JapanOnshoreWindAnalysis2022

この高コストの理由は、再生可能エネルギーの普及を規制やお役所仕事が妨げ、再生可能エネルギーが利権化しているためとしか説明がつきません。

日本の風力発電コストがバカ高い理由6選
https://note.com/windfact/n/nf57c3aabbdee

洋上風力の入札が始まってからルールを変えた再エネ議連
https://agora-web.jp/archives/220630094751.html

バブル崩壊後の日本政府は、自らの失敗、失策により生じた問題や危機を国民に訴えかけたり脅すことで、国民の生活を苦しめる政策を実行に移してきました。

その象徴は、日本の財政を悪化させてきた当事者である財務省が財政危機を喧伝し、消費税を10%まで引き上げたことです。

今回の電気料金値上げは、この政府の方向性の延長線上にあると言えます。

エネルギー、食糧自給率の低さに何ら実効性のある対策をせず、問題を先送りし、再エネすら利権化し、エネルギー危機を電気料金値上げの材料にして、国民生活をとことん苦しめようとしているわけですから。

防衛費を5年間で43兆円増額し、その財源確保のために増税を画策していることも同じです。中国や北朝鮮の脅威を利用して、国民からさらにカネを巻き上げようとしているわけですから。

岸田政権になってから、日本政府による危機を煽っての国民いじめがより露骨になってきた感があります。

日本政府は国民を意図的に貧乏化させているように見えますが、あなたはどのように考えますか。いまほど、国に頼らず、自ら資産防衛に励むことが必要になった時代は、戦後なかったように思います。