ワクチン陰謀論が消えないのは各国政府のコロナ政策が愚かだから

最近、新型コロナウイルスワクチンを接種した人々の変異株への感染(ブレークスルー感染)が増えていることを伝える報道が相次いでいます。
 
シンガポールでは最近の新規感染者のおよそ75%はワクチン接種者となっています。
 
ブレークスルー感染が生じることは、別に不思議なことではありません。
 
有効性と安全性の面で、ワクチン普及が進んだ国では主にファイザーやモデルナのmRNAワクチン接種が進んできました。
 
mRNAワクチンの接種により形成される免疫は、重症化・死亡リスクを低減する効果は期待できるものの、体内のウイルスを完全にやっつけることは期待できません。
 
最近、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、ワクチン接種の完了後にデルタ株に感染した人のウイルス量は、ワクチン未接種でデルタ株に感染した人と同等であると述べました。
 
現在、mRNAワクチンが普及した英国の人口当たり新規感染者数が、ワクチン接種があまり進んでいないインドの10倍超あるなか、mRNAワクチンに変異株感染予防効果があると自信を持って言うことは困難です。
 

 
新型コロナウイルスワクチン接種の意義は「重症化・死亡リスクの高い人々のリスクを減らす」ことと「これにより医療の逼迫を抑え、より多くの人に適切な治療を施せるようにする」ことにあります。
 
ワクチンが普及しても新規感染自体を収束させられないのであれば、これまでと同様、検査・隔離・治療体制を維持し、ワクチン接種有無に関わらず感染リスクの高い場所でのマスク着用・人同士の距離を取ることを続けなければなりません。
 
しかし各国政府やメディア、御用学者は、ワクチン普及こそ感染を収束させる最優先事項であると考えており、mRNAワクチンの変異株感染抑制効果が限定的である可能性を国民にきちんと説明しようとしません。
 
EUを中心にこれからワクチンパスポート制度が段階的に導入されていく見通しですが、これは「ワクチン接種者は自由に行動して良い」という、科学的に誤ったメッセージを送ることになります。
 
「ワクチン接種したから感染しない」との誤った認識を持った、マスクを付けず至近距離で会話する人々を大量に「野に放ち」、燎原の火のように新規感染者数が増えていくことは目に見えています。
 
これまで世界の人々は、若者たちがマスクを付けずに混雑した場所に出歩いたり、集団で談笑しながら飲食する行為を叩いてきました。
 
しかしワクチンパスポートを導入する国は、ワクチン接種者がマスクを付けずに混雑した場所に出歩いたり、集団で談笑しながら飲食する行為を容認することになります。
 
これは、差別以外の何物でもありません。
 
mRNAワクチンの変異株感染抑制効果が限定的である限り、元々免疫が強く、重症化率・死亡率が高齢者や基礎疾患持ちの人々と比べて圧倒的に低い若い世代がワクチンを接種する意味は薄れます。
 
高齢者に比べ副反応が生じやすく、中長期的に抗体依存性増強などで重篤な症状が出るリスクがあるため、若者は無理にワクチンを接種せず、希望者だけ接種することが合理的です。
 
しかしワクチンパスポートは、若い世代を差別し、若い世代にワクチン接種を強要する社会的圧力をかけることになります。
 
こんな愚策を各国政府が推進しようとするかぎり、一部人々に「新型コロナワクチンは世界的な人口削減計画の一環」だと疑われ続けても仕方ありません。