キャリーバッグを引きずるのはやめようよ
東京駅のようなターミナル駅を歩いていると、よくキャリーバッグを持った人に遭遇します。 これから旅行に向かう人、出張に行く人、東京を観光する海外の人など様々な人がキャリーバッグを運んで歩いています。
キャリーバッグを運んでいる人を見るたびによく目に付くのが、キャリーバッグを自分の後ろから引きずって歩いている人の姿です。 確かにキャリーバッグを後ろから引きずって歩くのは楽なのかもしれません。
しかしキャリーバッグを後ろから引きずる行為は、後ろや横方向に歩いている人に対して思った以上に迷惑を掛けているのです。 私もキャリーバッグを後ろから引きずっている人の後ろについていかざるを得ない状況がたまにありますが、 足元のキャリーバッグにぶつかってケガをしないように常に注意を払って歩いています。
キャリーバッグは本来自分の横に置いて運ぶべきものです。 自分の横において運べば、後ろから引きずるときと比べて相手にかける迷惑を減らすことができます。
理由の一つはもちろんですが、横において運ぶほうが後ろから引きずるときと比べて自分が占有するスペースをコンパクトにできることです。 自分の横に運ぶ場合に必要となるスペースはキャリーバッグの大きさ分でほぼ済みます。 一方自分の後ろから引きずって歩く場合には次の二つによる影響で占有するスペースが広がってしまいます。
- キャリーバー分のスペース
- キャリーバッグを斜めにしてしまうために余分に広がるスペース
しかし問題はスペース広さだけではありません。 スペースを占有してしまう位置も問題となります。 キャリーバッグを横に置いている場合にはそこまで多くの人に迷惑はかからないと思っています。 何故なら歩行をしているときに他の歩行者の横側に近づいてもお互い嫌な思いをするからです。
例えば反対方向の人とかなりの至近距離ですれ違った場合にどう思いますか。 お互い肩と肩がぶつからないようにちょっと体を捻って避けますよね。
また狭い道を前方の集団が横になってゆっくり歩いており、抜かしたいのだけれども通れる隙間が少ない場合にどう思いますか。 これも体を捻って避けたり、場合によっては通り抜けるのをためらったりしますよね。
このように人は横方向の接触に対して嫌悪感をもっているのです。
これより、自分の横側近辺は相手もあまり積極的に利用したい場所ではないわけです。 それでも混雑や道が狭いなどの理由で人が自由に歩けるスペースが少ない場合には、反対方向の人や後ろから抜かしたいと思っている人から迷惑がられるかもしれません。
その場合は、人の流れを見ながらキャリーバッグを置く位置を自分の左か右、どちらか邪魔にならない方向に置けばいいわけです。
以上のことを総合して、キャリーバッグを横方向に置く分にはそこまで大きな迷惑をかけなくても済むでしょう。
しかし自分の後ろのスペースは全く違います。 私たち歩行者にとって、前方の歩行者のすぐ後ろのスペースはとても重要なのです。
混雑している道を列になって歩いている状況を想像してください。 列に並んでいる人は前方の人の後ろにピタッとついてますよね。
また横方向に歩いている人を上手く避ける場面を想像してください。 横方向の人の背後からよく避けますよね。
このように私たちは歩行者の背後のスペースを無意識のうちに沢山利用しているのです。
もしキャリーバッグによって後ろのスペースが奪われてしまったらどうでしょうか。 今まで無意識のうちに利用していたスペースが使えなくなってしまいます。
さらに相手の動きだけでなくキャリーバッグの動きにも注意をしなくてはなりません。 つまり通常よりも注意しなければならない対象が2つも増えているわけです。
これらのことから、キャリーバッグによって後ろのスペースを占有されてしまうと他の歩行者にかなりの神経を使わせてしまい兼ねないのです。