英語学習のちょっとしたアドバイス-背景を知ることが大切-

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英語学習のちょっとしたアドバイス-背景を知ることが大切-

   今回は英語学習についての、私の経験と人間心理に基づいたちょっとしたアドバイスをします。 英語に興味があるけれども、どういう風に英語の学習をすれば良いかわからない人はぜひ参考にして頂きたいと思います。


   私は普段から英語に親しんでいます。 日常的に英語ニュースを見たり聞いたり、洋書や英語論文を読んだりしています。


   こういう経験から一つ言えることがあります。 それは英語を理解するときにはまずは事前に背景を知ることが大切であることです。

英語を理解するには背景を知ることが大切

   英語の文章を理解するために、事前に背景や基礎知識を頭に入れておくことは非常に重要です。 例えば世界経済のニュースを英語で理解したいときは、事前に日本語で世界経済情勢について基礎的な知識を入れておくのです。


   何故英語を理解するときに背景を知ることが大切なのかというと、事前に背景を知ることで内容のニュアンスを掴みやすくなるからです。 文章を読み進めたりニュースを聞いているときに、よくわからない言葉が出て来ても言わんとしていることのイメージがスーッと頭に浮かぶようになるのです。


   例えば私たちが仲の良い友人同士と会話しているときを思い出して下さい。 友達同士だと言葉不足でもコミュニケーションできますよね。 お互いの性格や言葉遣いに熟知しているので、瞬時にニュアンスが理解できるからです。


   しかし初対面同士だと中々会話が噛み合わないことがありますよね。 その人によって独特の言い回しがあったり聞きなれない言葉が使われたりして、言葉からイメージがスッと思い浮かばないからです。 その結果コミュニケーションに頭を悩ますこともしばしばあります。


   英語を理解するときでも同じです。 事前に内容を知っていれば、いま読んでいる文章や聞いている言葉を頭の中の知識と照らし合わせることで、瞬時にニュアンスを汲み取りやすくなります。 多少わからない単語が出て来ても、文脈からどういった意味なのかをざっくりと感覚でわかるようになります。


   しかし背景を知らないと、言葉が醸し出すニュアンスを汲み取るのが難しくなってしまいます。 英単語の意味を正確に理解していないとニュアンスを汲み取ることは難しく、ちょっとでもわからない単語が出てしまうと途端に迷子になりやすいです。


   これを実感したい人は、試しに英語で日本に関するニュースと諸外国のニュースを読んでみてください(→ロイター)。 日本関連のニュースは多少英語が覚束なくても意外とわかるものですが、諸外国のニュースは何を言っているのかさっぱりわからないと思います。


   国内のニュースは日本語で既に慣れ親しんでいるために、自然と言葉のニュアンスが掴みやすく比較的読みやすいものです。


   一方で諸外国のニュースは、その国独自の歴史、文化、国同士の間柄宗教といった複雑な絡みが関わってきます。 こういったものは普段から勉強していない人には馴染みがないため、いきなり諸外国の英語ニュースを読んでもニュアンスがさっぱりわからず、すぐさま迷子になってしまうのです。


   日本語でさえも背景を知らないと、文章や人の言葉を正確に理解することは難しいですよね。 新聞を読んでも難しい政治・経済のニュースだと何を言っているのかさっぱりわからないことがあります。


   日本語でさえもよくわからない文章があるのに、どうやって背景を何も知らない英語の文章を理解することができるのでしょうか。


   そういうことを考えると、英語を学習するときに背景を知ることの重要性は言わずもがななのです。

英語だけ学習しても意味がない

   英語を理解するときに背景を知ることが重要であることに関連して、一つ言っておきたいことがあります。 それは英語だけ学習しても意味がないことです。


   上に述べたとおりに、英語だけ学習してもいろいろな物事の背景を知らなければ正確なニュアンスを掴みとることは難しいです。 英語にあまり慣れていない人であれば、いきなり知らない分野の文章を読んだ場合、100%理解できないと思った方が良いです。


   例えば私はイギリスのThe Economist誌を購読しており、よくビジネスやファイナンスの記事を読みますが、読み始めは全く理解できませんでした(特にファイナンス)。 投資を行う中でビジネスやファイナンスについて様々な勉強をしていって、ようやくThe Economist誌の内容も読めるようになっていったものです。


   そう考えると、英語を使えるようになるために英語だけ勉強しても不十分なのです。 日常会話程度なら話は別かもしれませんが、将来ビジネスで使ったり私のように海外の情報を積極的に得たいと考えているのであれば、事前に様々なことを知っている必要があります。


   様々な知識も最初から英語で理解すれば一石二鳥...そう思うかもしれません。 確かにある程度英語に慣れているのであれば、自分の知らない話題をいきなり英語で理解するのも不可能ではないでしょう。


   しかし初心者が最初から英語ですべてを理解するのは、難易度が高すぎて現実的ではありません。 また英語に慣れていても、政治、経済、金融、歴史といった難しい分野はいきなり英語で読もうとしてもほとんど理解できないと思います。


   ですので英語を使えるようになりたいのであれば、それと同時に自分の興味のある分野を日本語でいろいろと自主的に学ぶことをぜひおすすめします。


   まずは日本語で興味のある分野を適度に勉強し、その後で興味のある分野について英語で読んだり聞いたりすれば、想像以上にスイスイと理解できるものです。 頭の負担も少ないし、何せ自分の興味のある分野ですので飽きずに楽しみながら続けることができます。 英語力もグングン上がっていきます。


   そうして何年も努力を重ねていくうちに、ようやく日本語を介さずにいきなり英語からスタートしても理解できるようになるのです。


   英語を学習するのは素晴らしいことですが、それと同時に自分の興味のあるいろんな分野の知識を得ることもぜひ積極的に行ってください。 そうすることでいずれ英語を目的ではなく手段として捉えられるようになり、英語と一生仲良く付き合えることでしょう。

関連リンク

   ・私も読んでるThe Economist誌。一緒に読んで英語力をアップさせませんか?

   →The Economist誌(記事一覧へ)


   ・英語は連想を自由自在に操ることで学習能率が一気にアップします

   →プライミング効果を英語学習に生かす


   ・英語は質だけでなく、量をこなすことがどうしても大切になってきます

   →単純接触効果を学習に応用する-まず量こなせ、話はそれからだ-


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