2日のアジア時間帯の取引で、金相場が1オンス=3500ドルを突破し、過去最高値を更新した。
今年3月に1オンス3000ドルを突破してから僅か半年足らずで、金直物価格が3500ドルを突破した(NY金先物価格は先月末に終値で突破済み)。
金価格の上昇が止まらない根本的な背景に、米中が揃って自国の不換紙幣の減価をせっせと推進していることを、金価格3000ドル突破時に書いた。
金価格が金ドル本位制崩壊から85倍に値上がりした理由
https://www.avocado-fes-thought.com/blog/20250325-gold-inflation/
22年11月から3年近くに亘り金価格は倍以上に値上がりしてきた。
10年以上前から金投資を続け、金投資を推奨してきた身としては、値上がり続きなのは逆に気持ちが悪い。そろそろ調整してくれよというのが正直なところだ。
しかしトランプと米国財政が中々それを許してくれない。
トランプはFedに再三利下げを要求してきた。
さらにクック理事への解任通告から分かるように、Fed乗っ取り計画を露骨に実行し始めている。
上院承認を経ず現状トランプの力が直接及ばない地区連銀総裁の選任プロセスについても、精査を始めていると言われる。
利下げが始まり、政権による乗っ取りでFedの信認が低下すれば、米ドルの価値は下がりやすくなり、金価格は上がりやすくなる。
かといってFedが独立性を堅持し、利下げを控えるようであれば、今度は米国財政の持続可能性、破綻リスクを市場は懸念するようになる。
やはりドルの将来の信用不安につながる話であり、ゴールドにとってポジティブな材料である。
トランプはロシアから原油と武器を多く購入してきたインドに対し、相互関税を倍にし50%の関税を課すことになった。
これに反抗するインドのモディ首相は、天津で開かれた上海協力機構の首脳会議に出席し、習近平と握手を交わし会談した。
長きに亘り対立し一時戦争状態に陥った二大金消費国が、トランプの「アシスト」もあり経済関係を強める方向に向かっている。
上海協力機構というのは、中国とロシアが主導して米国に依存しない経済圏の構築・拡大を目的とした組織であり、新興国の脱ドル化、新興国中銀の金買いと密接に関わっている。
今回のサミットでSCO開発銀行の開設で合意したが、これは加盟国のインフラ開発などの経済プロジェクトに人民元など米ドル以外の通貨で融資することを計画している。
米ドルの信認低下と脱ドル化を想起する国際的な大きな出来事が起きているなかで、金価格が3500ドルを突破した格好だ。