米国株「根拠なき熱狂」が再び繰り返されるのか

[2025/08/23 ブルームバーグ]【米国市況】ダウ平均は最高値更新、パウエル氏講演が利下げ観測補強

22日の米国株式相場は急伸。週間ベースでプラス圏に浮上した。ダウ工業株30種平均は過去最高値を更新して引けた。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予想外にハト派的と受け止められ、投資家は利下げへの確信を強めた。

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パウエル議長は「失業率など労働市場の指標の安定により、われわれは政策スタンスの変更を検討する上で慎重に進むことが可能になる」と指摘。「もっとも、政策が景気抑制的な領域にある現状では、基本見通しとリスクバランスの変化が、政策スタンスの調整を正当化する可能性がある」と述べた。

先週のジャクソンホールでのパウエル議長の講演内容によっては、米国株バブルの崩壊が始まる可能性に私は身構えていた。

何せまともな株高材料がFedの利下げ期待くらいしかなく、講演が始まる前に市場が予想する9月の利下げ確率は100%あったからだ。

もし9月利下げを否定するような内容であれば、米国株は5%以上下落していただろう。

今回の講演内容を聞く限り、Fedが年内に最低1回の利下げをすることは間違いなさそうだ。ドットプロットを見ても今年1~2回の利下げをFOMCメンバーは支持しているわけだし。

市場が予想する9月の利下げ確率を再度確認したら75%になっていた。パウエル議長の慎重な発言内容から急いで利下げを行わないと考える投資家も出てきたようだ。

その一方で講演を受けてS&P500は1.52%、ナスダック総合指数は1.88%上昇した。

どうも先週金曜日の米国株は、9月の利下げや年内の相当数の利下げを確信したために値上がりしたわけではなさそうだ。

そうでなく、パウエル議長が労働市場の状況を鑑みて、慎重なスタンスを取りつつも利下げへの道を開くと事実上明言したことを市場は好感したようだ。

緩やかでも良いから利下げサイクルに入ったこと、これを市場が確信できれば十分だったのだ。

4月以降、米国の有名なヘッジファンドは概してエヌビディア、マイクロソフトといった大手ハイテク株の買いポジションを増やした。

さらにここへ来て、一部の年金基金はエヌビディアやマイクロソフトなどのハイテク株への投資比率が少なく、株高の波に乗り遅れることへの危機感を募らせているようだ。

テック株上昇に乗り遅れた年金基金、投資不足見直し-ピムコなど提供(ブルームバーグ 25年8月21日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-08-21/T1BALOGOYMTX00

メタがスケールAIの株式49%を143億ドルで取得したり、パープレキシティがグーグルクロームを345億ドルで買収する提案を出すなど、高額の買収案件も目に付くようになった。

いまの光景はまるで1990年代後半さながらだ。

現在、S&P500のCAPEレシオは約39倍。90年代後半のインターネットバブル以来の割高水準にある。

逆に言えば、未だにインターネットバブルのピークに達していないのだ。

当時と違い、いまの株高を牽引して多くの企業は豊富なキャッシュフローという実績がある。

しかも量的緩和を通じて中央銀行が供給してきた過剰流動性が今も市場に残っている。

「根拠なき熱狂」が再び繰り返されようとしているのかもしれない。


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