円高・ドル安展開とFirstrade, SogoTrade、ブリオンボールトの口座開設について
初回公開日:2017/04/13
最終更新日:2017/04/13
いつも本サイトをご覧いただきましてありがとうございます。
本サイトでは私が現在利用している米国の証券会社であるFirstradeとSogoTrade、そしてゴールド投資会社であるブリオンボールトの口座開設方法を説明してきました。
最近の世界のニュースをご覧になっている方の中には薄々気づかれている方もいるかと思いますが、世界情勢が大変流動的になってきました。そのため為替等についても今後は大きく動くことが予想されます。
私が紹介している米国証券口座は米ドル建てで利用するため、日本円をドルに交換する際に為替の影響を受けることになります。またゴールド投資口座についても、私のサイトでは日本円および米ドルでの利用方法についても紹介している関係上、米ドル建てでゴールド投資をご希望の方は為替の影響を受けることになります。
そこで本記事では、今後の為替の影響を考えた上で米国の証券口座、およびゴールド投資口座を開設するためにどのような点に気をつければ良いかについて、個人的な見解を書いていきます。
あくまで個人的な見解ですので、皆さんに何かしらのお考えがあればそちらを優先してください。
目次
短・中期的に円高ドル安の動きになりそう
現在、大きく世界情勢が動き出しています。世界経済もしばらく低迷が予想され、株式、債券価格も丸天井を帯びています。
それとともに今後は短中期的に円高ドル安が進展しそうです。
円高に関する要素といえば、まずは日本の株式市場ですが、すでに2016年の秋以降は日本の株式市場は日銀のETF買いに支えられている状況です。海外投資家による売りラッシュによって株価が下がることはあっても、上がることは期待できない状況になっています。つまり円高に振れやすくなります。
国債市場を見てみると、短期国債市場の主要プレーヤーが海外投資家のみになっています。しかし短期国債は市中にあまり残されておらず、さらに海外投資家による短期国債買いの最大の要因であるベーシススワップスプレッドと呼ばれる数値が、海外投資家に不利な方向に傾きつつあります。
これはいずれ短期国債価格の下落(利回りの上昇)を招くでしょうから、やはり円高につながります。
そして円高円安に大きな影響を与える日銀の金融緩和ですが、ブログでも何回か話したように日銀は現在、無言のまま事実上テーパリング(量的緩和のペースを落とすこと)を実行中と言わざるを得ません。
日銀の量的金融緩和政策が昨今の円安環境を作ってきましたので、金融引き締めへの過渡的政策であるテーパリングの実施は円高方向に触れることになります。
またすでに市場には余剰国債がどんどん減ってきている現状ですので、再び日銀金融緩和が活発化することは考えにくい状況です。
以上のようなことから、今後日本円は短・中期的には強くなるものと思われます。
一方米ドルについては、こちらは短・中期的には大きく安くなることが予想されます。
米国はいままで政府債務を積み重ね、貿易赤字を垂れ流しながら30年以上世界運営を牽引してきました。財政の健康状態、経済の伸び率が日に日に悪くなる中でも、金融と戦争を利用して世界をなんとか支配し続けることが出来たために、現在まで米ドルはそこまで安くならずに済んできました。
しかし金融に関しては株式市場も債券市場も不動産市場も崩壊前夜であり、信用を生み出す金融機関の収益悪化も避けられず、経済の牽引役である企業も家計も借金漬けで生産・消費どころではありませんので、レバレッジフル活用による金融の支配継続は厳しいものがあります。
戦争に関しても外交におけるロシアの影響力が大きくなる一方で米国の影響力は大きく低下していますし、米国情報・諜報機関の機密文書のリークや元幹部による暴露も絶えないなど、戦争を支える中枢機関が半ば崩壊状態にあります。
現在の中東・朝鮮半島情勢を見ても、あまりにも米国は戦争勃発を彷彿とさせるような行動を大々的に見せびらかしすぎており奇妙です(本当に世界大戦をしたいならば秘密裏に準備を行うはず)。むしろ米国は世界的な反感をわざと買うことで、米軍を海外から撤退させるつもりでいるように思えます。その方が撤退しやすいですから。
つまりいままで米国覇権、および米ドルの価値を保つために必要不可欠であった金融、戦争という二つの手段が早晩機能しなくなるのです。いや、すでに機能不全に陥っており、あとは崩壊に向かうだけというのが現実的な見方でしょう。
最後の望みであったトランプ大統領による、国境税の導入といった税制改革も早晩成立するのは現実的に不可能ですので、米国に残されるのは膨れ上がった政府債務と貿易赤字、それに広がった格差、増え続ける貧困、そして民衆の積もり積もった世界支配層への鬱憤となります。
そう考えると、米ドルは大きく安くなるしかないのです。それは過去にイギリスが世界の覇権を握っていたときに、1929年のウォール街の大暴落を嚆矢とする世界恐慌で通貨価値が大きく下落して、二度と元の価値に戻らなかったという歴史の繰り返しを想起させます。
また戦後の歴史を見ても、1971年のニクソン・ショック、1985年のプラザ合意をきっかけにサプライズドル安が進展していきましたが、これらはいずれも米国の世界政策が大きな転換点を迎えるなかで起こった出来事です。米国に何かあるときは常にドル安を伴ってきたのです。
私たちは改めて歴史に謙虚になるべき時です。
連邦準備理事会(FRB)による利上げといったドル高に振れる要因も残されてはいますが、それももはや大きな効果は期待できないでしょう。
それだけではなく、もしFRBが今後利上げを実行し、さらに量的金融緩和の出口政策を取ったとすると、それが国債利回りの急増を招き借金漬けの米国で途端に流動性パニックが生じ、大金融恐慌、米ドルの価値低下にさえもつながる可能性があります。
(もっとも、トランプは利下げといった金融緩和政策を希望しており、利上げ等が行われない可能性もありますが。この場合はドル安に向かうでしょう。)
ドル高に動いたとしてもそれは一過性のもので、今後の趨勢はドル安であることは疑いようがありません。
以上のことから、今後は短中期で円高・ドル安の展開が予想されるのです。
ちなみに「長期ではない」理由は、日本の債務残高や日銀の量的金融緩和政策の後始末の必要性を考えれば、いずれは日本円も価値を大幅減価させざるを得ないだろうと思われるからです。
本記事を書いた4月13日はトランプのドル高牽制発言により円高ドル安が進行して1ドル109円前後になりましたが、「円高・ドル安の展開」というのはこれからが本番です。どこまで進むかはわかりませんが、1ドル80円とか70円あたりはあらかじめ想定しておくのが大切だと思います。
画像クリックで最新のドル円チャートのページへ
【参考リンク】
→[2017/04/01]円高ドル安フラグ。短期国債市場の動きとトランプ政権の為替操作認定新方式づくりの動きから
→[2017/03/15]日銀は絶賛テーパリング実行中のようです
→米ドルは裏技によって信用が維持されてきた。米ドルの減価は金価格上昇につながる
→世界情勢の悪化と通貨の減価はリンクしている
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それでは円高・ドル安の展開が予想される中で、FirstradeやSogoTrade、ブリオンボールトの口座を開設されて証券投資や金投資を行う場合に、どのような点に気をつけると後悔なく始められるのでしょうか。
Firstrade, SogoTradeの口座開設について
円高ドル安展開を考慮したうえで、今後FirstradeまたはSogoTradeの口座を開設して米国で証券取引を行う場合にどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
次のような方針を取ると効果的にFirstrade、SogoTradeでの証券投資が出来るかと思います。
- FirstradeまたはSogoTradeの口座開設はいまのうちにしておく
- テストの意味合いで少額の米ドルをFirstradeやSogoTradeに送金し、問題なく海外送金できることを確認しておく。もちろん海外送金用の国内銀行口座の開設もお忘れなく。
- 円高ドル安が進んだら、皆さんのタイミングで投資資金を米ドルに交換してFirstradeやSogoTradeに送金する
もし皆さんがFirstradeやSogoTradeの口座を開設して米国で証券投資したい、資産運用されたいのであれば、いまのうちにFirstradeやSogoTradeの口座を開設して、いつでも投資を始められる状態をつくっておくことをおすすめします。
理由は最初に準備しておけば、その後いつでも好きなタイミングで投資を始めることができるようになり気持ち的にものすごく楽になるからです。米国で証券投資を行うまでの準備には、必要な銀行口座の開設等も含めて数週間程度は掛かってしまうものなので、早めに準備だけでもしておけば「準備して良かった」と思えることでしょう。
そして必要な準備をすべて整えた上で、円高ドル安が進行して米ドルへの交換が有利な状況になったら、そこで初めて投資資金を米ドルに両替して、FirstradeやSogoTradeに送金すればコスト的に有利に投資を始められます。
現在は世界的に株高であり、いずれは円高ドル安の進行とパラレルに世界同時株安が予想されるので、円高ドル安を待って両替および証券取引を行うのは、為替面だけでなく証券を安く購入する面でもポジティブに働くことが予想されます。
最終的には皆さんの判断に任せますが、投資を始めるタイミングに迷われているのであれば、円高ドル安を待って「米ドルへの両替→送金→証券取引」を行うのは一つの戦略としてありだと考えます。
準備の方法は上のように、FirstradeやSogoTradeの口座開設はもちろんのこと、送金テストも先に済ませておくことをおすすめします。
海外送金は初めて送金する場合に事前に少し手間の掛かる事務作業が必要ですし、万が一トラブルが生じて大金を失うリスクを排除するためにも、テスト送金を行うことをおすすめします。手数料は5,000円前後掛かってしまうのですが、万が一のリスクを考えれば安いものです。海外送金の「勉強代」だと思って割り切りましょう。
よって準備としてはFirstradeやSogoTradeの開設だけではなく、海外送金用の国内銀行口座の開設および国内銀行→FirstradeやSogoTradeへの送金までの一連の準備を行ってください。
「国内銀行→FirstradeやSogoTradeへの送金」における送金額は目安として、500-1,000ドル程度がFirstradeやSogoTradeに振り込まれるように送金すればよいでしょう。Firstradeはもっと少なくても構いませんが、SogoTradeは500ドル以上の預け入れが必要になるのでご注意ください。
もし500ドル未満の送金に抑えたいのであれば、最低預け金がゼロのFirstradeの口座を開設するのがよいでしょう。
一連の準備方法については以下の記事で書いていますのでそちらをご覧ください。以下の記事の「STEP0~STEP4」までを済ませておいてください。
→【誰でも簡単】賢い海外投資をスタートするための口座&STEP一覧
Firstrade、SogoTradeの口座開設方法は以下の記事で説明していますのでご参照ください。
→Firstradeの口座開設方法
→Sogotradeの口座開設方法
最高の投資チャンス到来の前に、ぜひいまのうちに必要な準備を済ませてみてはいかがでしょうか。そして時宜にかなったところで華麗なスタートダッシュを決めてください。
ブリオンボールトの口座開設について
本サイトでは、私が利用している、金・銀地金をオンライン上で自由に売買できるブリオンボールトというサービスを紹介しています。
ブリオンボールトは海外の金・銀現物を購入できることや、購入した金・銀には所有権が与えられること、所有した金・銀地金を配送してくれるサービスもオプションとして用意されていること、そして日本語サービスも提供されていることから、安全に海外の金・銀の売買ができると考えて私も利用し始めました。
(コスト面等を考えると銀よりも金の購入に向いています)
ブリオンボールトは世界的なサービスを展開しており、日本円をはじめ複数の通貨での金・銀地金取引サービス(日本円では現状、スイス・チューリッヒの金のみ売買可能)を提供しています。
本サイトでは海外投資の話題も扱っている関係上、日本円を利用する場合と米ドルを利用する場合、双方の口座開設方法に関して説明してきました。
そのため人によっては日本円と米ドル、どちらの通貨でブリオンボールト上で取引を行うほうが良いか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
今後の円高ドル安という展開を考慮すると、ブリオンボールトでは日本円の取引を行うのが個人的にはおすすめです。
金価格は米ドル指数と正反対に動くという性質があります。ドルが高ければ金価格は安くなりやすく、逆にドルが安ければ金価格は高くなりやすくなるのです(あくまで歴史的な傾向であって、必ずそうなるわけではありませんが)。
そう考えると「日本円→米ドルに両替→金購入」というプロセスによってに金を購入するのはあまり得策とは言えないのです。というのは...
【円高ドル安進行前に上記プロセスを実行する場合】
「日本円→米ドル」への両替が不利となり、さらに「両替→金購入」までの間に金価格が上昇する可能性があるので、円建てで購入するよりも購入できる金の量が少なくなりやすくなる
【円高ドル安進行後に上記プロセスを実行する場合】
円高ドル安進行を待っている間にドル建て金価格が上昇しているため、やはり購入できる金の量が減ってしまう
【共通】
円建て取引と比較して、両替コストを余分に支払うことになるのでコスト面で不利
さらにブリオンボールト上で米ドルを利用して取引をするためには必要な準備が結構面倒なことになりますし、様々な手数料を加味するとコスト高にもなりやすいです。
そのためブリオンボールトで金投資するのであれば日本円を利用した取引およびそのための口座開設準備を行うことをおすすめします。日本円で取引すれば為替に気にせず「円建て金価格」で購入できますし、コストも抑えられ、何より準備が非常に楽ですので。
(すでに米ドルでの取引を行われている方はそのまま継続でOKです。ちなみに私もブリオンボールトは米ドルで取引していますし、今後もそのつもりです。)
日本円で金を購入していくのは、今後の展開を考えても良い選択肢だと思います。
円建て金価格は「ドル建て金価格」と「ドル円価格」によって決まります。今後は円高ドル安が予想されますが、ドル安が進行するとドル建て金価格は上昇し、円建て金価格の上昇を招きます。一方で円高ドル安は円建て金価格を下げる方向に作用します。
よって円建て金価格は「ドル建て金価格」と「ドル円価格」のパワーバランスによって上昇することもあれば下落することもあります。こうしたもみ合いのような動きが今後短・中期は続く可能性があります。
目線を変えれば、円建てで金投資をする場合はあまり価格を気にせずに、定期的に決まった金額を投資する余裕が残されているともいえます。あまり金価格の根動きに気にしすぎないでこれから将来への保険のために金を購入しておきたいのであれば、日本円で購入しておくのは良いと思います。
円建て金価格はドル建てで見るほどは上昇しないでしょうが、日銀の量的金融緩和政策や巨額の政府債務の問題から長期的には日本円の価値はゴールドと比較して下げざるを得ないと思いますので、直近の価格上昇は気にせずゴールドをコツコツ購入、価格を下げれば買い増しという方針で購入していけば良いと考えています(あくまで個人的な意見です)。
そういうわけで将来への不安に少しでも備えておきたい、将来について真剣に考えられている方は、日本円でブリオンボールトの取引をしてみてはいかがでしょうか。
以下のリンク先ではブリオンボールトに関する説明を行っています。
→【ブリオンボールト(BullionVault)を納得して利用するために】口座開設前に知っておきたいこと一覧
とりあえず口座開設だけでも済ませておきたい方は下のリンク先から口座開設できます。開設はもちろん無料です。また日本円で取引する場合は、国内金融機関からブリオンボールトの口座に資金を振り込んだり資金を受け取ったりできるので、いまある銀行口座を利用してすぐに取引できます。
【注意】
受け取り時はイギリスの口座から日本の口座への日本円海外送金という形になりますので、念のため銀行口座が海外からの日本円の受け取り(被仕向送金とも呼ばれるもの)に対応しているかどうかを確認しておくとよいでしょう(入金時は国内振込で送金できる仕組みが用意されているので気にしなくてOKです)。
またブリオンボールトでは紐付けられる銀行口座は一つのみで原則変更不可ですので、皆さんにとって使い勝手のよい銀行口座を選択してください。
【関連記事】ブリオンボールト(BullionVault)との紐付けに適した銀行口座はどれ?
ブリオンボールトの口座開設タイプには「スポット取引コース」と「積立取引コース」の2種類がありますが、ブリオンボールトのサービスの特性やコストが安価であることから、個人的には「スポット取引コース」がおすすめです。
(私のサイトから口座開設してくれた方々も、スポット取引コースのほうが人気です)
スポット取引コースでは皆さんが毎回オンライン上で金売買の取引を行う必要がありますが、「自分で計画して自分の手を動かして取引を行う」ことで資産運用への意識を高めることにもつながりますから、資産運用スキルを高めるための勉強としてもスポット取引を利用する価値はあります。
※リンク先のブリオンジャパンというのは、ブリオンボールトのサービス代行を行う日本の代理店です。ブリオンボールトに関する質問等への応対もブリオンジャパンは行っています。
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