AIバブルは米国が台湾に貢ぐことで成り立ってきた

AIバブルは米国が台湾に貢ぐことで成り立ってきた

[2026/02/24 ブルームバーグ]ブラック・スワンのタレブ氏、ソフト業界の破綻と変動拡大に警鐘

ベストセラー「ブラック・スワン」の著者ナシーム・タレブ氏は、人工知能(AI)主導の相場がより脆弱(ぜいじゃく)な局面に入りつつある中、変動性の一段の高まりとソフトウエア分野での破綻の可能性に備えるべきだと投資家に警鐘を鳴らした。

タレブ氏は、市場が構造的リスクを過小評価する一方、現在のAI分野の主導企業の持続力を過大評価しているとみる。AIは巨額の利益を生み出すが、歴史を振り返れば初期の先駆者が後に取って代わられる例は少なくないと注意を促した。

あなたは今のAIバブル、AIブームは「偽物」であることに気づいていますか?

本来あるべきAIブームでは、その中核である半導体の開発・製造で各企業が熾烈に競争を行い、技術を進歩させながら安価な半導体が量産されることが必要不可欠です。

ところが実態は、どのハイパースケーラー(アマゾン、マイクロソフト、グーグル、メタ、オラクルなど)もエヌビディアの超高額AIチップに依存しています。

それゆえ、大手ハイパースケーラー各社はAIデータセンターへの巨額投資を野放図に拡大しています。5社の今年の投資額は計100兆円規模になります。ライバルとの競争に負けじと、AI事業の収益モデルを確立出来ていない中で。

超高額のエヌビディアのチップに頼らず、ハイパースケーラー各社が独自に設計したチップを使えば設備投資を大きく減らせますが、それは出来ません。

何故ならAIチップを唯一製造できるTSMCの製造能力の大半をエヌビディアが予約しており、ハイパースケーラー各社が独自チップを十分に製造するための空きがないからです。

エヌビディアは製造能力を確保するためにTSMCに巨額資金を上納します。

TSMCと結んだ長期契約の額は今年1月末時点で952億ドルです。これはエヌビディアの営業キャッシュフローのほぼ一年分に相当します。契約はキャンセル不可です。

エヌビディア帝国の斜陽

この原資をエヌビディアに貢ぐのが、同社の超高額チップを購入してきたハイパースケーラー各社に他なりません。彼らもまたエヌビディアに前払い金やキャンセル不可の確定注文の形で上納します。

つまり「ハイパースケーラー⇒エヌビディア⇒TSMC」という米国から台湾への貢納スキームが出来上がっているのです。

下図のようにハイパースケーラーの設備投資とTSMC・エヌビディアの売上は綺麗に連動していることが、このお金の流れの確たる証拠です。

現在のAIバブルはこの貢納スキームの上で成り立っています。ハイパースケーラーがエヌビディアのチップを使わなくなり安価な独自チップの採用を増やせば今のAIバブルは灰燼に帰します。

トランプ政権にとって、台湾に毎年1000置ドル規模の資金を流出させながら半導体供給を台湾に頼る現状は、貿易の不均衡や経済安全保障の観点から許し難い問題です。

彼がこのまま何もせず見過ごすと思いますか?

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「偽物のAIブーム」に天誅を下す