米国株の生成AIブームは維持不可能!そのファンダメンタルズ的な理由

いま米国株式市場は生成AIブームで、エヌビディア、アップル、マイクロソフト、メタといった一部の大手テクノロジー会社の株価が大きく値上がりしています。

実はこの株高が「構造的矛盾」を抱えていることにお気づきでしょうか。

現在は、ようやくマイクロソフトが生成AIを搭載したMicrosoft 365 Copilotを発表したり、生成AIサービスを提供するユニコーン企業の名が公に出始めたばかりです。

生成AIによるサービスで大きな収益が発生するのは、まだまだ先の話です。

生成AIで収益を出すために、アマゾン、アルファベット、メタといったICTサービス会社は、ライバルに負けじと優れた生成AIモデルをつくるためにAIトレーニングをビシバシ行わなければなりません。

そのために、高性能GPUを多数搭載したスーパーコンピューターの投資を進めなければなりません。

高性能GPUは1個500万円とか600万円とかかかり、計算能力が高い分消費電力量も大きくなるので、いまだパンデミック前よりも高い電気料金が続く中でICTサービス会社の費用負担は決して小さくありません。

そして生成AIのトレーニングが進んだあとは、推論用のサーバーを多数用意しなければいけません。2028年までに生成AI向け推論用サーバー運用コストは2023年比で212倍に増えるとの試算もあります。

すでにアマゾン、アルファベット、メタはAI向け研究開発費が急増しており利益を圧迫し始めていますが、これはまだ始まりにすぎません。

今後ますますAIに対する研究開発費や設備投資は増えていき、収益性や現金利益への圧力はもっともっと大きくなります。

生成AIブームが本物であれば、エヌビディアの利益はグングン伸びるでしょうが、アマゾン、アルファベット、メタの利益は逆に下がりやすくなります。

もし仮にICTサービス企業が収益確保を優先して生成AI投資を控えれば、株価収益率が200倍を超えるエヌビディアの将来の収益期待はごっそりなくなってしまいます。

生成AIバブルでテクノロジー株が一斉に値上がりしている以上、どれか一つのテクノロジー株が崩れれば、他の銘柄にも波及することは避けられないでしょう。

いまの生成AIバブルは構造的に考えて維持できない代物なのです。今後、毎回の四半期決算が出てくるタイミングが試練の時期になります。