イラン戦争はどんどん悪い方向に流れているように見えます。
ホルムズ海峡には機雷が5,000基以上撒かれ、複数の民間の船舶が攻撃を受け、通航困難な状況が長期化することがほぼ確実になりました。
トランプはホルムズ海峡封鎖のリスクを考えずに独断に近い形でイラン攻撃を仕掛けたことがCNNの記事に出ています。米軍による民間船舶の護衛については、人員不足とイランからのミサイル・ドローン攻撃の激しさから、現段階で何も決まっていないようです。
(Trump administration underestimated Iran war’s impact on Strait of Hormuz)
イランだけでなく湾岸諸国にある複数の石油施設やLNG施設がミサイルやドローン攻撃の標的に遭い、その一部は実際に攻撃を受け、多くの施設で稼働を停止しています。
イランの新たな最高指導者になったモジタバ師は、世襲に否定的だった父ハメネイ師ではなく、革命防衛隊の意向で選出された強硬派です。
彼は革命防衛隊の新司令官を始め同部隊の幹部とのつながりが強く、自身も革命防衛隊傘下の民兵組織であるバスィージの事実上の司令官です。
2月28日のイスラエルによる空爆で父のハメネイ師だけでなく妻、母、息子、義姉妹が死亡しており、イスラエルと米国への恨みは相当なものと推察されます。停戦に応じるとは思えません。
仮にイランが停戦に前向きになっても、イスラエルは本当にそれに応じるのでしょうか。昨年10月10日にハマスとの停戦に合意したにも関わらず、その後も空爆・砲撃・銃撃を繰り返しガザ市民の殺戮を続けているのですから。
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ホルムズ海峡の封鎖が長期化した場合、日本はどのような影響を受けるでしょうか。
・日本の輸入の8割近くを占めるホルムズ海峡経由の石油がほぼ途絶えます。石油輸入の88%が途絶えた太平洋戦争中とさして変わりません。
・あまりにも石油の中東依存が大きすぎるため、米国、ロシアなどから輸入しても到底足りません。そもそも500隻以上のタンカーがホルムズ海峡の内側に閉じ込められており石油を運べません。タンカーを動かすための燃料も足りません。
・中東産LNG依存は大きくないの電力危機に陥るリスクは低いものの、エネルギー価格高騰で電気代がますます高騰することは避けられません。
・衣服、食品包装、洗剤、医薬品、ペットボトル、半導体、車のボディ・タイヤ・バンパーを始めとした石油化学製品を作れなくなり、ありとあらゆるものが不足するようになります。
・世界の肥料輸出の(種類によって)2~4割ほどがホルムズ海峡を通過するので、深刻な肥料不足となり、食料インフレが起こります。日本は食料自給率が38%しかなく肥料も輸入頼みなので影響は計り知れません。
今まで当たり前だった生活が当たり前でなくなる日もそう遠くないかもしれません。
日本や世界が置かれている現状について詳しくは、本日配信のアボマガ・エッセンシャルの記事に書きました。
[アボマガ No.377]日常は風前の灯
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