今月の中央銀行の金融政策会合でどのような決定が下されるのか、気になる方々も多いかもしれません。私もその一人です。
9~10日に米国でFOMCが、18~19日に日銀の金融政策決定会合がそれぞれ開かれます。
私にとって特に関心が大きいのが日銀です。植田総裁は今年散々利上げを仄めかす発言をしておきながら、1月以降利上げを先送りし続けてきました。
そのため「やるやる詐欺」と一部で批判・揶揄されてきた日銀の植田総裁ですが、これ以上の利上げ先送りは難しくなっています。
1月以降に先送りし続けられたのは、インフレ率が低下し、為替が円高ドル安に振れたおかげです。特に米価高騰で1月にインフレ率が4%に高騰し上限を形成したことが、皮肉にも利上げ先送りの神風となりました。
しかし高市政権の誕生した10月以降にインフレ率は反転上昇し、為替は1ドル147円台から一時157円台に急上昇しました。
これ以上の利上げ先送りは、高市政権が積極財政を推し進めようとするなか、円安進行を放置するとのメッセージを国内外に送り、円安に歯止めが掛からなくなるおそれがあります。
トランプ大統領が日本に円安是正を求めている以上、植田総裁は政治的に追い詰められていると言えます。
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植田総裁が利上げに消極的なのは、昨年7月31日の利上げを引き金に円キャリートレードの巻き戻しが起こり、日本株市場だけでなく世界中の金融市場を揺るがしたことへのトラウマが大きいためではないでしょうか。
この前の記事に書いた通り、日本の長期金利の上昇が止まらないなか、円キャリートレード巻き戻しへの警戒が世界中で強まり始めています。
ビットコインが10月以降暴落していますが、高市総裁が就任し積極財政により金利が上昇することを懸念し、円キャリートレードの巻き戻しが起こったためだと言われています。
→Bitcoin Dumps Below $87K as Japan’s Yen Carry Trade Unwinds: BOJ Shock, Crypto Liquidations and the Viral “Japan Crashed Crypto” Tweet
ビットコインだけでなく、株式(米国のハイテク株中心)、債券、商品などにも円キャリートレードを通じてお金が流れています。その規模、推定20兆ドル。
当然このことを植田総裁は知っているはずです。自ら爆弾に火をつける馬鹿な真似はしたくありません。
もちろん、日銀の利上げで長期金利の上昇が止まらなくなり、日本財政が持続不可能になる可能性だってあり得ます。
こうした意味で、今月の日銀政策決定会合は今後の世界市場や日本の行く末に重要な意味を持つかもしれません。
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FOMCも気になります。市場予想通り利下げを決めれば日米金利差が縮小します。「Fedの利下げ+日銀の利上げ」は円キャリートレード巻き戻しを最も起こしやすい組み合わせです。
ただ実際にFedが利下げするのかどうか分かりません。政府閉鎖で統計データが不十分のなか、利下げ派と維持・利上げ派でメンバー間の意見が割れています。
→FRB当局者、中立金利見通しで異例の大分裂-利下げ論議にも影響
利下げを見送れば米国株は下がるでしょうし、利下げが決まったとしても賛成票と反対票が拮抗していれば、今後の金融政策に対する不透明感が強まり、市場がネガティブに反応してもおかしくありません。市場は不透明さを最も嫌います。
ビットコインの暴落やエヌビディア株が11月に12.6%下落したことから、市場はすでに変調を来しています。孫正義氏とピーター・ティール氏はエヌビディア株を全株売却済みです。
金融市場にいつ何が起こっても良いように、米国株投資家はじめあらゆる投資家は悔いのない行動を取っておくのが望ましいように見えます。
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