エヌビディア帝国の斜陽

「世紀の空売り」マイケル・バリー氏が、エヌビディアの購入コミットメントに警鐘を鳴らしました。

以下、関連する事実を述べます。米国株投資をしている人は将来憂き目に遭わないために絶対に知っておかなければならない内容です。

●購入コミットメントとは何か?
エヌビディアがTSMC(台湾積体電路製造)と結んだ、キャンセル不可の長期製造契約のこと。

これによりエヌビディアはTSMCの大量の半導体製造能力を事前確保。

●目的
他のチップ会社(独自チップを設計するハイパースケーラー含む)がTSMCで十分に半導体を製造できないようにし、ハイパースケーラーがエヌビディアの超高額AIチップの購入から逃れられないようにするため。

●現時点の残りの支払い義務
952億ドル(26年1月末時点)。1年前の160億ドルから700億ドル近く激増。

在庫と購入契約を合わせた総供給義務は約1,170億ドル。

同社の年間営業キャッシュフロー1,027億ドルを上回る。

●何が問題か?
エヌビディアは将来の確固たるチップ需要を把握できていない状態で、キャンセル不可の発注をTSMCに行わざるを得ない。

もし将来、競争激化でエヌビディアのチップ需要が減ったり大幅な値下げを余儀なくされれば、営業キャッシュフローが急減する中、巨額のTSMCへの支払い義務と大量のチップ在庫が残る。

●比較対象:シスコ(ドットコムバブル時)
2000年前後、シスコは年率50%の成長を見込んでサプライヤーへの供給コミットメントを積み増した。

その後需要が崩壊し、在庫・供給コミットメントの約40%を償却し、株価は長期間低迷。

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なおエヌビディアはTSMCとの契約だけでなく、昨年に700億ドル以上を投資・提携のために投じました。同社のAIチップからハイテク業界全体が抜け出せないようにするためです(循環取引)。

エヌビディアは稼いだお金以上の資金を投じないと、(エコシステムという名の)「エヌビディア帝国」を守れない段階に突入しているようです。