トランプ米政権による相互関税の新たな税率が7日発動し、日本は従来の10%から15%に上がった。日本政府が勝ち取ったと説明していた負担軽減措置は導入されておらず、輸出企業の負担は増す。合意文書をつくらなかった日米関税交渉の手法が裏目に出た。
欧州調査機関のベリングキャットは7日、米国に合成麻薬「フェンタニル」を不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていたとする分析結果を公表した。組織は名古屋市に法人を登記し、危険薬物の集配送や資金管理を指示する活動基地にしていた形跡がある。ベリングキャットは「日本法人と中国組織は同一の国際麻薬ネットワークの一部であり、実質的に同じ企業である証拠が見つかった」との見解を示した。
日米関税交渉で合意文書を作らなかったことから米国が自分たちに有利になるよう勝手に合意内容を解釈し、日本側が狼狽している。
交渉の実務を担当するのは外務省、経済産業省、財務省などの官僚たちである。石破首相の責任は避けられないが、こうした不手際を招いたのは官僚たちだ。
今年、財務省の関税局の職員が不正薬物の密輸の容疑者187人の氏名と住所が書かれた文書を紛失したとの報道が出た。
中国企業が日本の名古屋にフェンタニル密輸の中継拠点を作っていたとの報道が出てくる前のことだ。
不正薬物とは間違いなくフェンタニルのことだろう。この報道は日本の官僚たちがフェンタニル問題に何らかの形で関わっていることを示唆する。
薬物密輸事件の書類紛失 財務省職員、個人情報記載(日本経済新聞、2025年2月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE10BGF0Q5A210C2000000/
トランプ政権は中国、メキシコ、カナダに対し、フェンタニル流入阻止を目的に他の国々とは別に関税を課している。
今月1日からカナダに対し、フェンタニル流入阻止を目的としたIEEPA関税を35%に引き上げた。
日米関税交渉のドタバタ劇の裏には、日本がフェンタニル貿易の中継地として、米国民の廃人化、殺人に大いに関与していることを米国側が十分把握しているからかもしれない。
フェンタニル問題を抜きにしても、日本の官僚たちが災禍を招いていることに変わりない。
**********
最近、農林水産省がコメ価格高騰の原因について、これまで言い張っていた流通の目詰まりというのは真っ赤な嘘で、21~24年にかけて4年連続で主食用米が供給不足にあることを「白状」した(政治的にさせられた)。
24年コメ生産「32万トン不足」、流通の目詰まり確認されず 農水省(日本経済新聞、2025年7月30日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA295GC0Z20C25A7000000/
そして石破首相は農林水産省が半世紀にわたり続けてきた減反政策をやめ、コメ増産に舵を切るとの方針を表明した。
官僚たちが最も嫌う「誤りを認める」ことをせざるを得なくなったということは農林水産省の「敗北宣言」である。そこまで日本の省庁の崩壊が進んできたということだろう。
ロバート・ケネディ・ジュニアがmRNAワクチン開発の5億ドルをキャンセルした。WHOはこの米国の対応を「重大な打撃」と述べている。
mRNAワクチン接種を国民に呼びかけ、日本を世界最大のmRNA接種大国にした厚生労働省もどうやら追い詰められているようだ。
**********
トランプは政治経験なしに大統領になり、官僚たちが作り上げてきた国内・国際的なルール・秩序を無視し、好き勝手に動いてきた。
最近の流れを見ていくと、トランプは官僚が頂点に君臨する日本の統治システムを本格的に破壊し始めたのかもしれない。