当たり前を疑え-心理が生むリスクを理解し不確実を楽しむ-

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正しさを追い求めることの罠-正しさと心理との関係-

   前回の記事では何故正しいことにこだわるとFragileになってしまうのかを話しました。 今回は正しい、正しくないという判断と心理的な関係を考えてみます。

人間の連想能力と正しい、正しくないの判断の関係

   私たちの心理には連想能力が宿っています。 System1という心理によって、無意識のうちに直感的な連想をします。 そしてこの連想が最終的に様々な感情を生みます。


   例えばテストで良い点を取ると嬉しくなりますよね。 テストで良い点数を取れると周りから褒められるので、良い点数→褒められる→嬉しいという風な連想を通じて嬉しくなります。


   逆にテストで悪い点数を取ると母親や先生から怒られたりします。 これによって悪い点数→怒られる→落ち込む、恥ずかしいという連想を通じて残念な気分に陥ります。


   またスポーツでもそうです。 例えば野球で巨人対阪神が行われて巨人が勝つと、巨人ファンはまるで自分が戦いに勝ったかのように喜びます。 巨人が勝った→巨人ファンである自分が勝ったという連想が無意識のうちに働きます。


   逆に阪神ファンからしてみれば、阪神の負けは恥だと感じてしまいます。 阪神が負けた→自分が負けたという連想が無意識に働いてしまうからです。


   このように私たちはどんな出来事も連想によって最終的に自分の感情として結び付けてしまいます。 そしてこの連想と正しい、正しくないの判断が私たちの行動に密接に関わってきます。


   私たちのSystem1は、嬉しい、楽しいといった感情的にポジティブなことを正しいと結び付けてしまいます。 逆につらい、悲しいといったネガティブなことを間違っていると結び付けてしまいます。


   私たちは正しいと思っていることをすると嬉しくなるし、間違っていると思っていることをすると悲しくなります。 テストで高い点数を取ると嬉しくなるし、テストで低い点数をとると落ち込みますよね。


   逆に嬉しいという感情は正しいことをしたと思いますし、悲しいと感じるときは間違っていることをしたのでは、と考えてしまいます。 大学受験で合格したときに嬉しさは、自分の今までの努力が実った、正しいことを行ったという自負を与えます。 逆に不合格した場合の悲しさは、いままでの勉強方法が間違っていたのではないかと思わせます。


   このように正しい、正しくないと私たちの感情が連想によって密接に関わっているのです。

正しいことを行うと自信過剰になる

   正しいことを行い続けることによってFragileになることには、心理的な要因があります。


   私たちは概して、正しいと思っていることを行い続けていると自信過剰になります。 これは政治家や学者、それに周りの人たちを見ていてもわかることでしょう。


   問題は、自信過剰になると判断がいつも以上に感覚的、直感的になってしまうことです。 つまりSystem1による判断をしがちになるのです。


   例えば以前の記事で紹介した、フィッシャー教授の発言を思い出してみてください。 1920年代のアメリカがバブルだったころ、フィッシャー教授はそのときの状況を正当化しています。


   その後のアメリカのバブルは続き、世界恐慌をもたらすきっかけとなったバブル大暴落の三日前にフィッシャー教授は「景気は永遠に上がり続ける」という発言までしています。


   こんな強気な発言が出来るのは、いままで自分の主張が景気の上昇という形でことごとく現実化したことにあります。 企業の合併や経営の進歩が経済を成長させているという見解を述べましたが、その後も確かにバブルは続きました。 提唱内容が果たしてバブルが続いた原因かどうかは別として、少なくともバブルが続いたということは事実です。


   そのため自分の考察が正しいと勘違いして、正のフィードバックが生まれて自信過剰になっていったと考えられます。 自分の考えと、考えを正当化する現実とが精神に相乗効果を生んでいったのです。


   自信過剰になるとSystem1の力がより強くなって自分の直感的な考えに固執して、視野が狭くなってしまいます。 例えば平均回帰の無視です。 平均回帰の無視、つまり現在上手く行っていることが今後もうまく行き続けると考えるのはSystem1、つまり人間の無意識の直感によって生み出されるものです。


   フィッシャー教授が暴落の3日前に景気が永遠に上り続けると発言したのも、自信過剰によって平均回帰の無視が働いて、過去10年程のバブルが今後も続くと勘違いしてしまったのです。


   こうして正しいと思うことを成功させればさせるほど、自信過剰による精神的な油断が生まれやすくなるのです。

正しい、間違っているは事実でなくて単なる主観

   正しいか間違っているか、これは事実ではありません。 正しい、間違っているというのは、事実に対する主観に過ぎません。


   例えば副業を開始して半年たっても月に1000円しか稼げなかったとしましょう。 こうみると多くの人にとってはこの副業をしている人はうまくいっていない、やり方が間違っているのではないかと思うかもしれません。


   しかし副業開始後半年で副業収入が月1000円であるのはただの事実に過ぎません。 ここには別に感情的な要素は全く入っていない、完全に客観的な事柄です。


   これを正しいか正しくないかジャッジするのは、私たち人間の主観です。 各々の考え、感情から生じる主観によって正しい、正しくないを判断しているに過ぎないのです。


   副業を全く経験したことがない、何かを継続して努力した経験がない人にとっては半年で月収たった1000円という事実は否定的に捉えるでしょう。


   しかし苦労して副業を行った経験のある人や、副業でなくとも何かを成し遂げるためには長い期間の苦労が伴うことを経験している人にとっては正しい、間違っているかなんて判断できないものでしょう。 失敗の先に成功があることを知っているからです。


   他にも投資をしていて、突然世界経済の落ち込みが全世界で懸念されて株価が軒並み下落したとしましょう。 これによって損をしたって、必ずしも間違っているとは言い切れません。


   投資を行っているとちょっとしたニュースで株価が乱高下するのは日常茶飯事ですから。 株価が下落したのは単なる事実であって、それが正しい、間違っているとか短絡的に判断することなんてできないのです。


   結局正しい、正しくないという判断は事実に対する主観に過ぎない根拠のないものです。 事実に対して正しい、正しくないという判断を即座に下すのは、一番単純な評価方法に過ぎないのです。


   大切なのは、事実に対してもっと多角的に思考を巡らせることです。 例えば副業でうまく行かなかったら、原因は何なのか、どうすればもっとうまくいくのかを考えることが大切でしょう。


   事実は情報です。 そこに対して正しい、正しくないを超えた、もっとレベルの高い解釈をしてそれを今後に生かすことが重要なのです。


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