つながりの力-独立性の有無が大人数の選択の意味を変える-

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つながりの力-独立性の有無が大人数の選択の意味を変える-

   つながり、それは世の中を不安定にさせる大きな要因。 グローバル化や情報社会化によって人やお金に関するあらゆるつながりが出来た結果、世界はどんどん不安定になっています。


   つながりによって世界が不安定になる理由は独立性がどんどん失われているからです。


   今回は2つの実験結果を引っ張り出して、独立性の有無が安定化に大きな影響を及ぼすことを見てみましょう。

大数の法則と独立性

   数学の確率・統計の基本的でとても有名な定理に大数の法則というのがあります。


   大数の法則とは、サイコロを10000回投げたときの目の平均が限りなく3.5に近づくというものです。 つまりサイコロを投げれば投げるほど、出てくる目の平均はサイコロの目の「理論的な」平均(=3.5)に近づきやすくなるということです。


   要するに大数の法則とは、長い目で見れば「平均」という一つの場所に安定的に近づくきやすくなることを言っているのです。


   大数の法則が成り立つための絶対条件が独立性です。 ここでいう独立とは、サイコロを一回投げる行為が他のサイコロの振りに影響を受けないことを指します。


   1回目にサイコロを投げて3の目を出しても、次またサイコロを投げるときにこの3の目というのは影響を与えません。 前回にどの目を出そうとも、次またサイコロを投げるときに1~6の目がそれぞれ1/6の確率で出ることには何の変わりもありません。 これが独立性と言われるものです。

人は独立していれば良い線に近づく?

   大数の法則は何もサイコロのようなゲームの世界だけに成り立つわけではありません。 実は人間に対しても大数の法則に似たようなものが成り立ちます。


   キーは「大人数」と「独立性」です。 つながりを持たない多くの人たちの意見を総合すると、良い線の意見が得られるのです。


   数学者でチャールズ・ダーウィンのいとこであるフランシス・ゴールトンは、1907年に「民の声」と言う名の記事をNature誌に発表しました。


   ※ちなみにゴールトンは"平均回帰"の概念を発見した人でもあります。


   あるとき西イングランドで牛や鳥といった家畜の品評会が催されたときに、飼育した雄牛の体重を当てるコンテストが行われました。 参加した人の中で最も雄牛の体重に近い回答をした人は、商品をもらえるというものでした。


   すると面白いことに、参加した789人全員の回答の中央値は雄牛の本当の体重に近かったのです。 (中央値:548kg、実際の雄牛の体重:544kg)


   (ここで中央値とは、回答を体重の低い順に並べたときに真ん中の体重、つまり395番目に低い体重のことを表します。)


   実はこのとき、参加者たちは互いに相談したりすることなく、個人個人それぞれが独立に雄牛の体重を予想したのです。 その結果、全員の予想値を低い順に並べると、ちょうど真ん中の予想値が本当の体重にかなり接近していました。


   もちろんすべての人たちの予想が実際の体重である544kgに近かったわけではありません。 中には600kg以上と予想した人もいましたし、逆に500kg以下と予想した人も多くいました。 なので個人の予想は実際の体重とのズレは多いです。


   しかし多くの人が集まって、全員が周りに流されずに自分自身の考えで予想をしたときには、みんなの意見がかなりいい線いった答えを生み出したのです。


   つまり独立した多人数は、総合的にいい線をついた意見を生み出せるのです。


   これはある意味大数の法則のようなものが人間にも成り立っていると言えます。 サイコロを10000回投げるのではなく、人間を10000人集めてそれぞれ独立に予想すれば、その真ん中の考えはいい線をいくことになるのです。 (平均と中央値という違いはありますが)

独立性が損なわれると一気にランダムになる

   しかし大人数がつながりを持ち、独立性が破綻すると、もはや大人数の意見は不規則で偏ったものになってしまいます。 独立性があったときのように有用な意見が得られる可能性が低くなります。


   ネットワーク理論の研究者であるマシュー・サルガニク、ピーター・ドッズ、ダンカン・ワッツの3人は、実験のために48曲の音楽を無料でダウンロードできるサイトを作成しました。


   目的は人々のつながりの力が曲のダウンロード数にどういった影響を与えるのかを確かめるためです。 この実験には14341人もの人が参加しました。


   サルガニクら3人は、人のつながりがダウンロード数に与える力を確かめるために一つのトリックを使いました。 他の人たちのダウンロード数を確認できるサイトと、他の人たちのダウンロード数を確認できないサイトの2種類を用意したのです。 参加者たちはこの2種類のサイトのどちらかにランダムに割り振られました。


   これによって曲をダウンロードする前に、あらかじめ他の人たちがどういった曲を好んでダウンロードされているかの情報が、曲のダウンロードにどういった影響を及ぼすのかを確かめられるようにしました。


   すると、他の人たちのダウンロード数を確認できないサイトでは曲のクオリティによってダウンロード数が決まる傾向にありました。 つまり独立性が成り立っているときには、多人数の意見はいい線にいくのです。


   一方で他の人たちのダウンロード数を確認できるサイトでは、曲のクオリティ以上に他の人がダウンロード数が影響を及ぼしたのです。


   つまり多くの人がダウンロードしている曲ほど、人気になっていくということです。 曲の好みは伝染するのです。


   いくら曲のクオリティが高かろうが、必ずしも人気になるわけではないのです。 人気になるかどうかは「火付け役」の動向次第です。 最初に曲をダウンロードした人たちがどの曲を選んだのかが、その後の人気に物凄く大きな影響を与えるのです。


   しかし火付け役がどの曲を好むかどうかはわかりません。 ランダムです。


   つながりが生まれて独立性が失われると、もはや大人数の意見の正当性、合理性は保たれなくなるのです。


   このように独立性の有無によって、大人数の選択の意味が大きく変わるのです。


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