健康基準に根拠があるとは限らない、科学的に決められたとしても

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健康基準に根拠があるとは限らない、科学的に決められたとしても

   世の中には健康に関する様々な基準が設けられています。 血圧、血糖値、コレステロール値などなど、様々な項目に対して基準値が定められていて、基準値に収まっているか否かによって健康であるかどうか判断されます。


   しかし基準というのはあくまで医療関係者による"決めつけ"に過ぎません。 基準内に収まっているからといって健康だとは限りませんし、ちょっと基準からはみ出したって不健康なわけではありません。


   基準というのを健康を表す絶対的な尺度と考えると、不要にお金を払ったり無駄に薬に頼ることによる副作用、Iatrogenesis(医原病)によるリスクに身を晒す可能性があります。

基準に根拠があるとは限らない、科学的に決められたとしても

   私たちは基準から外れるとすぐに「不健康だ」「病気かも」と心配してしまいがちです。 さらに医療科学の進歩、お医者さんや医療業界の権威性、こういったイメージが基準の正しさを助長させています。


   しかし残念ながら基準は必ずしも根拠があるものではありません。 例え科学的に定められたとしても...


   例えば血圧の健康基準を超えたところで、心血管疾患といった病に直結する決定的な根拠は2014年現在ありません。 確かに高血圧の人と心臓病患者との間の相関を示すデータはあるものの、「相関≠因果関係」ですから。


   もしかしたら高血圧の人も、ストレス、睡眠、食事といった高血圧とは全く異なる原因によって心血管疾患や脳卒中といった病気を引き起こしているかもしれません。 しかしこうした可能性が十分に検証されていないまま、すべてを高血圧のせいにしてしまっているのが現状です。


   さらに統計学者のSpyros Makridakisと心循環系の研究者であるJames J DiNicolantonioによる共著論文※1では、多くの医療論文の統計的根拠は非常に浅いと主張しています(特に高血圧に関しては)。

   ※1:S. Makridakis, J. J. DiNicolantonio Hypertension: empirical evidence and implications in 2014.


   医療系の論文では、ある病気とその病気の原因と疑われるものの関係を調査するなどのために統計が使われています。 例えば高血圧が心血管疾患の原因であるかどうかの調査などです。


   こういった調査を行う際には回帰分析という統計的手法を用いて、決定係数という数値を求めることがよく行われます。 決定係数とは「ある体の状態がある病気を引き起こす原因と解釈できる度合い、尺度」のことです。 例えば「高血圧が心血管疾患の原因だとどの程度結論付けてよいか?」といったことを表します。


   決定係数は0~1の間の数値をとり、1に近ければ近い程「高血圧が心血管疾患の原因である」と解釈することが妥当になっていきます。


   一方で0.5~0.6未満の場合は「高血圧が心血管疾患の原因である」という解釈の信頼性は著しく低下します。 "たまたま"そうなっただけという、元々のデータに混じっていた不確かな要因が大きくなってしまうからです。


   残念ながら、多くの医療統計論文ではそもそもこうした決定係数が明記されていません。


   そこで医療統計論文に明記されていない決定係数が実際にはどの程度なのかという調査も行われているようですが、実態は残念なものです。 隠ぺい工作か?なんて勘ぐってしまい兼ねません。


   ある論文※2によると、調査に使用したほとんどの医療統計論文の決定係数は、0.05~0.3の範囲にとどまるとのことです。 決定係数が0.3を超えるのはむしろ珍しいことなのです。

  

※2:Iezzoni LI, Ash AS, Coffman GA, et al. Predicting in-hospital mortality. A comparison of severity measurement approaches.


   これがあらゆる医療論文に当てはまるとすると、ほとんどの医療論文の統計結果の信頼性は著しく低いことになります。 医療統計を論文著者が正しく利用しないことによる誤りが混じっている可能性が非常に高いのです。 そしてこうした状況下で、血圧やコレステロール値といった基準が定まっているのが現状です。


   統計を(専門家でも)正確に扱うのが難しいという人間の性質、自分が所属する業界に対する専門家のプライド、業界の秩序を守りたい専門家心理、実証論文よりも反証論文の方が信頼性が高い確率的事実...こうしたことを踏まえると、たまたまだと言い切ることは難しいと思います。


   例え「統計を使用して科学的に」医療の基準を決めていたとしても、その基準に根拠がある保証はないのです。

基準を変えれば患者が増える

   そもそも基準は何のために存在しているのでしょうか。 表面上は私たちの健康を測るための指標ですが、本質的には医療界を潤す"大人の事情"的な要素が強い気がしてなりません。


   そういう目線で基準を見てしまう一つの理由が、基準がコロコロ変わることです。 基準を変えれば患者が増えますから。


   歴史的に見ると、以前紹介したヒステリーがまさに基準を変えたことで患者が劇的に増加した例です。 19世紀のアメリカやヨーロッパで女性のヒステリーが増加し、ヒステリーの医学研究が盛んに行われました。


   ヒステリーの医学が進歩した結果、ヒステリーの基準が拡大解釈されていきました。 「女性の4人に1人がヒステリーだ」と述べた医師がいたくらいなのです。


   その結果ヒステリー患者は激増しています。 ヒステリー患者の割合は1841年では診断を受けた女性の1%に過ぎませんでしたが、1883年には17%にまで増えたのです。


   現代でも基準値が変わることで患者数が激増しています。


   血圧の基準を見てみましょう。 1987年の旧厚労省の基準では上180未満、下100未満が正常と言われていました。


   しかし2014年現在、正常値は上130未満、下85未満にまで厳しくなっています。 それ以上になると高血圧予備軍に認定されます。 さらに上が140以上、もしくは下が90以上になると高血圧と診断されて、場合によっては医師により薬を処方されるようになります。


   高血圧基準の変更のおかげで、1987年当時の高血圧の患者数は170万人でしたが、2012年に基準を上回る人は概算で3900万人近くいます。


   【参考】
   →1987年のデータ:基準値下げて患者急増する高血圧疾患 年間2兆円の医療費に
   →2012年のデータ:平成24年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)


   (2012年は最高血圧が140以上の人を計算。 下が90以上の人を含めれば、もっと多いと思われます。)


   15年間で実に23倍以上! いくらこの間高齢者人口が増えたといっても、それを凌駕するくらい高血圧疾患者が激増しているのです。


   ここまで血圧の基準値が下がったのは、WHOが1999年に基準値を「上160未満、下95未満」→「上140未満、下90未満」に引き下げたのが発端と言われています。 世界基準が下がったんだったら日本も同じ基準にしよう、もはやお決まりの"論理"ですね。


   それに基準を下げれば患者も増えて製薬会社はボロ儲けできますから。 実際、降圧剤の売上げは、1988年には2000億円だったのが2008年には1兆円を超えています。

   →参考ソース:薬を売るための策略?>高血圧のガイドライン操作で、薬の売り上げ6倍に!!


   降圧剤は2014年現在、日本で最も多くの売上を誇る薬です。 降圧剤は高価で患者は一生飲み続けないといけない類のもののため、製薬会社にとってはウハウハなのです。

基準外になったら強引に薬に晒されるのが問題

   基準を下げることの本質的な問題は、基準を狭めることで本来全く重症でない人に対しても薬などを使った治療を強引に勧められることです。


   例として高血圧治療のガイドラインを見てみましょう。 高血圧の場合、2014年現在では次のように3種類のリスクが定義されています。


血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化


   そしてリスクに応じて次のような治療が施されます。


初診時の高血圧管理計画


   薬による治療が始まる前に、低リスク群だと3ヶ月、中等リスク群だと1ヶ月間の生活改善によって値を下げる猶予が与えられます。 高リスク群では即、降圧薬による治療が始まります。


   これを見ると、どの患者に対しても薬による治療を行いたい医療関係者の気持ちが伝わってきます。


   まず1ヶ月、3ヶ月といった短期で果たして基準値に戻せるか、甚だ疑問です。


   正直、人間はこんな短期間に体質を改善できる生き物ではありません。 ダイエットにしたって筋トレにしたって、めちゃくちゃ努力しない限り効果が表れるのは大体3ヶ月経ってからです。 私自身ダイエットや筋トレの経験があるので、こうしたことは経験的に理解しています。


   それなのに3ヶ月以内に効果を出せというのは、人間の体質改善に時間を要することを無視している気がしてなりません。


   それに甚だおかしいのは、血圧分類がII度高血圧の中等リスクの人の方が、I度高血圧の低リスクの人よりも降圧剤投与猶予期間が短いことです。 高血圧であればそれだけ正常の血圧に戻るのに時間が掛かるはずなのに、何故血圧が高くなればなるほど生活習慣の改善によって正常値に戻すまでの猶予が短くなるのでしょうか。


   こういう風に考えれば考えるほど、病を"金のなる木"としか見ていないのではないかと勘ぐってしまいます。


   別に基準を厳しくしても、それによって私たちに運動やバランスのとれた食事といった健康を促す動機とするのであれば大して問題ではありません。 しかしこの例を見ると、基準を厳しくすることで強引に薬を勧めているとしか思えません。


   患者から不要に金を奪うことはもちろん問題です。 しかし不要な治療によってIatrogenesis(医原病)に掛かって逆に寿命を縮める、これが最大の問題点です。


   高血圧に関しては、そもそも年齢を重ねるごとに血圧が上がるのは人間のごく自然な変化です。 60歳、70歳と年を重ねて最高血圧が160、170になるのは人間にとってごく当たり前のことです。


   それに高血圧は危険因子ではなく、むしろ発熱のように心血管疾患による死を予防する防衛反応である可能性もあるくらいなのです。 実際、例えば次のような研究結果も存在します。 (上記で引用した論文※1の最後部分に書いてあります)


  • 心不全患者の病院内死亡率と退院後死亡率を患者の血圧別に調査したところ、最高血圧が161を超えるグループが最も死亡率が低かった。
    具体的には最高血圧が161を超えるグループは、140未満のグループに比べて2~3倍程度死亡率が低かった。 (現在の基準では最高血圧が140以上になると、高血圧だと判断されて血圧を下げる治療を施されることを思い出して下さい)
  • 20~64歳までの高血圧の男女のうち、自分が高血圧だという事実を知らずに治療を受けなかった人たちが最も心血管疾患による死亡率が少なかった。
    自分が高血圧だという事実を知っていた人の中では、高血圧治療を施さなかった人たちが最も心血管疾患による死亡率が少なかった。

   こうしてみると、高血圧治療がIatrogenesisを生むのではないか、むしろちょっとした高血圧はほっといた方が健康に良いのではないかと思ってしまいます。


   これらの研究結果から高血圧が体に良いと考えるのは早計です。 実際、高血圧が人間の防衛反応であるという決定的な科学的証拠はまだありませんし、体に良いかどうかはまた別問題です。


   しかし人間が勝手に定めた基準によって強引に薬を処方されて副作用に苦しむよりも、自然の摂理に任せて放っておくのが合理的な気がしませんか。


   人間にはちょっとした病気に対しては、医療に頼らずとも自力で治癒する能力を持っています。 人間が本来持つ回復能力を信じて、ちょっと基準を超えた程度なら放っておく。 基準を大幅に超えて、自覚症状も感じるようになったら医療を頼る。 これがおそらく医療との最強の付き合い方だと思います。


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