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人間の認知能力は投資環境に適応できていない


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人間の認知能力は投資環境に適応できていない

 投資をするときに、見過ごしがちですが決して見過ごすことができない一つの側面があります。その側面とは投資をするときに考えられる人間心理の働きです。

 

 投資を行う際には、適切な情報を取得し、自分なりに情報を咀嚼したうえで、投資判断という自分の意見をアウトプットし、それをもとに銘柄の売買やポートフォリオの構築といった行動に移していくわけです。

 

 このプロセスの中で誰でも必ず何かしらの人間心理が働きます。人間心理が投資判断や行動に常にプラスに働いてくれれば良いのですが、人間心理は投資に適応しているとは言えず、ときに知らず知らずのうちに非合理な判断や行動をしてしまい、損失につながってしまうのです。

 

 投資で致命的な損失を生み出すのを防ぐためにも、私たちは人間心理の働きについて多少なりとも知識を持ち、感情をコントロールできるようにすることが不可欠となります。

 

 そのための第一歩は、人間の認知能力が投資環境に適応できていないことを理解することです。つまり投資では私たちは誰でも往々に間違いを犯すことを認めることなのです。

 

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人間の認知能力は投資環境に適応できていない

 人間の認知能力が投資環境に適応できていないことを理解するためには、まず人間の認知能力の高さについて見つめなおすことが大切となります。

 

 私たち人間は言葉を話し、文字を理解し、計算もこなせるという、他の動物にはない能力を持っています。さらに人間独自の高度な知恵や工夫によって、農業技術や産業・エネルギー・IT技術を大きく進歩させ、狩猟時代とは比較にならないほど日常生活を様変わりにさせてきました。

 

 人間独自の高度な能力や、人類が歩んできた歴史を長い目で振り返れば、私たちは往々にして他の動物よりも優れた認知能力をもつ特別な生き物だと理解するのは当然のように思えてきます。

 

 しかしだからといって私たち人間が常に高度な認知能力を駆使しているというと、実はそうとも言えないのです。私たちの中で自律的に、無意識に働いている認知能力とは、他の動物に負けず劣らず単純で決して合理的とは言えないような性質をもっているものなのです。

 

 見た目だけの印象で相手の能力を推し量ってしまったり(例:高身長のイケメンはきっと仕事もできるに違いない)、難しいニュースの報道内容を鵜呑みにしてしまったり、期待値が薄く損失も大きくなるようなギャンブルになぜか手を出したり(例:投資は怖いと思うのに、宝くじは夢があると思って頻繁に買う)、結構私たちの認知能力は雑なのです。

 

 人間が単純で非合理で雑ともいえる認知能力を無意識に利用しているというのは、昔は確かに役に立ったといえるのです。

 

 例えば人間は頻繁に接触する人たちと自然と仲良くなったり、そうした人たちを信じるようになったりするものです。これは昔人類がグループを形成して協力して狩猟や食べ物の採取をしながら生き延びるうえでは、非常に役にたつ能力なのです。

 

 また危険を察知したらすぐにその場から逃げる本能。これだって、昔はいつ危険な動物と出会って襲われてしまうリスクが常にあったわけですから、森の茂みの不穏な音を聞いた瞬間に逃げるという能力は生存のためにやはり非常に役立っていたわけです。

 

 昔の人類のように、現代ほど目まぐるしく変化しない環境で過ごしてきた人たちにとっては、そこまで合理性や正確性は生きていくうえで要求されてこなかったのです。合理性や正確性を犠牲にしてでも、グループで協調する能力や、いざというときに瞬間的な判断が出来る能力の方が遥かに重要だったのです。

 

 こうした能力は現代でももちろん役立っており生活に欠かせないものですが、一方で現代のように複雑化してしまった社会では、必ずしもプラスに働くとは限らない、ときにはマイナスに働いてしまう場合もあるのです。その筆頭が投資です。

 

 例えば株価が高値更新で、今後も上がり続けるとのアナリストやトレーダー、経済学者などの意見をニュースで頻繁に見ていると、ついつい本能的に株価が今後も上がり続けると期待してしまって、ついつい高値の株に手を出したくなることもあるでしょう。

 

 また保有している銀行株が予想だにせず大幅に下落してしまい、急に世界の有名金融機関の破綻の噂が流れているのをみると、怖くなって投げ売ってしまうこともあるかもしれません。

 

 しかし高値で掴むとその後損に見舞われることもありますし、突然の株価下落にびっくりして売却しても、時間が経てば株価も元通りになることもありますし、こうした本能的な行動はときには損失を生み出してしまうこともあるわけです。

 

 人間が昔から引き継いできた能力が投資においてはマイナスに働きうる裏には、投資という環境が非常に複雑であり、ときに投資環境の大幅な変化が頻繁に起こることが挙げられます。

 

 繰り返し接したものを信じ込むとか、危険を察知したら逃げ出すとか、そうした性質は私たちを取り巻く環境が時間が経過してもそこまで大きく変化しないのであるからこそ有用なのです。白が白のままだからこそ、繰り返し接した白が今後も白であると信じても問題ないわけです。

 

 もしいまは白でもあるとき突然黒に変わってしまうようなら(しかも黒に変わったと瞬時に認知することが、情報不足などによって必ずしも容易ではないとすると)、ずーっと白であると信じ続けることは非常に危険ですよね。黒に変わった後でも、黒になったことに気付かず白であると思い込んでしまうのですから。

 

 また昔のように環境がそこまで変わらないのであれば、危険を脅かす状況もある程度パターン化されるわけですから、危険を知らせるシグナルをある程度聞き分けられるわけです。よって危険を察知したらそのまま逃げ出してもさほど問題ないわけです。

 

 しかし投資という複雑で変化が良く起こる環境では、聞くべきシグナルと無視するべきノイズを聞き分けることが困難になります。ニュースも玉石混合ですし、市場心理の反応も様々ですから。しかも私たちの気づかないうちに流れが変わり、いままでのシグナルやノイズを判別するためのパターンが崩れることもありますから。

 

 そのため突然株価が大きく下落したり、下落が長引いても、それが果たして当該企業の実態を知らせてくれるシグナルなのか、それとも単なる市場の一時的なパニックを反映しただけのノイズなのか、中々判別できないのです。すぐさま売るべきなのか、それとも気にせず保有し続けるべきなのか、よくわからないのです。

 

 シグナルやノイズを聞き間違えることで、売るべき株を保有し続けたり、逆に持ち続けるべき株を手放してしまうことも十分あり得るわけです。

 

 このように私たちの認知能力は、投資という複雑で変化が起こりやすい環境では、必ずしもプラスに働かない、ときにマイナスに作用してしまうのです。

 

 こうした特徴は認知や推論に関する実験からも示されていることであり、人間の自律的な認知能力が昔とほとんど変化して来なかったことと併せて、人間の認知能力は投資環境に適応できておらず、今後も(少なくとも相当な歳月が経たない限り)完全に適応することはないと断言して良いでしょう。

 

 どんなに有名な大学や企業に所属しても、どんなキャリアを積んでいても、投資で同じように成功するとは限らないのです。むしろ自分に対する自信が人間の自律的な認知能力を誤って働かせて投資にマイナスに影響してしまうことは十分考えられることです。

 

 誰しも投資判断を見誤ることは十分に考えられる、ときに自分で自分に牙をむいてしまう、こうしたことを受け入れることが投資に対する人間心理の働きを理解する第一歩として大切なのです。

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