[2026/01/20 ブルームバーグ]40年債利回り最高、日本国債では95年来の4%乗せ-財政懸念で売り圧力
日本国債40年物の利回りが4%に上昇し、2007年の同債発行開始以来の最高水準を更新した。日本の国債利回りが4%台に乗せるのは1995年以来だ。与野党が衆院選の公約に消費減税を盛り込むとの見方から財政拡張への警戒感が強まっており、日本国債売りの動きが止まらない。
この記事を書いていたときの40年物国債利回りは4.15%でした。今週が始まる前の40年物国債の利回りは3.7%を切っていました。僅か2日間で0.4ポイント以上もの急激な上昇です。
これは昨日に米国株市場がハイテク株中心に売られた大きな要因にもなりました。日本国債利回りが上昇すると円キャリートレードの巻き戻しが起こり米国ハイテク株が売られやすくなります。
2月8日投開票の衆院選は、高市首相が「積極財政」を掲げ、海外投資家が日本の財政の先行きに並々ならぬ関心を持っている中で行われる初めての選挙です。
今や海外投資家は日本国債の唯一の主要な買い手です。彼らにしてみれば、GDPの232%もの世界最悪の政府債務を抱える日本が財政健全策を行うのは当然でしょう。
ところがほぼすべての政党は何らかの形で消費税を減税・廃止にする方針を掲げました。海外投資家からすれば右も左も真ん中も皆ポピュリスト政党だと思っているのではないのでしょうか。
日本国債の急激な利回り上昇は、海外投資家が各政党の財政政策の方針に度肝を抜かれたことの表れとしか言いようがありません。
衆院選の結果次第で今後の政権を担うことになる自民党もしくは中道改革連合は極めて厳しい環境に置かれること必至です。
ほぼすべての政党が消費税減税・廃止の方針を掲げ、物価高に苦しむ国民の多くがそれを望んでいる以上、これを票集めのためのニンジンとして使うだけで、いつまでも先延ばしにすることは政治的に難しくなります。
財源を確保しなくてはなりませんが、歳出の削減は支持母体含む既得権益からの猛烈な反抗を受けます。法人や富裕層を狙い定めた増税も票を多く失うことになります。新発国債の発行で賄うなどと言えば円安・金利高が止まらなくなります。
(もちろん我々としては食料品だけでも消費税を減らしてくれた方がありがたいです。税収は食料品の消費税廃止でおよそ5兆円減り、一律5%への減税でおよそ13兆円減ります。前者の方が圧倒的に財源確保のハードルは低く、かつ低所得層・貧困層を中心に恩恵を受けられます。)
歳出の削減や増税が難しければ、物価高を放置し、近年日本の歳入増加に最も貢献しているインフレ税に頼るしかありません。
しかしインフレが制御不能になれば、長期金利の上昇・高止まりは必然です。金利上昇で国債の利払い費は加速度的に上昇していますが(25年度は前年度比28%程度上昇する見通し)、これに歯止めが掛からなくなります。
これは活況を呈する日本株の暴落にも繋がります。対名目GDP比時価総額(所謂バフェット指標)で見れば、日本株は80年代を上回るバブル状態にあります。日銀は19日にETFの売却を始めました。
しかも円キャリートレードの巻き戻しにより、米国株を始めとした世界金融市場のクラッシュの引き金を引く恐れすらあります。
こうして考えると、衆院選後に経済・財政・金融分野を中心に次から次へと災禍が政権を襲い掛かるような気がしてなりません。
次の衆院選はどちらが勝っても負けても地獄です。政権担当者には奇跡的に優れた舵取りをして欲しいと願いますが、そのような実力者が今の与野党にいるのでしょうか。
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