[2025/07/02 ブルームバーグ]トランプ氏、日本との合意困難と言明-30%や35%の高率関税賦課も
トランプ米大統領は1日、適用を一時停止している上乗せ関税について、今月9日の猶予期限を延長する考えはないと明言した。また、日本との通商合意がまとまる可能性は低いとの認識を示した。
トランプ氏は大統領専用機エアフォースワンの機内で、猶予期限を延長する意向かとの記者団の質問に、「いや、猶予は考えていない」と答え、「多くの国に書簡を送ることになるだろう」と述べた。
日本については、「極めて大きな貿易赤字を抱えているため、30%や35%、あるいはわれわれが決める数字」の関税を課すことになるだろうと言明。 「合意に至るかどうか分からない。日本と合意できると思えない。彼らは非常に手ごわい」と述べた。
石破茂首相は28日、静岡県沼津市で講演し、7月3日公示―20日投開票の参院選の公約で立憲民主党など野党が訴える消費税減税を批判した。「お金持ちほどたくさん消費する。減税額が大きい。本当にそれでいいのか」と述べた。法整備やシステム改修に時間を要するとも語った。
自民党の森山裕幹事長は29日、奈良県五條市で講演し、多くの野党が物価高対策として参院選公約に盛り込んだ消費税減税に対抗する姿勢を強調した。「何としても消費税を守り抜く。代替財源を示さずに、消費税を下げる議論だけをするのはポピュリズムの政治だ」と述べた。
トランプが上乗せ関税の猶予期限を延長する意志がない言ったのは本音かはったりか?
トランプ大統領が各国に関税を課した目的を思い出してください。
それは他国の関税や非関税障壁、為替操作、ダンピング、補助金、迂回貿易といった不公正を是正することです。
そして最終的には、世界の貿易不均衡を解消したいと思っています。ベッセント財務長官もいまのグローバル体制はもはや限界だと述べています。
トランプ大統領が問題視する非関税障壁の代表格なのが消費税です。
米国から日本への輸出品には消費税が掛かるのに、日本が米国に輸出する際には原材料の購入時に支払った消費税を輸出企業にリベート(還付)することを大変問題視しています。
首相や自民党幹事長が消費税減税に否定的な意見を述べたことは、トランプに関税交渉で譲歩する意思がないことを明確に示したことになります。
7月20日投票の参議院選挙の各党の現時点での消費税に関する公約は以下の通りです。
消費税の減税・廃止を断固拒否する党
自民党:現行の10%を維持
公明党:現行の10%を維持
消費税の減税・廃止を掲げる党
立憲民主党:食料品を原則ゼロ(2026年4月から一年間)
日本維新の会:一律8%に引き下げ(一時的)。食品の消費税撤廃も提案。
国民民主党:一律5%に引き下げ(実質賃金が持続的にプラスになるまで)
日本共産党:一律5%に引き下げ。将来的に消費税廃止を目指す。インボイス制度の廃止も提案
れいわ新選組:即時廃止
参政党:段階的廃止
社民党:食料品を即時ゼロに
日本保守党:食料品をゼロに
自公が大敗北し野党が勝っても、公約を守る保証はありません。ザイム真理教と裏で結託して消費税に関する公約を反故にすることは十分あり得ます。
とはいえ、大局的に見れば消費税の減税・廃止の方向に潮目が変わっていくことはおそらく間違いありません。
そうなればトランプが問題視する日本の非関税障壁も緩和の方向に向かっていくことでしょう。
今月の参院選は日本人だけでなく、トランプにとっても関税交渉で全く聞く耳を持たない政権を終わらせる大チャンスという意味で非常に関心が高いと思われます。
日本が自動車関税引き下げなどの譲歩を引き出せないまま、トランプが日本に上乗せ関税を発動したら、現政権によるトランプとの交渉は大失敗したことになります。
自動車会社を始めとする輸出企業やその下請け企業が抱いていた、関税引き下げ・取り下げという微かな希望は打ち砕かれます。
ビジネスの岐路に立たされ続けます。存亡の危機に直面するところも少なからず出てくることでしょう。その怒りは投票行動に現れるはずです。
参院選の公示~投票までの間にトランプが日本に対する上乗せ関税発動を決定することは、トランプにとってメリットのあることなのです。