トランプ関税は40年以上続いてきたグローバル金融体制をぶち壊していく

トランプ関税はフーバー大統領時代の1930年に成立・発動した関税法(スムート・ホーリー法)を引き合いに出されることがあります。

ウォール街がトランプ関税に対し、世界経済は不況入りし、貿易が縮小し、長期的に世界が分断し経済がブロック化するなどと言っているのは、フーバー関税で世界恐慌が深まった歴史の記憶が甦っているためでしょう。

フーバー関税は、お金のある米国がデフレで苦しんでいた他国からお金を搾り取ろうとするものでした。

そりゃ世界各国が報復関税を課し、ブロック経済に発展するのも無理はありません。米国の製造業が原材料コストの上昇と輸出減で赤字を垂れ流すのも当然の結果です。

トランプ関税はフーバー関税と違い、取れるところからお金を取ろうとしています。これは相互関税率を米国の貿易赤字(=マネーの流出)の規模に応じて決めたという事実からも明らかです。

テクノロジー業界はトランプ関税の負担を強いられる筆頭ですが、利益率が大きくキャッシュフロー豊富です。関税負担が生じても投資を続けることが出来ます。

トランプ関税は「お金のある所からお金のない米国に資金を戻し、国際資本の不均衡を是正する」ことを目的としたものです。

世界経済の破滅は世界のお金の不均衡によって生まれるものです。不均衡が拡大を続けると、いずれお金の出ていく国がまず潰れます。するとお金を搾り取ってきた国も製品の売り先がなくなり潰れます。

グローバル化が進んでから米国から世界にお金が加速度を付けて流出していきました。経常収支は1.1兆ドルの赤字、対外純債務は25兆ドルあり、ともに世界ダントツトップです。

Fedが金融緩和で金利を下げながら、米国の企業・家計・政府が借金をして海外から商品を購入し消費し続けてきた結果です。

これは米国の基軸通貨性があるからこそ通用してきました。しかしこれを永久に続けることは出来ません。

無理に続ければ最終的に不換紙幣の米ドルや米国債の信用がなくなり、米国はハイパーインフレに陥るしかありません。

そうなれば米国は海外からモノを買えなくなり、米国に輸出していた国々の経済も米国の道連れに遭い、グローバル経済システムもろとも世界経済は吹き飛んでしまいます。

世界に逃げていったマネーを米国に取り戻し、国際マネーの不均衡を是正し、世界の破滅を防ぎ、中長期的に世界経済を安定・健康にするためにトランプは関税という手段を取ったのです。

あっ、トランプ関税が平和裏に進むとは一言も言ってませんよ。国際マネーの不均衡を是正するとは、米国がカネの出し手となり世界の株式や債券市場の繁栄をもたらしたグローバル金融体制をぶち壊すことに他なりません。

S&P500やオルカンを運用して財産を築いた方々、金融崩壊の準備は出来ていますか?

★相互関税が経済と市場に与える影響に関して詳しくは本日配信のアボマガ・エッセンシャルの配信をご覧ください。