銀(シルバー)の最大消費国の中国で引き合いが一段と強まっている。現地の取引所の価格は国際指標となるロンドンの価格を約2割上回る水準で推移し、国際相場に比べた割高感が出てきたとみる向きもある。太陽光発電向けなどの産業用需要がけん引しているようだ。衰えぬ中国需要は銀相場の先高観の一因にもなりつつある。
銀が太陽光パネルに欠かせないのはもはや常識です。
これまで銀ペーストは太陽光パネルの表面にのみ塗布されていましたが、これから急速に普及していくトップコンという種類では、裏面にも銀ペーストが塗布されます。
さていま、世界の太陽光モジュールの8割を生産する中国の太陽光パネルメーカーは苦境にあると言われています。
中国では近年急激に太陽光パネル生産能力が拡大し、いまでは2030年頃まで世界の需要を満たすほどあります。
その結果、昨年に太陽光パネルの価格は4割以上暴落し、メーカーは利益が出なくなりました。
さらに送電網敷設の後れ、発電事業者の買取保証制度終了、規制強化などで、中国の太陽光発電市場は踊り場にあるようです。
その一方、太陽光発電の敷設をこれから増やしていきたい他の国々にとって、安価な中国製太陽光パネルはとても魅力的です。
欧米産に比べ3~5割も価格が安いのはもちろん、中国産太陽光パネルを使った太陽光発電が最も安価な電源なのですから。
欧州、アジア、中南米、中東・アフリカと、米国以外の国々は、中国から太陽光パネルの輸入を年々増やしてきました。
脱炭素につながるから、SDGsに貢献するから、そんなことはどうでもいいです。
各国にとって、世界で最も安い中国製太陽光パネルを輸入し、太陽光発電能力を増やすことが、最も安価に電力供給を増やし、経済発展していく近道なのです。
中国の銀価格が世界と比べて高いことは、中国の太陽光パネルメーカーが輸出向けにせっせと生産に勤しんでいることを示唆しているのかもしれません。
因みに、中国製パネルを最も輸入している地域は欧州です。EUは中国製EVに輸入関税を設けると言っていますが、太陽光パネルについては何も言っていません(米国は太陽光パネルも禁輸するみたいですが)。
脱炭素に後ろ向きな「極右勢力」と言われている政治家たちも、自動車燃料の減税、風力発電の廃止といった発言はしていますが、太陽光パネルの輸入や太陽光発電に対する否定的なコメントは特に述べていないようです。
欧州にとって、中国製EVの流入は自動車産業の破壊、つまり経済の崩壊につながる話なので看過できません。
でも太陽光パネル市場は自動車産業と違い市場規模は遥かに小さく、欧州の力が元々弱いコモディティ産業なので、中国製が大量流入しても大したデメリットはありません。