英語初心者の方でも英語が好きになるには?
今回は英語初心者の方でも英語が好きになるにはどのような行動をすればよいのか?について話します。
長年継続して英語を学び、実生活に活かすためには英語を好きになることが一番大切です。 最初に英語を好きになれさえすれば、挫折する可能性を減らして長年英語と上手く付き合っていきやすくなります。
そこで今回は英語を好きになるためにはどのような意識をもって英語に接するべきかを、人間心理の基本的な特徴を踏まえた上で書いていきます。
英語が好きになるかもしれない行動の例
英語初心者がどのように最初に英語と接すれば英語好きになりやすいのでしょうか?
人によって一概に言えるわけではありませんが、一つの目安としては次のようなものが挙げられるでしょう。
英語が好きになるかもしれない行動
- わからなくても細かい意味を調べなくても良いので、沢山の文章をざっと読んだり聴いたりしてみる
- 自分が詳しい趣味の分野(スポーツ、ゲーム、音楽など)の既に知っている内容を英語で読んでみる
- 同じ文章を繰り返し読んだり聴いたりする
つまり英語を好きになるためには、細かいことは気にせず自分が良く知っている内容の英語に繰り返し触れることが大切ということです。
何故上のようなことが言えるのかを、ちょっとした心理学の話を交えて説明しましょう。
英語を好きになるために:繰り返しの力
英語が好きになるために重要なのは、気持ちよさや快適さを引き出す心理的作用を刺激することです(快適さを生み出す心理的作用をCognitive Easeと呼びます)。
Cognitive Easeを刺激して何となく良い感覚を体で感じることが、何事も好きになるための近道となります。 上に挙げた英語が好きになるかもしれない行動の例は、いずれも快適さを感じさせてくれるものだと考えています。
気持ちよさや快適さを生み出す作用を刺激する材料の一つが、繰り返しです。
人間には単純接触効果と呼ばれる心理的バイアスが備わっていることが知られています。 単純接触効果とは繰り返し接触したり経験することによって、親しみや好感度が高まる効果のことを言います。
例えば知らない異性の人と会ったときに、初めは何も興味もなかったのに会って話をしていくうちにだんだんと好意を抱いていくのはよくある話。 また毎日同じ時間にテレビをつけているときに画面に現れるニュースキャスターを見ていると、なんだか親近感が湧いてきて、ついついまた同じ時間にテレビのスイッチを入れますよね。
他にも同じ場所で寝ているといつしかその場所で寝たくなったり、長期出張や転勤で知らない土地にしばらく住んでいると何だかその土地に愛着が湧いたりするものですよね。 住めば都ということわざもあるくらいですし。
このように初めは何の興味も感情も抱かなかったのに、ただ単に繰り返し接触をするだけで自然と好意を抱くのは単純接触効果が働いているからと言えます。
わからなくても良いので沢山の英語を繰り返し読んだり聴いたりすることをおすすめするのは、単純接触効果によって英語に対する好意が生まれやすくなるのでは?と考えているからです。
あくまで英語に対して無意識に好意を抱くことを目的としているので、英語の内容を正確にわかる・わからないは関係ありません。 ゆる~い気持ちで良いので、毎日英語に継続的に触れることだけに気を付けてもらえればと思います。
英語を好きになるために:わかった気になれる行動をする
もう一つ快適さを生み出すために大切なのが、わかった気になれるような行動をすることです。 Cognitive Easeが働いてわかった気が生まれればそれだけで嬉しいですし、さらなる自信にもつながりますから。
別に正確に理解できなくても構いません。 本当は間違った理解だったとしても最初は結構です。
感覚的にわかった気になる、こうした自分勝手な感情を早いうちから体験することが英語を好きになるために物凄く重要だと考えています。
英語をわかった気になるためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。 英語の前に、まずは皆さんが日常生活で出くわす例から考えていきましょう。
例えばわかりやすい言葉で述べられて、図やグラフを多用したプレゼンの発表。 一般論や抽象的な言葉は持ち入らず、具体的な言葉や具体例を使って誰でも簡単にイメージできる専門分野の説明。
こうした発表や説明を聴くと、何となくわかった気になって良い気分になりませんか? 頭の中でイメージや連想を容易に働かせられるので、直感的にわかった気になりやすいですよね。
このように「明瞭なイメージや連想」を頭の中で働かせられると、人間はわかった気になって快感を得られやすくなります。 明瞭なイメージや連想を働かせられるような工夫を、英語学習でも取り入れればよいわけです。
英語学習にどのように取り入れれば良いのか、それは自分の知っている分野や趣味に関する英語に積極的に触れてみることです。
背景知識があるとそれだけで明瞭なイメージや連想を頭に浮かべやすくなるので、知っているいくつかの単語や文脈から何となく意味を推測して分かった気になりやすくなるのです。
例えばポケモンをある程度知っている人であれば、ポケモンのWikipediaをざっと読んでみると良いでしょう(→Pokemon)。
ポケモンに詳しい人であれば、固有名詞(Satoshi Tajiri, Game Freak)などから何となく言っていることが推測できるのではないでしょうか。
英語がほとんどわからなくても、いくつかの知っている強力なヒントとなるワード+背景知識を組み合わせて、イメージを膨らませながら読んでいくと、何となくわかった気になれるものです。
ポケモンでも何でも構いません。 皆さんの趣味といった、背景知識があってさらなる造詣を増やしたい分野の英語に積極的に触れてみて下さい。
また同じ文章を繰り返し読んだり聴いたりすることもまた、なんとなくわかった気になる感覚を生む行動の一つです。
例えば日本語の本を読む時に、一周目ではほとんど本の内容が理解できなかったのに、二周目、三周目になると自分でもびっくりするくらい本の内容を理解したと実感したことはないですか?
二周目以降だと本の大まかな内容を感覚的に理解していますし、「この章には大体こんなことが書いてあった」というイメージが出来ていますよね。 このイメージを利用しながら再度読み進めていくと結構理解できてしまうんですよね。
同じように英語の学習でも、繰り返し文章に触れることで意味が自然とわかってくるのはよくあります。 私も国際ニュースや論文などのちょっと難しい文章を読むときに、最初は内容がよくわからなくても繰り返し読んだり眺めることで、だんだんと内容を感覚的に理解できる体験を幾度となくしています。
わかった気になれると英語に対して良い印象を持てるようになりますし、英語に対する自信が生まれてきます。 自信はさらなる英語のモチベーションにもつながります。
皆さんが良く知っている分野の英語を積極的に繰り返し触れることで、英語が出来なくても意外と英語がわかるものだという体験をぜひともしてみてください。
こうした体験を繰り返していけば、誰でも英語を長く楽しんで続けられることでしょう。
関連リンク
・英語のスキルアップも込めて世界のニュースを知りたい方、The Economist誌の購読はいかがでしょうか。