ワイズ: 「日本⇔海外」双方向送金の一つの選択肢

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ワイズ: 「日本⇔海外」双方向送金の一つの選択肢

初回公開日:2018/04/14
最終更新日:2020/06/15

 

 「ワイズ(Wise、旧名称:トランスファーワイズ)」という英国発の海外送金サービスについて書いていきます。海外送金の一つの手段として、人によっては利用価値があると思ったからです。

 

 私も試しに使ってみました。「日本→米国」「米国→日本」双方向に送金可能であることを確認済みです。

 

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ワイズの簡単な歴史

 ワイズは2011年1月に英国・ロンドンで設立されました(当時はトランスファーワイズ)。

 

 日本で本格的なサービスを開始したのは2016年9月で、2017年8月に日本法人が関東財務局に資金移動業者として登録されました。

 

 私のもとには以前、ワイズの利用者とされる人から「ワイズの紹介をして欲しい」とのお問い合わせが届いたことがありました。しかしワイズが日本で本格サービスをスタートして日が浅いこともあり、安全性が大丈夫かどうか不明だったので、当サイトでの記事化は控えていました。

 

 現在、日本でのサービス開始から1年半以上経ち大きな問題は出ていないようであり、関東財務局に資金移動業者として登録されたこともあり、米国金融口座の開設方法について取り扱っている当サイトでも記事にすることにしました。

 

 使用感や注意点、ポイントとなる仕様等、淡々と述べていきます。役立ちそうだと思った方は口座開設してみてください。

 

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ワイズの送金の特徴と仕組み

 ワイズを介すると、ワイズの送金方法に慣れるだけで、様々な銀行から海外送金できるので便利です。

 

 従来の送金では「ソニー銀行→米ユニオンバンク」に送金するときは「ソニー銀行の海外送金手続き」に従って送金する必要があります。

 

 「米ユニオンバンク→ソニー銀行」に送金するときは「米ユニオンバンクの海外送金手続き」に従って送金する必要があります。

 

 ワイズを介して「ソニー銀行→ワイズ→米ユニオンバンク」「米ユニオンバンク→ワイズ→ソニー銀行」と海外送金する場合、双方向ともワイズの送金手続き」さえ行えば海外送金できてしまうのです。

 

ワイズで双方向送金

ワイズで「日本⇔米国」双方向送金の図

 

 ワイズの海外送金手続きは、銀行の海外送金手続きよりも簡単挫折しにくいです。

 

 ワイズの海外送金の仕組みは「海外送金初心者でも挫折することなく海外送金できる便利な仕組み」と言えます。

 

 

 続いて安全性の観点から。

 

 ワイズの海外送金の仕組みは、従来の銀行振り込み、カード決済といった「(少なくとも先進国において)長年利用されてきた既存の決済システムをベース」に開発されたものです。

 

 「時の試練」に耐え抜いた決済仕組みを基盤としているので、ワイズの送金安全性はそれなりに高いと考えられます。少なくとも仮想通貨を介する送金といった、全くの新しい送金システムよりも現時点において安全であることには間違いありません。

 

ワイズは従来の送金システムを基盤としている

画像ソース: ワイズ 仕組みを1分で知る

 

 さらにワイズの海外送金は、基本的に「国境を跨ぐ送金処理は行われない」ところに特徴があります。

 

 ワイズは世界中に銀行口座を持っています。私たちは「From A国 to B国」のA国、B国の2カ国で、ワイズと国内送金※しているだけなのです。

 

 ※送金方法によっては、例外的にSWIFTといった国際送金(Not 国内送金)システムが使われることもあるようです。

 

 例えば私たちが自身が保有する「日本の三菱UFJ銀行の口座→英国のロイズ銀行の口座」に送金する場合、次の2回の国内送金が行われているに過ぎないのです。

 

  1. 日本: 「私たちの三菱UFJ銀行の口座→(日本円)→ワイズが日本に保有する銀行口座」
  2. 英国: 「ワイズが英国に保有する銀行口座→(英ポンド)→私たちのロイズ銀行の口座」

 (「P2P送金」と呼ばれる送金手法です)

 

ワイズのP2P送金システム

画像ソース:TranferWise

 

 我々の眼には海外送金のように見えても、実は内部の仕組み上はあくまで各国の国内送金を利用しているに過ぎない。この点もワイズの安全でスムーズかつクリアな送金を担保しています。

 

 さらにワイズの海外送金システム(P2P送金)は銀行の海外送金システム(SWIFTを用いた送金)とは根本的に異なりますので、万が一銀行の海外送金システムに障害が出て海外送金できなくなった場合でも、ワイズを代替送金サービスとしても利用することで障害を回避できることも期待できます。

 

 海外送金のリスク分散化を図るうえでも、ワイズの利用は有効であると期待できます。

 

 

 少し話が逸れますが、ついでに書いておきます。ワイズのような新しい海外送金サービスは他にもいくつかあるようですが、現状ワイズを扱うことにしたのは以下の理由からです。

 

  • 新しい海外送金サービスの中でも比較的有名である
  • 日本語対応している
  • 「日本⇔海外」双方向送金に対応している(サービスによっては「海外→日本」方向の送金に対応していないところがある)

 

 こうした理由から、現状日本の方はワイズを利用するのが最も良いと思います。

 

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ワイズの利用に向いている人・向かない人

 ワイズの利用に向いている人、向かない人について。個人的な意見です。個人名義の口座間の海外送金を想定しています。

 

【向いている人】

  • スマホやPCから簡単に海外送金したい人
  • 銀行の海外送金サービスの手続きの煩雑さにうんざりしている人
  • 最大50-100万円程度の、比較的少額の海外送金をしたい人
  • 「海外→日本」への送金の選択肢を増やしたい人(特にユニオンバンクの口座保有者!)

 

【あまり向いていないかもしれない人】

 

 あまり向いていないかもしれない方でも、トランスファーファイズは海外送金の利便性が非常に高いですので、とっさのときに簡単に送金したい場合などを想定して口座を開設しておく価値はあります。

 

 口座を開設しても口座維持手数料が取られたり、口座が凍結されることはありません。

 

 しかも近年、マネーロンダリング対策強化の流れが強まるなかで、日本の銀行から海外送金を断られたとの報告を複数件受け取ってきました。 一方でワイズの送金を断られたとの報告を受けたことはありません。

 

 海外送金に関するリスクを分散化する上でも、ワイズを一つ持っておく価値はあります。

 

 ワイズを何回か使ってきた私の使用感はこちらに書いています。良い点も悪い点も。
ワイズの個人的使用感: 良いと思った点
ワイズの個人的使用感: 問題点と対処法

 

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当サイトで紹介している海外金融口座との関連

 最後に、当サイトで紹介している海外金融口座との送金に関する話です。

 

【ユニオンバンク】
 「日本⇔ユニオンバンク」の双方向で、ワイズを介して送金できることを確認済みです。

 

 従来「ユニオンバンク→日本」への送金は、10万円以下をATMで引き出すか、ユニオンバンクに電話で送金依頼をするかいずれかであり、利便性に難ありでした。

 

 ワイズを使うことで、「ユニオンバンク→日本」への送金も飛躍的に楽になります

 

 また「日本→ユニオンバンク」への送金には通常、ユニオンバンクの着金手数料15ドルが掛かりますが、ワイズを介することでこの15ドルは掛からなくなります(下のリンク先で理由を話しています)。

 

 やり方はこちら。「米国→日本」に簡単に送金できることを、皆さんが口座開設される前に確認してください。
ユニオンバンクから日本に送金する方法 via ワイズ

 

【Firstrade】
 ワイズを介した送金は出来ないようです。

 

 「Firstrade→日本」への送金が無理な理由は、ワイズの登録名と送金元の名義人が一致していないからです。

 

 「日本→Firstrade」の場合、次のような赤で囲ったメッセージが表示されるので無理です。

 

ワイズはFirstradeに送金できない

 

 Firstradeとの海外送金利便性を高めるには、ユニオンバンク等の米国銀行口座を開設してください。

 

 そうすれば次のようなルートで送金できるようになります。

 

 「日本の銀行口座⇔(ワイズ)⇔米国銀行口座⇔(ACH※)⇔Firstradeの口座

 

 ※ACHとは米国の銀行振込システムのことです。Firstradeの口座にログインし、ACHに関する設定を行えば米国銀行口座との送金ができます。

 

【SogoTrade】
 ワイズを介した送金は無理です。理由はFirstradeと同じです。

 

【ブリオンボールト】
 試していないのでわかりません。おそらく出来ないと思います...

 

 ブリオンボールトは、ブリオンボールト側が「日本の銀行口座⇔ブリオンボールトの口座」の双方向の送金サービスを提供しているので、そちらをご利用下さい。

 

 

 

 口座開設はこちらから。口座開設前にどんな流れで開設するのかを知っておきたいかたもこちらから。

 

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