ハイパーインフレの悪夢 アダム・ファーガソン[著]


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ハイパーインフレの悪夢 アダム・ファーガソン[著]

 

 本書はドイツのハイパーインフレーション期の政治的な動きから庶民の生活に至る、主にドイツ国内の史実を記した貴重な歴史本である。一般書なのでもちろん誰でも気軽に読むことができる。

 

 現在先進国では中央銀行が量的緩和によって紙幣をジャブジャブ刷り、政府の財政赤字は歴史的な水準に達しており、さらには日銀や欧州中央銀行(ECB)が人類史上初のマイナス金利政策(NIRP)を導入し、世界の財政・金融は歴史的な異常事態を迎えていると言わざるを得ない。

 

 金持ち父さん・貧乏父さんシリーズでおなじみの投資家ロバート・キヨサキ氏、元FRB総裁で金融界のマエストロと称されたアラン・グリーンスパン氏、さらには国際金融に陰で大きな影響力を与えてきたロスチャイルド家のジェイコブ・ロスチャイルド卿までもが、世界がカオスに向かっていることを示唆する発言をしてきた。

 

 ※普通、著名人は往々に保守的で「危機が迫っている」といった恐怖心を煽る発言は控えるものだ。もし危機が顕在化しなかったときに周りから批判され、名誉を傷つけるリスクがあるからだ。にも関わらず金融界の著名人が相次いで世界の危機を危惧する発言をしている...皆さんにはその意味をぜひ考えてみてほしい。

 

 ハイパーインフレが起こるのか、長期デフレ(またはスタグフレーション)によって国家が衰弱していくのか、国家デフォルトが起こるのか、何が起こるのかはわからないが、世界の財政・金融状況を見る限り、少なくとも何事も起こらずに杞憂で済むことはほとんど考えられなくなっているのではないだろうか。

 

 そんな不透明な現状であるからこそ、未曽有の金融災害が迫っている国家とは一体どのようなものなのかを、当事者である国民目線で一度知っておきたかった。

 

 現在までの世界最大の金融災害といえば、やはり当時の通貨マルクの価値が最終的に1兆分の1となり文字通り紙くずとなった、第一次世界大戦~敗戦~ルール占領~レンテンマルク発行による通貨安定化までの期間のドイツ・ハイパーインフレーションでしょう、ということで本書を読んでみた。

 

 当時のドイツがハイパーインフレーションへの道を突き進む中で、ドイツ国民は日々どのような情報に接し、どのようなことを考え、どのような行動を取っていたのか。本書を読むと、意外なことがわかってきた。

 

  • ドイツ国民の大多数は自国の通貨が下がったとは思わず、単なる物価の上昇だと思っていたそうである
  • ドイツ国民は中々マルクを手放そうとしなかったそうだ。「1マルクの価値は1マルクのままだ」と信じ、通貨価値の下落という概念を中々実感できなかったようである
  • 当時国民の中には、物価の上昇が一時的ですぐに収まるものだと楽観視しており、ドイツの真の現状に目を覚ますのはインフレが進んでから随分たってからであった人もいたそうである
  • ハイパーインフレで最も壊滅的な打撃を受けたのは、資産運用の知識や経験に乏しい中間層だったそうである
  • 当時の演説原稿や新聞記事、公式記録、外交電報、書簡、日記には、ハイパーインフレ状態が長く続くはずがないという内容の文章が散見されたが、そのたびにインフレは悪化したそうだ
  • 紙幣の乱発がマルクの価値下落の最大要因であったにも関わらず、当時の金融業界や金融担当の記者はこの因果関係に全く気付いていなかったようだ

 

 つまり私たちは、ハイパーインフレに突き進んでいるという文章化すれば明らかな異常事態でさえ、当事者でいると異常事態に中々気づけない生き物なのだ。どんな最悪の危機が迫っていても後知恵でしか気づくことができず、危機を認識したときには往々に手遅れなのだ。

 

 新聞といった大衆向けの情報媒体からは自国の現状を知ることは難しく、自分で情報を収集し危機意識を早くから持ち、自らの決断によって手遅れにならないうちに対処しなければ自分の身は守れないのだ。国を信じ、権威を信じすぎた無知な国民が最終的にはババを引かされ、搾取されていくものなのだ。

 

 本書を読んで、このような教訓を引き出すことができた。

 

 また本書では当時のドイツの政治的な動向についても記述されている。私が本書を読んだときには当時の政治的な動きにはあまり着目しなかったのでここに概要を述べることは出来ないが、当時の政治的な動向を知るための歴史的な読み物としてもおもしろいかもしれない。

 

 特に当時のドイツの政局と現在の世界の政局を比較してみて類似点を探してみると、新たな知見、将来に役立つ知見が得られるかもしれない。

 

 そういえば本書評を書いているのは2016年9月初めだが、ニュースを見ていると日本経済は深刻なデフレに向かっていると感じる一方、食品等の値上げのニュースも同時に聞き、「もしかしてスタグフレーションはもう既に始まっているのか...?」とふと考えたことがある。

 

 もちろんニュースでスタグフレーションなどという単語は一切耳にしないし、特別根拠があるわけでもなく憶測にすぎないが、ドイツのハイパーインフレが国民の気づかないうちに進行してきた事実からのアナロジーとして、ふとそんなことを考えた。

 

 もし皆さんが、日本が近い将来深刻な状態に陥るのではないか...と心配しているならば、本書を読んで「国家危機のときに私たちはどのように考え、どのように行動しがちなのか」を当事者になった気持ちで理解しておくと、早いうちから冷静な危機意識を持てるかもしれない。

 

 本書は危機対策の方法については教えてくれないが、危機対策を早くから講じるきっかけにでもなれば良いと思う。

 

 ※ちなみに本サイトでは私が利用しているオンライン金投資サービスの概要や口座開設方法を説明している。危機に強いと言われる金をいまのうちに購入しておきたい、だけど金投資がどうやるのかわからない...そういう人は一つの参考にしてもらえればと思う。
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