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金融政策

  • 2025年1月30日

パウエルFed議長はインフレの全責任を負う人身御供に差し出されるのか

[2025/01/30 ブルームバーグ]FOMC、政策金利据え置き-利下げ急ぐ必要ないとパウエル議長 米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月28、29両日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、FOMCは利下げを急いでいないと指摘。インフレ面でのさらなる進展を見極めるため、昨年に実施した連続利下げをいったん停止すると説明した。 パ […]

  • 2024年10月1日

「バズーカ砲」とまではいかない中国の大規模景気刺激策

先週、不動産苦境が長引く中国で政府と中銀が立て続けに景気刺激策を発表しました。 中国人民銀行は預金準備率を0.5%引き下げると発表し、1兆元の流動性が市場経済に新たに流れることになります。 年内に預金準備率をさらに0.25~0.5%引き下げて追加の流動性供給を計画しています。 また自社株買い向けに3000億元の資金枠を、株式など担保に5000億元の資金枠を設定し中国株の買い支えに充てさせます。 住 […]

  • 2024年9月30日

パウエル議長、インフレが再燃したらどうするつもり?

今月17~18日のFOMCでFedは4年半ぶりの利下げ(0.5%の利下げ)を決めました。 インフレ率が低下しているなかで、労働市場に悪化の兆候が見られ始めたのが利下げをした理由です。 今回のパウエル議長の対応は、2021年にインフレ率が急上昇している中、翌年3月まで利上げを渋ったときの鈍重な対応とは正反対です。 確かに米国の新規雇用者数はかなり下方修正され、失業率はジリジリ上昇しています。 でも個 […]

  • 2024年8月26日

植田日銀総裁は現代の高橋是清になるのか

先月末の金融政策決定会合で植田総裁は利上げと量的引き締めの開始を発表しました。 安倍元総理と黒田前日銀総裁が主導して推し進めた10年間にわたる大規模緩和路線を修正、否定するという重い決断でした。 ところがこの発表を受けて一時急速な円高と日本株の歴史的暴落が起こったことで、植田総裁への批判が噴出しました。 とりわけ日銀生え抜きの内田副総裁が今後も緩和路線を継続すると、植田総裁の決断に相反する意見を公 […]

  • 2024年6月25日

テーパリングともQTとも言えない、日銀の国債買い入れ減額

今月14日の政策決定会合で、日銀は国債買い入れ額を現行の毎月6兆円から減額する方針であることを表明しました。 これに関し大手メディアが一斉に「量的引き締めへ」と報道したことに対し、私は強烈な違和感を持ちました。 [日本経済新聞]日銀、量的引き締めへ転換 国債購入減額「相応の規模」https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&am […]

  • 2024年6月11日

米国の新規雇用者のほとんどは不法移民?

[2024/06/08 ロイター]米5月雇用、予想上回る27.2万人増 失業率上昇も賃金伸びは再加速 米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。賃金の伸びも再加速し、労働市場の耐性を強調する内容だった。 ロイターがまとめた予想は18万5000人増。予想レンジは12万人増─25万8000人増。5月の増加数は過去1年間の月平均( […]

  • 2024年6月10日

インフレ期待に働きかけて物価安定を図る中銀の前提は破綻している

中央銀行は、インフレを制御し、インフレを安定化させる使命を持っています。 インフレには2種類あります。1つは食料、日用品をはじめ、私たちが実感するモノの値段に基づくインフレ、物価に基づくインフレであり、事実です。 もう1つは期待インフレです。これは主に市場(投資家)が予想する将来のインフレ予測値であり、意見です。 現在、世界の中央銀行の金融政策は、期待インフレを制御することで物価安定を図れるという […]

  • 2024年5月13日

QT縮小決定、Fedは金融危機発生を危惧している?

ゴールデンウィーク連休中に金融をめぐる様々な大きな動きがありました。 最も注目が集まったのは財務省・日銀による為替介入だと思いますが、私はそこまで関心がありません。 財務省・日銀にとって円安がメリットである以上、一時的なガス抜きに過ぎないことは明白ですから。 彼らは「為替相場の過度な変動を容認しない」とは言ってきましたが、「円安を容認しない」とは一言も言っていません。 それよりも遥かに重要なことは […]

  • 2024年4月8日

金価格2330ドル突破、謎の金高が続く

3月から「謎の金高」が続いています。 ドル建て金価格は連日最高値を更新しており、先週金曜日に1オンス2330ドルを初めて突破しました。 新興国通貨を中心に、他の通貨建てでは概ね2022~23年に2020年の金価格の最高値を更新し、その後変動がありながらも上昇相場を続けてきました。 円建て金価格は近年ずっと値上がりが続いています。2021年から通貨安が進み、3年連続で主要通貨のなかで「最弱通貨」とな […]

  • 2024年3月25日

日銀の大規模緩和は終わってないし、やめられない

最近、経済・金融分野の「大本営発表」が目立つようになってきました。 日経平均の高騰、賃上げ、経常黒字、貿易赤字の圧縮といった出来事に仰々しい見出しが付けられることが増え、さも経済成長の好循環が回り始めたかのような印象を日本国民に与えようとしています。 先週、日銀がマイナス金利を解除したときの報道には驚きました。 「マイナス金利解除」「17年ぶりの利上げ」「大規模緩和は役割果たした」といった見出しが […]