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市場・経済・金融

  • 2023年11月20日

日本国債市場で存在感高まる海外勢と絶対に利上げできない植田日銀総裁

先週の日経新聞で、海外投資家の日本国債(国庫短期証券含む)保有額が今年3月末時点で邦銀を超えたとの報道が出ました。 日本国債の保有、海外投資家が邦銀超え 円安で投資有利https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2410E0U3A720C2000000/ 最新の財務省の報告書によると、海外投資家の日本国債保有額は181.2兆円です。発行済み日本国債の総額1240兆 […]

  • 2023年11月13日

物価高対策は建前、物価高の長期継続が本音

誰も指摘しようとしませんが、物価高の長期継続こそが日本政府の隠れたアジェンダとなっていることは疑いようがありません。 それは岸田政権が物価高対策と称して所得税減税、給付金、補助金、経済界への賃上げの働きかけをする一方で、消費税の減税・撤廃を頑なに拒んでいることから明らかです。 消費税を撤廃すれば10%近くインフレ率は低下します。急激な物価安で個人消費は拡大し、企業業績は改善し、賃上げする余裕が生ま […]

  • 2023年11月6日

利上げサイクル終了は市場大混乱の前触れ

世界各国の中央銀行による利上げ停止の動きが相次いでいます。 Fedが9月以降に2会合連続で政策金利を据え置いたことを始め、ECBは10月に11会合ぶりに政策金利を据え置き、イングランド銀行とカナダ中銀は9月以降、オーストラリア中銀は7月以降、政策金利を据え置いたままです。新興国の中央銀行のなかには、利下げを再開したところもあります。 エネルギー価格が昨年のピークから暴落したことで、国のなかにはイン […]

  • 2023年10月30日

米国長期金利上昇の裏で、米国の信用が揺らぎ始めている?

米国の長期金利(米国債10年物利回り)の上昇が進んできました。 最近、上昇は一服したものの、今月19日には一時5%を突破し、10年物米国債価格は2020年のピーク時から半値程度にまで暴落しました。 長期金利が6%に達するのも空想とは言い切れないとの悲観的な見方さえ出てきています。 米国債市場に新時代到来か、10年債利回り6%「絵空事」でない可能性https://www.bloomberg.co.j […]

  • 2023年9月25日

1110兆円の現預金が外貨預金にシフトしたらどうなるか

先週、三井住友銀行が25日から米ドル建て定期預金の金利を現在の年0.01%から5.3%に引き上げるとの報道が出ました。 米国の積極的な利上げを背景に、ネット銀行ではすでに5%以上の米ドル建て定期預金のサービスを提供しているところがありました。 ただ、大手行が米ドル預金金利を大幅に引き上げたことに意味があります。何故なら日本の金融資産の大半を保有する高齢者層のほとんどすべてが、大手行の口座に日本円を […]

  • 2023年9月21日

23年9月のFOMCに対する所感:インフレ退治、市場との信頼維持の双方で危険性が増した

昨日のFOMCは、困惑する内容でした。 市場の期待を裏切ってでもインフレ退治を優先するのか、市場とのコミュニケーションや市場心理を安心させることを重視するのか、さっぱりわからなかったためです。 8月の米国のインフレ率は3.7%に過ぎませんが、6月を底に反転上昇しています。原油価格の反転上昇のためです。 ブレント原油価格は1バレル90ドル以上に上昇しており、1年前をやや上回ってしまいました。 粘着イ […]

  • 2023年9月11日

米国のインフレ率が低下してきた本当の理由

世界の原油価格が上がっています。 WTI原油価格は昨年6月に1バレル120ドル超えした後、今年3月までの9か月間にわたり下落し、一時1バレル67ドル台をつけました。その後6月までおおむね停滞を続け、7月から反転上昇し、現在は1バレル87ドル台にまで値上がりしました。 画像ソース: Stock Rover(有料) 何故原油価格は上昇しているのでしょうか。よくある意見は産油国の減産です。 たしかにOP […]

  • 2023年9月4日

中国政府は民間デベロッパーと不動産市場を意図的に破壊している

[2023/08/31 東京新聞]「業界の優等生」でも約1兆円の赤字…不動産最大手の碧桂園、債務不履行の可能性も 中国経済は曲がり角か 中国不動産最大手の碧桂園が30日に発表した2023年1~6月期連結決算は、最終損益が489億3200万元(約9800億円)の赤字に転落した。前年同期は6億1200万元の黒字だった。香港紙によると、2007年の上場以来、中間決算としては初めての赤字。不動産市場が下落 […]

  • 2023年8月28日

米ドル基軸通貨体制は終焉し、米ドルと新興国通貨が混在する多極化した国際通貨体制へ。

今月22~24日に南アフリカのヨハネスブルグでBRICS首脳会議が開かれました。 新たにアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が来年1月からBRICSに加盟することが正式に決まり、加盟国は11カ国になります。 BRICS首脳会議では、噂されたゴールドに裏付けられたBRICS通貨の発表はありませんでした。ロシアのラブロフ外相の発言から、BRIC […]

  • 2023年8月21日

中国の不動産危機、バーゲンセールの機会を与えてくれるかもね

お盆休みの間に中国の経済・金融に関わるニュースが世界を騒がせてきました。 事の発端は、中国最大の民間不動産開発会社である碧桂園(へきけいえん、Country Garden)が今月6日にドル建て社債2本の利払いを履行できなかったことでした。 碧桂園のドル建て債券の利回りは3000%に達し、市場は同社のデフォルトをすでに織り込んでいます。 不動産市場をめぐる懸念は碧桂園にとどまりません。香港と中国本土 […]