米国がイラン攻撃を停止したのはFOMC直前だから?

[2026/07/26 日本経済新聞]トランプ氏がイラン大規模攻撃見送り、防空ミサイル枯渇懸念 米報道

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は25日、トランプ米大統領が検討してきたイランへの大規模攻撃を当面見送る方針だと報じた。24日に側近らと話し合い、防空ミサイルの在庫の枯渇や中東全域への戦火拡大の懸念を共有したという。

イラン情勢は二転三転して本当に良く分かりませんね。

一つ言えることは、米軍が7月11日から13日連続でイランを攻撃したことで、ブレント原油価格が1バレル72ドル台から一時92ドル台にまで3割近く高騰したことです。

今回の米国・イラン双方の攻撃の応酬は4月以降で最大規模だったのみならず、フーシ派はサウジ船舶に対し海上封鎖を行い、紅海沿岸のジザンとヤンブーにある石油施設を攻撃しました。

ヤンブーはサウジアラビア東部の油田地帯から紅海沿岸までを結ぶ東西パイプラインの終点であり、ホルムズ海峡が事実上閉鎖となるなか石油の迂回輸送の拠点として機能しています。

ホルムズ海峡だけでなくバベルマンデブ海峡を経由した石油の迂回輸送が困難になるリスクが高まったことで、原油価格が大きく反応したわけです。

トランプ政権はガソリンや食品、日用品を始めとした物価高で米国民からの支持率を落としてきました。

しかも今月28~29日にFOMCが控えており、原油やガソリンの値上がりが続けばFedが利上げに踏み切ることもないとは言えない状況です。

いま利上げとなると、米国債利回りが上昇し半導体バブルが破裂し始めたかもしれない中で、金融市場に大きな衝撃を与えてしまいかねません。これはトランプ政権にとって命取りに成り得ます。

FOMCが開く前にイラン攻撃を一時停止することで、原油価格を一旦落ち着かせ、Fedが利上げしないよう仕向けることは政治的に十分考えられます。

イラン攻撃の停止とFOMCの開催日との関連はこれが初めてではありません。

米国とイランが戦争終結の覚書で合意したとの発表が出た6月15日は、ウォーシュFed議長が5月22日に就任してから初めてとなるFOMCの開催日前日でした。

今月のFOMCが終わると、次回9月15~16日の開催まで1カ月半の期間が空きます。世界は一体どうなるのでしょうか。