韓国半導体大手SKハイニックスは10日、米ナスダック市場に米国預託証券(ADR)を上場した。初日の終値は168ドル(約2万7000円)で、公募価格の149ドルを13%上回った。
SKハイニックスが米国市場に華々しくデビューしました。
時価総額は先週金曜日の終値時点で1.19兆ドルと、米国に上場している企業の中で12番目の大きさです。バークシャーの時価総額を上回ります。SKより時価総額の大きい企業はすべてテクノロジー株です。
日本で時価総額が最も大きいキオクシアは0.26兆ドルに過ぎません。TSMC擁する台湾とサムスン電子、SKハイニックスを擁する韓国に日本は完全に置き去りにされました。
さて、いまメモリはGPUと並んで世界で最も注目を集めている半導体です。
これまでメモリはデータを記憶するための単なる汎用品と見なされ、エヌビディアのGPUのように付加価値のついた商品とはあまり考えられてきませんでした。
ところが現在、AIサーバーにおいて、膨大な計算に必要なデータのやり取りを高速化し計算待機状態を短くするために、HBM(広帯域メモリ)の需要が急激に増しています。
利益率の高いHBMの生産を優先するため、SKハイニックス、サムスン電子、マイクロンはスマホやパソコン用のメモリ(DRAMやNAND)の生産を絞ってきました。その結果、DRAM価格は昨秋から1年足らずで3~4倍に高騰しました。
アップルはメモリ価格の高騰を受けて、これまで部品コストを価格転嫁しないという長年の方針を撤回し、6月25日にMacやiPadの価格を10~20%程度引き上げました。
iPhoneは今年9月頃に発売予定の「iPhone 18シリーズ」から値上げとの噂があります。メモリコスト増加分をそのまま転嫁する場合、日本での標準モデル価格は13万円台から15万円超に引き上がるという試算もあります。
従来、メモリは鴻海など生産委託会社がスポット価格に応じて一括で大量購入するのが普通でした。これはメモリ価格のコモディティさの象徴であるとともに、メモリ会社は市場価格によって業績が激しく浮き沈みしてきました。
しかし近年のメモリ不足により、メモリ会社はハイパースケーラー、自動車メーカー、家電メーカーなどと長期固定価格のテイク・オア・ペイ契約を結ぶようになり、買い手は前払い金を支払い、長期的に高い価格で購入を続けざるを得ないように様変わりしています。
要はメモリが単なる汎用品から生産の追い付かない貴重品となり、メモリ市場は買い手市場から売り手市場に様変わりしたということです。
さらに「HBMの父」と称される韓国科学技術院(KAIST)のキム・ジョンホ教授は、「人工知能(AI)の本質はメモリである」と断言しています。
AIサーバーにおいて、GPUの計算能力の大半はメモリ制約により活用できておらず、この問題を解消するにはCPUやGPUの役割を縮小し、もっと垂直積層したメモリを大規模に搭載し任せる処理を増やさないといけないからだそうです。
このようにメモリはもはや汎用品でない、付加価値の大きい商品であり、AIの進展に伴ってGPUと肩を並べるという見方が急速に強まっています。
「未来の光り輝くストーリー」が公然と語られることは、バブル破裂の前兆であることが良くあります。
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