[2026/07/07 日本経済新聞]サムスン営業利益19倍の9兆円 4〜6月、AI向け半導体メモリー高騰
韓国半導体大手のサムスン電子が7日発表した2026年4〜6月期の全社営業利益は前年同期比19.1倍の89兆4000億ウォン(約9兆円)だった。売上高は同2.3倍の171兆ウォンで、いずれも四半期ベースで過去最高だった。世界的に旺盛な人工知能(AI)向け半導体需要が業績を大きく押し上げた。
[2026/07/07 日本経済新聞]サムスンの株価急落、利益確定売り 売上高と営業利益は過去最高
7日の韓国株式市場で、サムスン電子が急落している。一時は前日比2万ウォン(6.28%)安の29万8000ウォンまで下落した。
営業利益が19倍に増えたサムスン電子の株式が売られています。SKハイニックスの株価も下がっています。2銘柄で韓国の株式市場の時価総額の半分以上を占めます。
株価はファンダメンタルズと投資家心理で決まります。業績が劇的に良くなったにも拘わらず売られているということは、あまりにも韓国株やAI・半導体バブルが行き過ぎているということです。
韓国では個人投資家がAI・半導体バブルで大儲けするために、今年5月27日に上場し取引が始まったばかりのサムスン電子やSKハイニックスを原資産とする単一銘柄レバレッジ型ETFに買いが殺到しています。
SKハイニックスを原資産とする単一銘柄レバレッジ型およびインバース型ETFの総資産額は約190億ドルに達しており、これは同銘柄の今年の1日平均出来高である約45億ドルの4倍以上に相当します。
サムスン関連のレバレッジ型ETFの資産総額は約124億ドルで、同社の1日平均出来高約45億ドルを176%上回っています。
米国の半導体銘柄と比較して、韓国でのレバレッジ型ETFの取引量は異常です。

韓国の個人投資家は、レバレッジ型ETFを買えばサムスン電子やSKハイニックスの株価が例えば50%上昇したとき、100%、150%といったリターンとなり大儲けできると思っています。
しかし世の中そんなに甘くありません。レバレッジ型ETFはトータルの値上がり率でなく、毎日の株価の変動の仕方、株価の辿った経路によってリターンが全く変わってしまう金融商品です。
例えば2倍レバレッジ型ETFの場合、原資産の価格が1日目と2日目ともに全く変化がなかった場合、リターンは0%です。
しかし原資産価格が1日目に50%上昇、2日目に33%下落した場合、原資産のリターンは0%ですが、2倍レバレッジ型ETFの場合は32%の損失となります。
これは常に2倍のレバレッジ、すなわち純資産とレバレッジの比率を「1:1」に保つために、原資産の株価が上がれば借入で原資産を買い、逆に原資産の価格が下がれば借入を返済するために原資産を売るというリバランスを毎日行うためです。
なお2倍レバレッジ型は一日に原資産価格が50%暴落すれば、3倍レバレッジ型は33%暴落すれば、それぞれ無価値になります。
レバレッジ型ETFの仕組みを理解しないまま、韓国の欲におぼれた人たちが危険な金融商品に手を付けているのです。
商品運用の過程においても問題がすでに発生しています。SKハイニックス株が8%下落したある日に、これを原資産とするレバレッジ型ETFの価格が50%近く高騰したのです。流動性供給者(LP)の呼び値提出義務がない取引終了直前の時間帯にレバレッジ型ETFへの注文が殺到したためでした。
韓国金融委員会と韓国金融監督院はレバレッジ型ETFの上場前から注意喚起していたようですが、ここまで取引が殺到するとは思ってもいなかったことでしょう。
韓国銀行は6月24日の金融安定報告書で市場への影響は限定的と評価しましたが、わずか10日後の今月初めには一転してバブル過熱への懸念を示しています。
あまりにも急速に進んできた韓国のAI・半導体バブルの帰趨はどうなるのでしょうか。
世界のマーケットは密接につながっています。同じくAI・半導体バブルに沸く日本への影響の伝播が今後心配されます。