半導体バブルに動揺が走る中、半導体材料の無期限生産停止が始まった

[2026/07/02 日本経済新聞]キオクシア株価が13%安 米半導体株急落で連想売り

2日の東京株式市場で日経平均株価は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比1741円81銭(2.47%)安の6万8733円15銭だった。前日の米ハイテク株安の流れを受け、東京市場でも人工知能(AI)・半導体関連が軒並み下落した。

半導体銘柄の値動きは米国、日本、韓国と世界共通です。

最も分かりやすいのが、株価指数のおよそ55%をSKハイニックスとサムスン電子の二社が占める韓国です。

韓国総合株価指数(KOSPI)は6月22日に終値として9,114.55を付けてから急落しており、7月2日時点で7,648.09とピークから16%下がりました。

半導体銘柄に群れ集った、信用取引をしていた韓国の個人投資家たちが、最近の株価の急変動や追加証拠金の発生でパニックに陥っています。同じようなことが日本や米国でも起こっています。

煩悩まみれの投機家たちが右往左往している中で、半導体生産停止の足音は着実に近づいています。

今月1日から関東電化工業とセントラル硝子の二社が、六フッ化タングステン(WF6)の生産を原材料の不足・在庫切れを理由に無期限停止しました。

原料である高純度タングステン粉末の日本への輸出を中国が停止したためです。世界のタングステン資源の80%以上は中国に集中しています。

六フッ化タングステンはAIチップに欠かせないHBM(高帯域メモリ)の製造に必要不可欠です。

HBMは処理速度の飛躍的向上と消費電力の大幅な削減のために積層構造となっています。重ねたチップを垂直に接続する役割を果たすのがシリコン貫通電極(TSV)です。そしてTSVを埋め込むために必要なのが六フッ化タングステンです。代替不可です。

関東電化工業とセントラル硝子は世界の高純度六フッ化タングステンの生産能力の約25%を占めます。これが7月から突如消失したことになります。

高純度が求められるためすぐに代替先を見つけることは出来ません。代替に必要な「品質認定」には通常1~2年掛かります。

またフォトレジスト用の主要溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)というものがあります。

これらも4月の時点で信越化学工業、東京応化工業、JSR、富士フイルム、日産化学などがサムスン電子・SKハイニックスに対し、原材料調達の支障を通知またはその準備をしていたと報道されています。

半導体銘柄に飛びついてきた投機家たちの悪夢はまだまだ始まったばかりです。