高市首相は嘘つきか否か?4月の貿易統計が映す日本の石油調達の実態

[2026/05/21 nippon.com]中東原油、67%急減―貿易統計:ホルムズ海峡封鎖で、1979年以降の過去最低

中東情勢の悪化を受けて、4月の日本の原油輸入量(通関ベース)が急減し、現行方式の統計開始以来、最低の水準となった。政府は代替ルートの確保を急ぐ。

高市首相は石油について、国内の必要量は確保されており、年を越えて供給できる目途が立っていると言っていました。

貿易統計(速報)によると、4月の輸入量は以下でした。

・原油:448万キロリットル
・石油製品:153万キロリットル
⇒合計:601万キロリットル

これは約3,780万バレルに相当します。

日本の石油消費量は1日当たり300~340万バレル程度と言われます。

1日300万バレル消費するとして、毎月の石油消費量は単純計算で9,000万バレルです。

これら二つの数字を引き算して、日本は4月に5,220万バレルの石油が不足し、この分だけ在庫が取り崩されたことになります。

日本の石油備蓄は5月17日時点で205日分でした。これは日量180万バレルを消費するとの前提で計算されるので、この時点の備蓄は3.69億バレルです。

ここで、製油所やパイプラインの稼働には30日分程度の石油在庫(オペレーショナルフロア)が必要であることに注意が必要です。

石油在庫がオペレーショナルフロアを下回ると、タンクの底に溜まった重油を吸い上げられなくなったり、パイプラインの圧力が低下することで、これらインフラを物理的に動かせなくなり機能停止します。

日本の製油所が日量300万バレルの石油を処理すると仮定して、オペレーショナルフロアはこれに30日を乗じて9,000万バレルです。

よって日本が取り崩せる石油在庫は、3.69億バレルから9,000万バレルを引いて2.79億バレルです。

これを先程の4月の石油不足分5,220万バレルで割ると、5.34か月です。

石油の消費を本気で節約しないと、10月末ごろに日本に石油在庫が事実上なくなります。

実際にはもっと早く、この夏にも日本の物流や工場は本格的に麻痺し始め、石油に十分に頼れない社会が訪れそうです。

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高市首相は4月初めに石油の代替ルートを確保したと言っていました。代替調達は進んでいるのでしょうか?以下は今年4月と昨年4月の輸入量の差です。

●原油
合計:ー786.1万キロリットル

中東:ー785.6万キロリットル
米国:+12.8万キロリットル
その他:ー13.3万キロリットル

●石油製品
合計:ー92.5万キロリットル

中東:ー132万キロリットル
米国:+27.2万キロリットル
その他:+12.3万キロリットル

●液化天然ガス(LNG)
合計:ー110.5万トン

中東:ー44.3万トン
アジア:ー30.4万トン
米国:+0.4万トン
ロシア:+10.4万トン
その他:ー46.6万トン

必要な量の代替調達などほとんど出来てないことを数字は示しています。中東産石油の輸入自体は出来ているので、代替ルートといってもパイプラインで紅海沿岸まで運んだ中東産石油の輸入に頼るしかないようです。

(参考:石油代替調達の限界:中東パイプラインのボトルネックと日本の命運

中東依存が少ないはずの液化天然ガス(LNG)すらも輸入量は一年前から20%減りました。世界のLNG獲得競争に敗れている実態が浮き彫りとなっています。電力の安定供給すら黄信号が灯り始めました。

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高市首相の「国内の(経済が破滅しないほどの)必要量は(現時点で)確保されている」「代替ルートを確保した」「年を越えて供給できる」という発言は嘘ではありません。

しかしその言葉の本当の意味は「石油消費を今までより6割減らすしかない社会が日本で常態化する」ということです。

エネルギー調達に関し、高市首相は嘘つきではありませんが、高市首相・政権の実力はほぼ皆無、無能であると言わざるを得ません。

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