[2026/05/19 日本経済新聞]海外投資家に「日本国債離れ」観測 超長期債で薄れる上乗せ金利の妙味
欧米の機関投資家が日本国債の運用を縮小するとの観測が浮上している。海外勢がドル資金を使って投資すると、ヘッジ付き為替取引で得るプレミアム(上乗せ金利)を加味して7%前後の利回りを期待できた。日銀による6月利上げの確度が高まる中、そのプレミアムの縮小が意識され始めている。
ウォール街では日本の投資家が米国債から日本国債に乗り換えるのではないかとの意見が根強くあります。
日本の長期金利が上昇し、30年債利回りが4%を超えたなか、為替ヘッジつき米国債よりも日本国債を運用した方が高い利回りを得られるためです。
為替ヘッジをかけずに米国債を運用すると日本国債よりも大きな利回りを得られますが、こうした考えをウォール街の連中は持っていないようです。
日本の投資家は銀行と生保を中心に、1〜3月期に米国債、政府機関債、地方債を合わせて約4.67兆円売り越しました。四半期の売却額として2022年以来の規模です。
しかし米国債を売り越すことと日本国債の投資に充てることは別の話です。
日本の投資家は日本国債の投資で痛い目に遭っています。2020年の超低金利のときに彼らが購入した国債の現在の価格は、モノによっては50~60%程度暴落しています。
特に生保は昨年4月に導入されたソルベンシー規制に対応するために、2020~24年に20、30、40年債を積極的に買い増してきたため、時価で見れば大きな損失を喰らっています。
しかもこの規制により保有資産を時価評価し報告書に記載して開示することが義務付けられたので、市場価格が今後も急落すると見込まれる資産に生保は簡単に手出しできなくなりました。
銀行もメガバンク中心に、金利上昇リスクに神経質となっています。MUFGは昨年度に日本国債の保有額を37%削減しました(→ソース。19ページ。)。
ウォール街の外人連中は日本の現状を十分に理解していません。
国債の最大の買い手だった日銀が最大の売り手に回り、日本国債の入札は不調続きとなりました。
財務省は国債発行年限を短縮し、個人向け国債に光明を見出そうとするまでに財政運営に関して追い詰められています。
国債が供給過剰となり、金利が上昇するなかで、高市政権は積極財政と称したばら撒きをしきりにアピールしています。
ホルムズ海峡の閉鎖で石油を調達出来なくなり、ナフサ不足が消費の現場にも波及し始めたなか、ガソリン補助金を続け、石油備蓄を放出し、日本の石油危機の火に油を注いでいます。
日本の中枢が自らインフレ過熱・金利上昇のスパイラルを制御不能にしようとしています。一般の日本人の間でも高市政権の財政、経済政策のキチガイさに気づき始めたように映ります。
こんな状況で、すでに日本国債投資で痛い目に遭ってきた銀行や生保などの投資家が日本国債を買い増すと誰が思いますか?
今の日本の長期金利上昇はウォール街の馬鹿どもが十分に目を覚ましていないなかで起こっています。
外人もヘッジ付き日本国債の投資を縮小するようですし、彼らが目を覚ませば、金利上昇はよりダイナミックに進むでしょう。円安・株安も伴うトリプル安に覚悟しなければなりません。