インテルの株価暴騰が牽引するエブリシング半導体ブーム

半導体株のブームが新たな段階に入っています。

これまで半導体ブームを牽引してきたのはエヌビディアでしたが、2025年8月以降はかつてのような株高の勢いを失っています。

代わりに台頭したのがサムスン電子、SKハイニックス、マイクロン、キオクシアといったメモリ会社でした。

AI向けのメモリ(HBM)の需要の急増により汎用メモリであるDRAMの供給が逼迫し、価格が2025年9月から上昇・高騰し、これを受けてメモリ関連銘柄は何倍にも値上がりしました。

今年4月以降に半導体バブルはまた新たな段階に入ったようです。エヌビディアやメモリ会社だけでなく、インテル、AMD、クアルコムといったあらゆる半導体銘柄が買われモメンタムを形成しています。

特に顕著なのはインテルで、年初来176%値上がりしました。米国株の中でサンディスク、シーゲートに次いで年初来リターンが大きい銘柄です。4月以降の半導体ブームはインテルが牽引していると言って過言ではありません。

インテルを取り巻く状況はここ一年間で劇的に変わりました。

かつて半導体業界の王者として君臨していたインテルはAIチップの開発に遅れ、AI・半導体ブームには全く乗れず、王者としての地位から転落していました。

ファブ建設に伴う巨額の設備投資やチップ販売の低迷から2022~25年にわたりフリーキャッシュフローは4年連続赤字となり、2024年には187億ドルの赤字を計上し、経営危機にありました。

しかし昨年からリップブー・タンCEOの下で設備投資を大幅に減らし、データセンター向けチップの売れ行きが好転したことから、フリーキャッシュフローは黒字化しました。

さらに自律型AIの開発が進展していることがインテルにとって強烈な追い風となっています。自律型AIでは副エージェントが作業をする際のループ処理に大量のCPUが必要になるからです。

インテルの最新決算を見る限り、推論だけでなく自律型AI向けのCPU需要が急速に増しているように伺えます。インテルは名実ともにAI関連銘柄になったのです。

またインテルは4月にイーロン・マスクのテラファブプロジェクトへの参画が決まった他、グーグルと複数年契約を結び、アップルともデバイス向けチップ(おそらくiPhone向けも含まれる)の製造契約を結ぼうとしていると報道されました。

これらが報道されるたびにインテルの株価は10%以上値上がりしてきました。

エヌビディアのフアンCEOに認められたパッケージングの技術力、インテル18Aが量産に向けて順調に進むという内部要因に加え、台湾依存の半導体サプライチェーンを見直す動きがトランプ政権の意向のもとで進んでいるという外部要因が加わり、インテルは巻き返しを図っています。

しかしホルムズ海峡の閉鎖によりヘリウムや硫酸の供給が滞り、まともに半導体を作れない時が少しずつ迫っています。この点をインテル含むあらゆる半導体銘柄は全く織り込んでいません。

★インテルについて詳しくは、本日配信のアボマガ・エッセンシャルの記事をご覧ください。

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