「ホルムズ・インフレ」:政府・日銀が財政ファイナンスの責任を有耶無耶にするために好都合な不可抗力

[2026/05/13 日本経済新聞]「ホルムズ・インフレ」は3倍速で家計圧迫 豆腐から車まで供給不全の影

ホルムズ海峡封鎖による原油相場の高騰が、急速な物価高を招いている。燃料だけでなく、原油由来のナフサ(粗製ガソリン)を使った化学品はメーカーの値上げ表明が相次ぎ、取引価格の上昇率は1973年のオイルショック時を超えて過去最高になった。化学品はプラスチックや繊維などに幅広く用いられ、暮らしを支える。「ホルムズ・インフレ」の衝撃は、これまで以上の速さで川下へ波及し、家計を圧迫しようとしている。

「ホルムズ・インフレ」という言葉に違和感を覚えました。

ホルムズ海峡の閉鎖が日本経済に波及し、原材料や品物のインフレ・モノ不足が急速に進み始めていることは確かです。

以下、現在までに公表されている値上げや出荷生産制限の一部を列挙します(生成AIに回答してもらったものです)。

●包装・食品関連
・食品包装フィルム・ポリ袋: 日本サニパックが全商品を30%値上げ(5月下旬から)。おにぎり・パン包装用のポリプロピレンフィルムも30%以上値上げ。出荷制限の可能性。

・ポリスチレン樹脂(食品トレー・弁当容器): DIC・PSジャパンなどが1kgあたり90〜100円値上げ。

・高機能合成樹脂(ゼリーカップ・調味料チューブ): クラレが「エバール」を1kgあたり75円値上げ。

・ペットボトル・ポリエステル関連: BTX系列原料不足で飲料・繊維に影響。

●自動車・輸送・工業関連
・エンジンオイル: すでに一部品薄・入荷困難。タンカー到着後2週間で在庫減少。

・塗料・シンナー・接着剤: 日本ペイント75%値上げ、関西ペイント50%以上値上げ+出荷制限。ボンド(コニシ)20%超値上げ。自動車生産への部品影響(ポリプロピレン・合成ゴム)。

・アドブルー(尿素水、ディーゼル排気浄化剤): 容器・原料不足で10L・20L小売形態の新規受注停止。価格15%〜2倍上昇。

・軽油供給: 運送会社で給油制限・値上げ通告(1Lあたり10〜60円)。

●住宅・建材関連
・ユニットバス・システムバス: TOTO・クリナップ・LIXIL・パナソニックなどが新規受注停止または納期未定(ナフサ由来樹脂不足)。

・断熱材(ポリスチレン系): カネカなど40%値上げ。

・塩化ビニル管・雨どい・建材: 信越化学30円/kg以上値上げ、積水化学15%以上値上げ。

・防水材・アスファルトルーフィング: 新規受注停止事例。

●医療・衛生関連
・医療用手袋(ニトリルなど): 原料NBR合成ゴム不足で値上げ10〜20%、出荷制限・受注停止。政府が備蓄5000万枚放出(5月から)。大阪高齢者施設の6割超で不足。

・透析回路・輸液バッグ・注射器・点滴チューブ・滅菌パック: PVC・ポリプロピレン不足で供給懸念・価格上昇。

・眼鏡レンズ: ユーザーが指摘の通り、堺化学工業などで材料生産停止の恐れ(夏以降)。コンタクトレンズも同様に石油化学由来で影響。

●その他の日用品・農業関連
・合成繊維(衣類・おむつなど)・シャンプー・洗剤: 界面活性剤・ポリエステル不足。

・肥料(尿素・硫黄): 世界輸出の30-45%が海峡経由で供給麻痺。食料価格への波及懸念。

・シンナー・プラモデル用溶剤・家庭用塗料: ホームセンターで品薄・価格高騰。

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しかしインフレ自体は2022年から日本で続いてきました。

この間、政府は企業に賃上げを要請し続けました。価格上昇の負担を下げるという名目で、ガソリンや電気代への補助金支給や備蓄米の放出など、需要喚起策を続けてきました。

これらはいずれも企業の値上げや消費を促すインフレ策です。そして今では石油備蓄の放出まで行っています。

政府は2022年以降、意図的にインフレを惹き起こす政策を取り続けてきたのです。

日本は2013年に大規模金融緩和という事実上の財政ファイナンスを行い、人為的に金利を引き下げ、政府の国債利払い負担を抑え、財政破綻を先送りしてきました。

しかし2022年からインフレが発生し、金利が上昇し始めました。これはコロナパンデミックによるサプライチェーンの混乱やウクライナ戦争が始まった中でも量的緩和・ゼロ金利政策を続けたためであり、財政ファイナンスのツケが遂に表面化したのです。

その結果、日銀は量的緩和・ゼロ金利政策の継続が困難になり、2024年以降、利上げと量的引き締めに転換せざるを得なくなりました。

財務省は日銀が長期国債を買わなくなったため、新規発行国債の年限を短くすることを迫られました。これは財政破綻を先送りに逆行する行為です。

日本政府は「財政ファイナンスによる財政破綻先送り策を続けたが、その副作用であるインフレ・金利上昇が止まらなくなり、財政ファイナンスの継続が出来なくなり、財政破綻先送りが厳しくなってきた中で、意図的なインフレ策を取るようになった」のです。

これは日本政府がインフレ・金利上昇を止められなくなったことを認識していると共に、国民の増税アレルギーが強い中、財政破綻を防ぐためにはインフレにより借金を目減りさせるしかないと追い詰められていることを示唆します。

こうした状況で「ホルムズ・インフレ」は政府にとってある意味で好都合です。

何故なら地球の裏側に位置する中東情勢の混乱は日本政府にとって不可抗力であり、なす術がなく、インフレを抑えようと努力したが力及ばなかったと言い張ることで、政治家・官僚・役人の誰もが責任回避できるかもしれないからです。

「ホルムズ・インフレ」という言葉が新聞紙面に出てきたことは、国家が政府借金を帳消しにするためにハイパーインフレを惹き起こす謀略に手を染める危険性が高まっていることを示唆するのではないかと心配になります。