先週、有事の金売りについて記事を書きました。
イラン戦争が始まり原油価格が急騰し、利下げ期待が萎み、金価格は1月29日に史上最高値である1オンス5,608.35ドルから20%以上下がり弱気相場入りしています。
私共が気になったのは、金価格以上に金鉱株の下げが目立つことです。
私共が気になったのは、金価格以上に金鉱株の下げが目立つことです。イラン戦争が始まってから金価格は13%下落しましたが、GDX(金鉱株ETF)は25%近く下げました。

金鉱株の下げが著しい理由は大きく2つあります。
第1に、営業レバレッジが掛かることです。金鉱会社は人件費など金価格に依らない固定費が掛かるため、利益の変動は金価格以上に大きくなります。
金価格が2倍になると利益は2倍以上に増えます。逆に金価格が3割下がると利益は半分以下になる場合があります。これにより金鉱株の値動きは金価格より激しくなります。
第2に、原油価格の上昇で費用が増えることです。金採掘はエネルギー集約型ビジネスであり、ディーゼル燃料は採掘トラック・掘削機・破砕設備の動力源として最大のコスト項目の一つです。
近年はパンデミック以降のインフレや関税の影響で、人件費や採掘機器、その他必要な資材の価格も値上がりしてきました。その中で原油価格高騰が加わったことになります。
金鉱株は金そのものへのレバレッジ投資ではなく、金と原油のスプレッドへのレバレッジ投資です。このスプレッドが拡大すると金鉱株の株価は上がり、縮小すると株価は下がりやすいです。
下図の「金価格÷原油価格」を見ると、イラン戦争が始まってからこれが急落し、金鉱株の急激な値下がりに反映されています。
イラン戦争が始まる前は原油価格が大暴落した2020年4月のピークに迫るほど、金は原油に比べ割高でした。金鉱株の急落は自然の摂理です。

1970年代の石油危機の時に、金鉱株の価格は金価格に対して大暴落しました。
この比率は1966年3月に5.66だったのが、80年3月には1.07でした。石油危機を含む14年間に金鉱株は金価格に対し価値を8割以上も下げたのです。

ホルムズ海峡の状況は元に戻らないとこの前の記事に書きました。今後10年程度は1バレル100~200ドルの原油価格が続くことも否定できません。
そうなると金鉱株は50年前のようにこれから非常に低調なパフォーマンスになるのではないかと心配になります。
本日配信のアボマガ・エッセンシャルの記事では、この点について詳述しました。
[アボマガ No.379]金鉱株と石油危機
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