日本政府はバブル崩壊後の1990年代終わりから、日銀にゼロ金利政策と量的緩和政策をやらせて利払い費を抑え続けてきました。
これは効果てきめんでした。2000年度から2023年度にかけて政府の国債残高は368兆円から1076兆円へと3倍近くにまで膨れ上がった一方で、利払い費はほぼすべての年度で7~8兆円の間に収まっていました。
また日銀に何百兆円もの長期債を買い取ってもらうことで、国債の平均残存年数は2003年に5年足らずだったのが2024年に9年6か月とほぼ倍になりました。
ところが日銀は昨年3月に異次元金融緩和の転換を発表し利上げを始め、同年7月から国債の買い入れ額を3か月ごとに4000億円程度ずつ減らすテーパリングを開始しました。
国債の買い入れとは別に保有国債が償還していくので、事実上の量的引き締めを意味します。昨年7月末から現在にかけて日銀の国債保有残高は10兆円以上減りました。
昨年7月時点で2%ほどだった30年国債利回りは、直近で3%超にまで上がってしまいました。
昨日の配信に書いた通り日銀の量的引き締めで日本国債は十分な買い手がつかなくなっており、その結果国債が供給過剰となっているためです。

あなたはご存じですか?2024年度に日本政府の利払い費は9.7兆円と、2023年度の7.6兆円から28%上昇し、2001年度以来の水準に逆戻りしてしまいました。
日銀が量的引き締めを始めてからたった7か月で、政府の利払い費は日銀が初めて量的緩和を行った年の水準近くまで急増したのです。
政府が国債を膨大に発行し続けた結果、少しの長期金利上昇で利払い費が急激に増える構造になったために他なりません。
財務省は2028年度に利払い費が15.5~16兆円に達する見通しだと言っていますが、給付金、減税、さらなるインフレ、さらなる金利上昇などを織り込んでいません。
四半世紀続けてきた、財務省による日銀に頼った財政維持のための従来の戦略は破綻したと言って良いでしょう。

財務省は日銀が事実上の量的引き締めを始める一か月前の昨年6月に「国の債務管理に関する研究会」を開き、国債の発行年限の短期化に向けて検討を始めました。
債務問題を先送りする鉄則は年限長期化ですが、財務省はこの反対を目指すわけです。年限を短くすればより頻繁な借り換えが必要なため金利上昇による利払い増加が起こりやすくなり、借り換えできないリスクも高まります。
債務問題を解決する力はいまの財務省にはありませんと公言しているようなものです。
★アボマガ・エッセンシャル読者の方は、昨年7月8日配信の[アボマガ No.308]をもう一度読み直してみてください。
「現在、日銀は発行済み国債の過半数を保有しています。そのため日銀以外の買い手が頑張って買わないと、日本国債の需給は緩和し、金利は上昇を続け、財政破綻という崖に一歩一歩近づいてしまいます。」
一年近く前に書いた内容が現実化しています。
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日本政府主導の賃上げとROE改善要求に応えるために、大企業は退職を募り、使えない高給取りの社員を切り捨て、浮いたお金を増配と自社株買いに振り向ける誘因に駆られています。
ただでさえ収益が薄くコロナ禍の過剰債務の返済に苦しむ中小企業は、政府の賃上げ要請に応えていたら潰れてしまいます。
政府が庶民の貧困化を推進しているのが現実なのです。よって我々は自身で道を切り開いていくことでしか安心・充実した生活を送ることは出来なくなりました。
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