金の値上がりが止まりません。
2022年11月にワールド・ゴールド・カウンシルが、中国と見られるどこかの国の中央銀行が金を爆買いし、同年7~9月に中銀の金買い越しが399トンと歴史的水準に達したと発表しました。
これを機に金の強気相場が始まり現在にかけて続いています。2022年10月に1オンス1630ドル程度だった金価格は、今年5日に一時1オンス2900ドルを付けました。3000ドル目前です。
現在の金・銀価格の上昇は、主にトランプ政権の関税発動への恐れから生じています。
各国に関税を課すことで輸入品の価格が押し上げられてインフレを誘発するとの市場の考えから、昨年11月にトランプが大統領選に勝利してから金・銀価格は値上がりしてきました。
最近では金や銀に25%の関税を課すのではないかとの懸念から、米国で金・銀の現物の需要が急速に高まっています。
需要の増加に応えるため、通常より多くの金・銀の現物が米国に流れ込んでいます。このせいでイングランド銀行などロンドンにある金在庫が少なくなっています。
通常銀は単価が安いので海上輸送されますが、米国で銀先物価格のプレミアムが急騰しているため、いまは短時間で運べる空輸が使われています。プレミアム急騰で輸送費が増えても利益を出せるのです。
暗号通貨がトランプ政権の関税導入への懸念で軒並み急落・暴落したことと全く対照的です。
トランプ大統領は関税を交渉材料として使っています。カナダ、メキシコに対しては違法薬物であるフェンタニルの流入を阻止する実効性のある行動を取れば関税を免除するでしょう。
そのため今後の関税導入の行方はわかりません。もっとも、関税政策を巡る不透明感が続くことは、それはそれで貴金属価格を押し上げる要素です。
2022年の途中までは、インフレ懸念が強まると実質長期金利が上がるため、保管料の掛かる金・銀は売られて利息の出る国債に安全資産を求める買いが集まりました。
ところが現在は金・銀価格が実質長期金利と無関係に上昇しており、トランプ関税によるインフレ懸念で米国の長期金利が上昇してきたなかで金・銀(とりわけ金)の値上がりはヒートアップしています。
新興国の中央銀行による金の買い越しは3年連続で高水準となり、いまも衰える兆しが見えません。
時代は変わりました。
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配当利回りは3.5%超と、1990年からの35年間でリーマンショックのあった2008年にしか到達しなかった歴史的大きさとなっています。滅多にない買い機会が訪れているようです。
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