キャベツ、米価格高騰が消費者物価にも反映されてきた

食料価格の高騰が消費者物価指数の数字にも顕著に表れ始めました。

昨年12月の消費者物価の総合指数は前年同期比3.6%上昇でした。11月は2.9%でした。生鮮食品除くコア指数が3.0%の上昇でしたので食品価格高騰がインフレを押し上げました。

ご想像の通り、キャベツ価格の高騰(一年前の2.25倍)や米の価格高騰(うるち米は65.5%値上がり)などが総合指数に大きく反映されました。
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食料価格の高騰は夏の猛暑や最近の少雨といった天候不順、気候変動だけが原因ではありません。

米の価格が高騰しているのは、1970年から始めた減反政策で農林水産省が半世紀も農家にコメ生産を減らすよう推奨してきた結果です。

キャベツ農家は種苗費、肥料費、農薬費、水道光熱費など、最低でも1玉あたり100円以上の生産コストが掛かります。

しかも天候不良や災害時のリスク対策としてキャベツ農家は消費者需要の約2倍の量を生産することを余儀なくされており、余った半分のキャベツはすべて廃棄しています。廃棄コストは農家の負担です。

いままでキャベツ農家は薄利・赤字を受け入れてきましたが、生産コストの上昇にこれ以上耐えられません。当然若い人たちは赤字確実のキャベツを生産したいと思いません。

いまの食料価格の値上がりは、長年の悪しき食料生産の慣行が、投入コストの増加と気候変動という引き金によって噴出し始めた結果です。

供給不足による食料価格の値上がりで、生産者の立場は強くなっていきます。キャベツ農家が持続可能な経営を行うための適正価格は1玉約350円と試算されています。

これに投入コストの値上がりや天候不順による不作が、これからも食料価格に随時織り込まれていきます。

終戦後に日本はハイパーインフレに見舞われました。当時は餓死者も出ました。現在は当時より人口が1・7倍に増えているのに、米生産は4分の3しかありません。

アボマガ・エッセンシャル会員様へ:
昨年、株価が停滞し極めて割安のため積極的に買い推奨してきた農業関連銘柄がありますよね。

この銘柄の株価がここのところ顕著な値上がりを見せており、年初来20%近く上昇しました。

アナリストがこの銘柄の見通しを相次いで上方修正した他、最近のトウモロコシ、大豆などの価格値上がりを反映しているようです。
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食料価格がさらに高騰・暴騰したときのために、この銘柄をお守りとして大切に握りしめてもらえればと思います。