今年は世界の政治・地政学分野で激動の年でした。
イスラエルの大量殺戮(ジェノサイド)、ウクライナ戦争はもとより、暗殺されかけたトランプの大統領選勝利、シリアのアサド政権崩壊、韓国の非常戒厳・弾劾訴追案可決など、歴史の教科書に載るような出来事が立て続けに起こりました。
日本でも衆院選で与党が大敗し、選挙結果を左右するメディアがテレビからSNSに移り変わり、国民の増税・社会保障費増への怒りが噴出し始め、政治の転換を告げる年だったように思います。
辰年らしく、まさに龍のごとく今年世界の政治は大きくうねりました。
一方の株式市場はというと、我々にとって関心のある米国株は今年も絶好調で最高値更新続きでした。今年のこれまでのリターンは25%で、昨年の24%に続き2年連続で大きなリターンになりそうです。
昨年に値上がり率が239%だったエヌビディアは今年も172%の値上がりと、2年連続で凄まじい値上がりを見せ株価は2年間で9.2倍になりました。
これを知ったあなたはいますぐ米国株を買いたいと思いましたか。
冷静に考えてください。
毎年毎年、株価が25%、ましてや170%、230%も上がり続けることなんてあり得ません。ここまで勢いよく上がれば、下げる時も同じような勢いで下げるのが株式相場の摂理です。
ましてやいまは2009年以来、15年にわたって続いてきた長期的な強気相場の真っただ中にいます。
米国株の好調さを見ると世界株も好調のように思いますが、実は日本株も欧州株も新興国株も8月頃からドル建て株価は横ばいになっています。
中国株は9月に景気刺激策が発表されて一時株価は3割以上値上がりしましたが、期待するほどの中身でないことに市場は気付き、その後下げ傾向にあります。
順調に値上がりを続けてきたのは米国株だけなのです。そしてその米国株も、エヌビディア一社の暴騰に支えられているのが現状です。
つまり「世界の株式相場=エヌビディア」なのです。一部銘柄にマネーが集中するのはバブル末期の特徴であり、たった一社にマーケットの命運が握られるといういまのバブルは風前の灯火にしか思えません。
先週のFOMCでFedはインフレ予想を引き上げ、来年の利下げ回数見通しを4回から2回に半減したことでダウ平均は1000ドル以上安くなりました。この日までダウ平均は1974年以来50年ぶりとなる10日続落を記録しました。
普通ここまで一日で下がれば翌日に勢いよく反騰するものですが、それも起こりませんでした(翌々日に反騰しましたが大したものではありませんでした)。
15年分の大量のマネーと投資家の楽観が相場に蓄積してきたのですから、これらが逆回転したときにマーケットに生じる動揺の大きさは計り知れません。
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【アボマガ No.327】市場が無視する悪材料てんこ盛り
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