「大統領選挙前に利下げを行うべきではない」とのトランプ氏の忠告を無視したことへの報いが現れ始めたのでしょうか。
米連邦準備理事会(FRB)が18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2025年の利下げをより慎重に進める「タカ派」姿勢を鮮明にしたことで、同日の米金融市場では米金利上昇とドル高・円安が進んだ。ダウ工業株30種平均は前日比1123ドル(2.6%)安になり、50年ぶりの10日続落となった。
昨日のマーケットはFOMCの市場予想を上回るタカ派姿勢を受けて、株式だけでなく、米国債、原油、ゴールド、ビットコインなども売られ全面安となりました。
Fedは9月に0.5ポイントの利下げ(2020年3月以来4年半ぶりの利下げ)を行い、今回まで3会合連続で利下げしました。
この決定を下した最大の理由は他でもない、インフレが落ち着いてきているとFedが判断したからです。
市場は兼ねてよりFedに大幅利下げをするよう期待と言う名の圧力を掛け、パウエル議長は事実上市場の期待に応える形で利下げに転換しました。
またこれは株価上昇、景気回復への期待を高めて現政権を応援することになりますから、Fedはパウエル・ハリス政権を支持し大統領選でのハリス勝利を願うとのシグナルを送ったことにもなります。
今回のFOMCで、パウエル議長率いるFedにインフレを見通す力が皆無であることが露わになりました。
4年半ぶりの利下げをした9月時点で、Fedは来年のインフレ率を2.1%と予測し、来年の利下げ回数は4回程度だと市場に伝えていました。
ところが今回のFOMCで、来年のインフレ率を2.5%に上方修正し、来年の利下げ回数は半分の2回程度になると修正しました。これに市場が驚いて昨日全面安となったのです。
パウエル議長が「財政出動、減税、関税のインフレ高進3点セットを掲げるトランプが大統領選で勝つとは思わなかった」と内心思っていたとしても言い訳になりません。
トランプとハリスのどちらが勝とうが、規模が違うだけで財政出動、減税、関税が取られるであろうことはハリス副大統領の発言内容からわかっていました。
百歩譲ってパウエル議長が政治オンチだったとしましょう。
でも消費者物価指数(CPI)の先行指標である米国の生産者物価指数(PPI)の前年比伸び率は、今年に入り上昇の一途を辿りました。11月時点で3.4%あります。
そのためCPIで見たインフレ率も上がるのは時間の問題だったのです。パウエル議長がこの経済の初歩的知識を知らなかったでは済まされません。
利下げを始めた9月にCPIで見たインフレ率が底打ちし、10月以降反転上昇したことは喜劇です。
トランプの忠告を守っていれば、インフレが反転上昇してもFedはそれをすべてトランプに押し付けることができたはずです。
それなのに市場とバイデン・ハリス政権に迎合した結果、皮肉にもFedはインフレ再燃の責任を問われかねない災禍の種を自ら蒔いてしまったのです。
2021~23年のインフレ期にFedの利上げは後手後手に回り、FOMCの会合の度に利上げ予想回数を引き上げていきました。
トランプ劇場が来年に本格的に始まり、インフレにつながり得る政策が次々と打ち出されると考えられるなか、来年の利下げ回数が2回というFedの見立ては全く信用できません。
来年の米国金融政策の注目点は「何回利下げするか」でなく「利下げするのか否か、何回利上げするか」です。
さらに2021~23年のインフレ期にパウエルFedは初動対応で後れ、高インフレ長期化を招いてしまいましたから、今度インフレ鎮静に失敗すればFedの信用は失墜します。
パウエル議長の無能さから考えて、今後数年内にFed解体論議が出てくるかもしれません。
投資をしている人たちは、こうした可能性(ほとんどの人にとってブラックスワンな出来事)を考えながら市場と向き合っていかなくてはなりません。
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