ブラジルの新興デジタルバンク、ヌーバンクが急成長している。低所得者向けの金融サービスをメキシコやコロンビアにも広げ、顧客は1億人を突破し5年でおよそ10倍になった。銀行免許が無くてもデジタル技術を駆使し、南米で伝統的な金融機関に取って代わるインフラになりつつある。デジタル戦略が課題となる日本の金融機関も注目する。
ヌーバンクはバークシャー・ハサウェイが株式を保有するくらい、注目の大きいフィンテック会社です。
ヌーバンクはコロンビア出身で米国のベンチャーキャピタルで働いていたデイビット・ペレス氏らが2013年に創業しました。
「バンク」と付いているものの銀行ではなく、銀行免許を持っていません。
スマホアプリで利用できる年会費無料のクレジットカードをデジタル口座に紐づけることで、偽札が流通し銀行インフラの整備が不十分だったブラジルで安心・便利にして公共料金の支払いや買い物が出来るようになりました。
決済と預金だけでなく金融商品の売買、融資、保険サービスも行っています。
ヌーバンクのビジネスモデルや成長性は確かに優れていると思う反面、ちょっとどうかなと思うところもあります。
売上の内訳を見ると8割は金利収入で、残り2割が手数料収入です。近年はクレジットカードや融資の貸出が増えて金利収入への依存が増しています。
金利収入に依存したビジネスモデルだと預貸率が高くなり過ぎないように多くの預金を集めなければならず金利支出が増えますし、不良債権化に備えた引当金の計上が必要です。
そのためリスクを抑えながら堅実に運営しようとすると、どうしても利益率はある一定のところで制限されてしまいます。
それに加えてプラットフォーム開発費用や多くの預金を集めるために多大なマーケティングが必要なので利益を圧迫してしまいます。
ヌーバンクは赤字続きで昨年ようやく黒字転換したばかりです。
さらに銀行ではありませんから資金保護、規制、資金調達、信頼性はどうしても銀行に劣ります。
景気が堅調な間は良いですが、景気が悪化したり金融危機が起きたときにダメージを受けやすそうな点でヌーバンクはウーンと思ってしまいます。
同じフィンテック会社でも金利収入より手数料収入中心の企業の方が私は好みです。金利・与信コストが減り利益率は高くなりますし、融資の不良債権化による損失をある程度までで抑えやすくなりますから。
★先週アボマガ・エッセンシャルで紹介した、収益が毎年20~40%伸びている高成長企業がまさにそんな銘柄です。
利益率はパンデミックのあった2020年を含め40%前後で高位安定し、収入の半分以上は手数料収入です。
かつて利益の8割以上は融資など銀行関連でしたが、いまではこの割合は3分の1にまで減り金融危機が来ても損失を抑えられる強い企業体質に変化しています。
しかも元々銀行からスタートしたため信頼性が大きく、ヌーバンクのように必死でマーケティングしなくても勝手に預金が集まってきました。
この銘柄に比べるとどうしてもP/Eレシオ47倍のヌーバンクは見劣りしてしまいます。
しかしこの紹介銘柄のP/Eレシオがヌーバンクの4分の1しかないのは何故でしょうか。この銘柄の存在にもっと多くの投資家が気づけば株価は4倍に上がらないと説明がつきません。
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他の投資家たちが気づいて株価が4倍になる前に、この機会を掴んでおきませんか。