「トランプトレード」で利下げ中に米国債利回り上昇の異常

米大統領選までいよいよあと一週間です。

ここ数週間にかけてハリス副大統領がプロンプターに映し出された原稿を見なければ一切演説出来ない無能さがバレたことで、激選州でもトランプ前大統領が支持率で上回るようになりました。

金融市場ではトランプ勝利を予想する人々がかなり増えています。

賭けサイトではトランプが大統領選で勝利することに賭ける人が3分の2に上っています。

興味深いのは賭けサイトでのトランプ勝利と賭ける人の割合と米国債利回りが正の相関で連動していることです。

トランプが勝利することで、法人税減税とバラ撒きで財政が悪化し、景気が過熱し、高関税が加わり、インフレが再燃することを織り込んで米国債利回りが上昇しているというのが大方の見方です。

しかしトランプとハリスの政策を見ると、隔たりが大きいのは移民政策とウクライナへのスタンスくらいしかありません。

どちらの候補も手法や規模は違えど減税とバラ撒きを公約に掲げており、経済を重視していますし、中国へのハイテク分野への輸出規制や関税でペナルティを科す方針も変わりません。

選挙結果によらず、財政が悪化の一途を辿り、景気過熱と関税が加わることでインフレが再燃して米国債利回りが上昇して然るべきです。

そう考えると、トランプ勝利の確率と米国債利回りの連動には、財政や市場経済とは異なる力学が働いている可能性があります。

一つの可能性は、トランプが勝利することで米国政治が大きな混乱に陥ることを市場参加者たちが考えていることです。

7月14日にトランプの演説中に銃弾で右耳を撃たれる暗殺未遂事件が起こりました。

9月16日にはフロリダ州のゴルフ場で、10月12日にはカリフォルニア州の選挙集会でトランプ氏の暗殺を企てた容疑者が逮捕されており、トランプ暗殺未遂は3ヵ月の間に3回起こっています。

先週バイデン大統領はトランプについて、民主主義に対する脅威で、政治的に拘束し締め出さなくてはならないと述べました(すぐに撤回しましたが)。

トランプに敵対する連中の恨みは相当大きいようです。もし彼が大統領選で勝利した場合、米国政治に何も起こらず平穏無事で済むとは到底思えません。

★昨日アボマガ・エッセンシャルの配信を行いました。

「シケモク株の現状」

シケモク株とは低PBR銘柄のことです。

近年、アクティビスト(物言う株主)の活動が日欧を中心に活発になり、昨年彼らによる要求や提案の件数は世界で過去最多となりました。

日本では投資立国実現を目指す政府、金融庁が主導となり、企業統治やROEの向上させPBR1倍割れを改善するよう企業に求めています。この政府方針がアクティビストたちを引き寄せています。

アクティビストは悪者扱いされがちですが、経営陣の刷新、不採算事業の売却、自社株買いの強化などを企業に求め株主価値を高める役割を担います。

彼らの意見を参考しながら経営刷新が上手くいけば、PBRが0.5倍しかなかった銘柄の株価は最低でも2倍になります。

アクティビストの影響力が増すにつれ、シケモク株の人気は高まっていくかもしれません。

今回扱った銘柄は低PBRだけでなく株価がフリーキャッシュフローの3倍にも満たないですから、株価に一度火が付けば2倍、3倍にならざるを得ません。

気になる方は、アボマガ・エッセンシャルにご登録してこの記事をご覧ください。

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