金鉱株がハイリスクローリターンに甘んじている理由

昨日に続きゴールドに関する話題です。

金価格の上昇に乗るにはゴールドそのものや金ETFに投資する以外にも、例えば金鉱株に投資するという方法があります。

金鉱株の特徴は金価格の上昇・下落にレバレッジの掛かる値動きをすることです。

売上も費用も2倍になれば利益は2倍になります。

でも売上が2倍で費用が変わらなければ利益は3倍にも4倍にも増えます。売上が半分になり費用が変わらなければ利益は激減、赤字になります。これが良くも悪くもレバレッジの力です。

金鉱株の場合、金価格が倍になると売上は倍になりますが費用は金価格と連動せず大して増えないので利益は売上以上に伸びます。

逆に金価格が半値になれば費用はそのままなので利益は激減どころか大赤字になります。

こうして金鉱株の業績は金価格の上昇・下落にレバレッジが掛かり、株価は金価格より激しくなります。

ボラティリティが大きい故、ゴールドそのものに投資するより少ない資金で金価格上昇の恩恵を大きく受けられるのが、金鉱株に投資するメリットです。

ところが現在、大半の金鉱株でこのメリットを享受することが出来ていません。

金価格は1オンス2500ドルを超え過去最高値圏にあるのに、金鉱株は2020年8月の水準を上回れておらず、ゴールドそのものよりパフォーマンスは悪いです。

下図を見るとおわかりのように、金鉱株(GDX、緑線)の価格は金価格下落には大きくマイナスにレバレッジが掛かっているのに、金価格上昇に十分なプラスのレバレッジが掛かっていないのです。

金鉱会社は2021年からのインフレで人件費、燃料・電力費、消耗品費、メンテナンス費などの費用が増え、利益率が悪化してきました。

2022年11月からの金価格上昇と最近のインフレの落ち着きで、金鉱会社の利益率は多少改善しました。

しかし金価格が1オンス1600~1800ドル(現在の3分の2以下)ほどに過ぎなかった2020年4~6月より現在の方が利益率は悪いです。

このことが金鉱株の価格がゴールドに比べて冴えない根本の理由です。

もしこれから金価格が調整すれば、金鉱会社の利益率は一気に悪化するので株価はかなり下げるしかありません。

そこに万が一中東情勢が悪化して石油価格の急騰が起ころうものなら、費用が増加して収益悪化に拍車を掛けてしまいます。

いま安易に金鉱株に飛びつくのは危険のようです。

★逆に言えば、数少ない優秀な金鉱株を探し当てて投資することが出来ればかなりの利益を享受できます。

どういうことか。金価格が調整したりエネルギー価格が暴騰して多くの金鉱会社の利益率が悪化すれば、生産計画を見直し減産に動かざるを得なくなります。

金生産量が落ち込めば金需給は引き締まり、金価格は上がりやすくなります。

すると一握りの優秀な金鉱会社は、金価格値上がり、増産、費用低下という三つの要素からとてつもないレバレッジが働いて利益が激増します。

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