米国の新規雇用者のほとんどは不法移民?

[2024/06/08 ロイター]米5月雇用、予想上回る27.2万人増 失業率上昇も賃金伸びは再加速

米労働省が7日発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増で、予想を大きく上回った。賃金の伸びも再加速し、労働市場の耐性を強調する内容だった。

ロイターがまとめた予想は18万5000人増。予想レンジは12万人増─25万8000人増。5月の増加数は過去1年間の月平均(23万2000人)を上回った。ただ、3月と4月の増加数は合計1万5000人下方改定された。

失業率は3.9%から4.0%に上昇。4%割れの連続記録は27カ月で途切れた。

雇用統計が予想外に強かったため、市場では米連邦準備理事会(FRB)は当面、様子見姿勢を維持し、利下げ開始時期の決定に時間をかけることになるとの見方が広がった。

[2024/06/07 ブルームバーグ]米雇用者数の伸び、発表値より弱かった可能性-統計局データが示唆

米国の労働市場は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らの認識と比べると、ずっと活気がないかもしれない。

米労働省労働統計局(BLS)が5日発表したデータによると、昨年の雇用者数の伸びは月間雇用統計に基づくランレートの約25万人よりも、毎月平均で約6万人少なかった可能性がある。雇用・賃金に関する四半期国勢調査での新たなデータは米雇用の95%以上をカバーしており、最終的には月間雇用統計の年次改定に使用される。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げの開始時期を見極める中、今回の調査内容は労働市場を巡る不確実性を高める。月間雇用統計や週間新規失業保険申請件数など市場が堅調に推移していることを示唆する指標もあるが、失業率の上昇や求人件数の減少など、亀裂が生じていることを示唆する指標もある。

1つ目の記事は、米労働統計局が発表した5月の米国の新規雇用者数が市場予想を大幅に上回ったというものです。

2つ目の記事は、米労働統計局が発表する新規雇用者数は実態より過大ではないかとの疑問を呈するものです。

米労働統計局が公表する新規雇用者数が実態を過大評価しているとの疑惑は、以前からゼロヘッジなどのオルトメディアで指摘されていました。

このことはメルマガ記事や今日のつぶやきでも以前書きました(「労働局」とは「労働統計局」のこと)。

[今日のつぶやき~9言目~](2023年2月7日配信)より引用

ここで私が昨年の12月26日に配信した[アボマガ No.240]のなかで何と書いたか、覚えているだろうか。

私は「米国労働局が発表する雇用者数は実態を反映していないのではないか」と書いた。
https://www.avocado-fes-thought.com/blog/20221226-tightening-finance-inflation/

米国労働局は、給与調査に基づいた雇用者数と、家計調査に基づいた就業者数を公表している。

昨年3~11月に雇用者数は269万人増えたが、就業者数は1.2万人しか増えなかったのだ。

フィラデルフィア連銀の調査分析結果と突き合わせると、米国の労働市場は雇用者数でなく、就業者数が実態を反映しているとみられるのだ。

雇用者数が実態と比べて過剰計上されている疑惑が生じている理由はわからないが、データ集計方法に問題があるのではないかと考えている。

新規雇用者数と新規就業者数の乖離は現在も続いており、5月の新規就業者数は40.8万人のマイナスと、新規雇用者数が27.2万人のプラスと真逆となりました。

雇用者数の実態に関わる問題はこれだけではありません。

米国税関・国境警備局(CBP)と米国市民権・移民局(USCIS)のデータに基づく分析によると、2023年半ばごろから今日にかけて、新規雇用者数のおよそ半数が不法移民の雇用増であるようなのです。

今年については、毎月平均の新規雇用者数23.1万人に対し、不法移民労働者が10.9万人だったとのことです。

このうち「23.1万人」は労働統計局が発表した数字であり、昨年と同様に水増しされている可能性が濃厚です。

だとすると、新規雇用者の大部分が不法移民労働者であるかもしれないのです。

今年に入り、不法移民問題は米国の世論で最大の関心事となっています。

ギャラップの調査によると、今年2月時点で米国人の55%が不法移民を国にとっての重大な脅威だとみなしており、2004年以降で最高となりました。

共和/民主党支持者、無党派層のすべてでこの割合は増えました。

世論の高まりを受け、不法移民の流入に寛容だったバイデン大統領も、亡命申請を制限するなど、移民抑制を図る大統領令の発出に迫られました(実効性は限られると見られていますが)。
https://www.bbc.com/japanese/articles/ce556e5e2rro

次の大統領が誰になっても、不法移民の抑制強化が図られそうです。

不法移民が減れば、新規雇用者数は減ることになりますが、これは特異な状況をもたらします。

Fedの視点に立つと、新規雇用者数の減少は景気悪化、インフレ後退の前兆だとみなされ、利下げに繋がり得ます。

ところが不法移民が減ることによる新規雇用者数の減少は、インフレ高進の前兆となります。

第1に、人手不足に拍車が掛かり、賃上げ圧力がますます高まります。

第2に、不法移民は最低賃金以下で働いており、彼らの雇用は賃金の伸びを押し下げる効果がありますが、これが消えます。

雇用統計の数字と労働市場の実態の乖離についての問題は将来、Fedの金融政策の舵取りに関する重大な局面へと発展するかもしれません。

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