バブルなのはテクノロジーセクターだけ、多くのセクターでファンドから資金流出している

今年早くも3月に入りました。時の流れは本当に早いですね。

3月と言えば、4年前にコロナショックが起こり株価が暴落したことをご記憶の方は多いと思います。

24年前に当時のインターネットバブルが弾けたのも3月からでした。2020年3月にバブル崩壊が始まり、同年9月に本格化し、2002年9月まで続きました。

大半の人はバブル崩壊と聞くとすべての株式が一斉に下落したと考えがちです。

ただインターネットバブル崩壊の時は、必ずしも一概にそのように言うことは出来ませんでした。

バブルが膨らんだハイテク関連銘柄は、2000~2002年の3年間に株価は大暴落しました。

セクターのパフォーマンスを見ると、コミュニケーション・サービスは1999年比で64%暴落、情報技術は72%暴落しました。この影響でS&P500は3年間で38%下落しました。

他のセクターを見ると、確かに2001~02年にかけてはどのセクターも下げ基調で、特に2002年は米国株全般が下がりました。

この影響で、1999年比の2002年の騰落率はほぼすべてのセクターでマイナスでした。しかし金融、ヘルスケア、エネルギーセクターの3年間の下落率は10%に満たないですし、生活必需品は5%上昇しました。

当時、ハイテク関連を除けば、バブルのピークであった1999年にもそれなりに割安な銘柄があったことになります。

1999年に割安になっていた優良な配当成長株に投資し、配当再投資を続けていれば、バブル崩壊期であっても資産や受取配当金を増やすことは出来たのです。

さて、現在の米国株はバブルですが、これを引き起こしているのは「マグニフィセント7」や半導体関連株など、テクノロジーを中心とした一部の銘柄に限られます。

下図はここ1年間のセクターごとの株式ファンドへの資金流出入のグラフです。これを見るとテクノロジーセクターに資金流入が集中していることが明らかです。

テクノロジー、テレコム、資本財以外のセクターでは、ここ1年間でファンドから資金が流出してきました。

いまはインターネットバブルの時と同じように、「米国株全体がバブル→あらゆる銘柄がバブル」という安易な直観が成り立たない相場となっているのです。

株価調整に備える姿勢は大切ですが、過度に身構えることも良くなく、安い良い銘柄が見つかったらさっさと投資する姿勢も時には必要です。

★本日はアボマガ・エッセンシャルの配信日です。

業績が大底に達し、ここ1週間で株価が25%急騰したある小型株についてです。

軟調な鉄鋼市場を背景に業績はズタボロになり、一時は工場稼働率が30%を切ったにも関わらず、フリーキャッシュフロー黒字を維持した奇跡の企業です。こんな低い稼働率では、大手自動車メーカーであれば年間1兆円以上のキャッシュフロー赤字だったことでしょう。

先月の決算で費用削減策の新たな実行でキャッシュフローを増やす方針を表明したので、鉄鋼市場の悪い状況が続いてもキャッシュフローは増えていきます。

もし鉄鋼市場が回復しようものなら、収益は2倍、3倍、それ以上に増加します。

株価はいまでもどん底水準にあるので、収益拡大期待が強まれば株価は暴騰するしかありません。

鉄鋼市場には、新興国でのインフラ需要増+先進国での老朽化したインフラの改修需要増という追い風が控えています。