高インフレ期は最高の「殖財タイム」

金融引き締めによる金利上昇や最近の相次ぐ経営破綻を受けて、現金収益(フリーキャッシュフロー)が大きく安定して稼げている銘柄への投資が好まれているようです。

米株、現金稼ぐ力で選別
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69710230Z20C23A3ENG000/

記事では、現金収益が大きく最近株高になっている銘柄として、アップル、マイクロソフト、アルファベット、アッヴィ、ユナイテッドヘルス、メタ、コムキャスト、ベライゾン、P&G、シスコシステムズ、AT&Tがあげられています。

私は現金収益を安定して稼げ、伸ばせる企業が大好きです。アボマガ・エッセンシャルで紹介している銘柄の大半はこうした銘柄ですし、私のポートフォリオの7割、8割(いやもっと?)はこうした銘柄で占められています。

記事で触れられている銘柄のいくつかは、アボマガ・エッセンシャルで現在も紹介中です。

現金収益が豊富な企業の良さの一つは、記事にもある通り豊富なキャッシュフローから設備投資できるため、借金に頼らず成長投資可能で、金利上昇による費用負担の上昇を回避できることです。

中には負債が多い企業もありますが、豊富なキャッシュフローから返済することが可能で、高金利で借り換えなくても済むようになります。

でももっと大切なことがあります。現金収益が豊富な企業への長期投資は、実は「インフレ対策の王道」であることを知っていますか。

現金収益の高さは高い収益性に裏打ちされていることがほとんどです。ROEをみるとアップルは163%、マイクロソフトは39%、アッヴィは73%あります(数字はfinvizより)。

収益性が高い企業は現金収益に対して必要な設備投資や費用が少ないですから、インフレによるこれらの支出増は現金収益を圧迫しにくくなり、インフレ下でも業績は安定しやすいです。

他方、収益性の低い企業はインフレや金利上昇で現金収益は大きく圧迫され、酷ければ赤字になりますから、インフレ下では生き残るのが精いっぱいになります。成長に必要な投資などしている余裕はありません。

収益性の低い企業が崩れる中、収益性の高い企業の存在感はますます高まり、参入障壁は強化されます。その結果インフレによる費用増を値上げして容易に価格転嫁できるようになります。

つまり安定した現金収益を得られる企業は、インフレにも負けず、余った現金収益からの再投資と値上げにより、複利で収益を高められるのです。

またキャッシュフローが豊富な企業は配当支払い能力が高く、継続的な増配をしてくれます。

現金収益が豊富な企業は常時割高で、手を出す機会がほとんどないこともあります。アップルやマイクロソフトはその典型でしょう。

しかし高インフレ期は金利上昇により株価が低迷しやすいので、こうした優良銘柄を安くたくさん購入するチャンスが到来しやすくなります。

私たちはこうした企業に投資し、配当金を再投資すれば、業績の成長に裏打ちされた資産価値・配当金の成長と、再投資による株数増による「ダブルの複利」で、インフレに負けず、時にはインフレ率を上回るペースで資産や配当をモリモリ増やせるようになります。

高インフレ期こそ、最高の「殖財タイム」なのです。

★アボマガ・エッセンシャルでは、現金収益が豊富で「殖財」に向いた銘柄を中心に紹介しています。

こうした銘柄を探すにはそれなりの「目」が必要です。アボマガ・エッセンシャルでは豊富な図やグラフを用いながら、現金収益が豊富で今後も増やせられる銘柄の探し方を具体例を示す形で伝授しています。

高インフレ期に節約・倹約のみに励むことほど残念なことはありません。これは収益性の低い負け組企業が生き残りを図るためにすることと何ら変わりありませんし、購買力を減らし生活レベルを衰退させるだけです。

高インフレ期ほど、現金をスキルに変えることが重要な局面はありません。アボマガ・エッセンシャルを何年か読み続けることで、投資を実践しながら「目」を養い、高インフレ期の「殖財タイム」を有意義に活用しませんか。

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