何故海外投資なのか

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何故海外投資なのか

初回公開日:2015/04/01
最終更新日:2020/10/28

 

今回からは海外投資に関する様々な皆さんの役に立つ情報をお伝えしていきます。

 

※以下、特に注意がない限りすべての記事で「海外投資=米国証券口座を利用した株式投資」の意味で使用します。

 

突然ですが、海外投資と聞くとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。リスクが大きそう、言葉の壁がキツい、手続きが煩雑そう、トラブルが起こった時に面倒臭そう...なんてネガティブなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。

 

確かに言葉の壁や手続きの煩雑さといったデメリットがあるのは確かです。しかしそれだけで海外投資を拒否するのは非常にもったいないです。

 

何故なら、海外投資には海外投資ならではの大きなメリットがいっぱい存在することです。特に投資の最大目的である「資産を殖やす」ための制度は、海外に証券口座を開設して行う方が断然有利なのです。

 

そこで今回からは、私の海外投資での経験をベースにしながら口座開設といった海外投資の基本的な情報をお伝えしていきます。海外投資のメリットを理解してもらって、皆さんにちょっとした心の壁を打ち破って海外投資というグローバルな行動をとる手助けになれれば幸いです。

 

今回はまず、海外に口座を作って株式投資を行うとどんなメリットがあるのかについて説明していきます。

 

何故海外投資なのか

私が何故海外投資を行うのか。さらに何故わざわざ海外に口座を作ってまで行うのか。それは一言でいうと「多くの面で国内投資よりも有利で魅力的」だからです。

 

ではどんなところが有利で魅力的なのかは気になりますよね。私は次の4つが大きなメリットだと考えています。そしてこの4つのメリットは同時に皆さんにとっても大きなメリットでもあるのです:

 

  1. 世界中の企業の株を購入できる
  2. 手数料が安い
  3. DRIP(自動配当再投資)という制度が存在する
  4. 万が一の場合の補償制度が充実している

 

これら4つのメリットについて順次解説していきます。

 

1. 世界中の企業の株を購入できる

1つ目のメリットは当たり前ですが世界中の企業の株を購入できることです。国内だけだとトヨタといった国内で事業を行っている企業の株以外はなかなか購入できませんが、海外投資を行うことで世界中のあらゆる上場企業の株を購入できるようになります。

 

つまりそれだけ選択肢がグローバルに増えて、あらゆる選択肢の中から優良な企業の株式を購入できるというチャンスが広がるわけです。選択肢が一気に広がるというのは、それだけで途端にめちゃくちゃ有利になります。

 

さらに実は日本株よりも世界株の方が長期投資に適した株が圧倒的に多いという事実があります。というのは日本株よりも世界株の方が配当金を出してくれる傾向にあるので、配当を再投資して長期的に資産を積み立てる場合には日本株よりも圧倒的に早く資産を形成できるのです。(→詳細)

 

そういうわけで日本株にだけ固執するよりも、世界に目を向けて投資を行ったほうが圧倒的に賢いのです。

 

単純に海外投資を行うのであれば、楽天証券やマネックス証券といった、海外投資にも対応している国内の証券口座を開くことでも可能です。しかしそれでも海外の証券口座も開くことをおすすめします。

 

理由は国内の証券口座だと、まだまだ扱っていない海外企業の銘柄が結構存在するからです。国内だけだと、買いたくても買えない銘柄が存在するのです。

 

よって自分が興味のある銘柄を買いたいんだけど買えない!という残念な気持ちにならないためにも、海外の証券口座を持つことは大きなメリットとなるのです。

 

2. 手数料が安い

海外の証券口座をもつことの2つ目のメリットは売買手数料が安いことです。手数料をいかに減らすかというのは、投資家にとって基本中の基本の関心事柄です。何回も取引するわけですから、出来るだけ手数料を抑える方法を考えることが長い目で見たときに効率よく資産を殖やし、投資を成功させるための大きなポイントとなります。

 

国内で海外株式を売買するときの手数料と、海外口座を用いたときの売買手数料は下図のような大きな違いがあります。

 

※株式やETFに関する売買手数料です。投資信託などの別商品については手数料は異なります。

 

証券会社 手数料(ドル) ※日本はすべて税抜
日本 楽天証券

約定代金の0.45%。ただし
最低:$0.00 最高:$20.00

日本 SBI証券

約定代金の0.45%。ただし
最低:$0.00 最高:$20.00

日本 マネックス証券

約定代金の0.45%。ただし
最低:$0.00 最高:$20.00

日本 サクソバンク証券

約定代金の0.20%。ただし
最低:$5.00 最高:$15.00

アメリカ Firstrade 無料
アメリカ SogoTrade $2.88

※2020年6月現在

 

こうしてみると、アメリカの証券会社の方が取引手数料の安さに軍配が上がります。取引額によらず手数料が固定されているためです。特にFrrstradeは取引額によらず無料です。

 

少額の米国株取引であれば日本の証券会社のコストも米国とあまり大きな差はありません。例えば$2000分購入時でも、2000×0.45%=$6.75の手数料で済みます。サクソバンク証券だと$4.00ですが、最低手数料が$5.00なのでこの場合は$5.00の手数料が掛かります(税抜)。

 

しかし日本の証券会社利用では、購入金額が大きくなると手数料が大きくなってしまいます。例えば$3000分購入しようとすると、3000×0.45%=$13.5の手数料が掛かってしまいますから。

 

サクソバンク証券ではもう少し安く済みますが、それでも$5000分を購入すれば$10の手数料が掛かります。さらにどちらも追加で消費税が加算されてしまいます。

 

そう考えるとやはりアメリカの証券会社の手数料の安定した安さに分があると考えざるを得ません。$2000だろうが$5000だろうが、いくら沢山の資金で株を購入しても手数料は$2.88以下で済みますから。Firstradeは無料ですから。

 

3. DRIP(自動配当再投資)という制度が存在する

3つ目のポイント、それはDRIPというアメリカ独自の制度です。実は私がアメリカの証券口座を開設した最大の要因がこのDRIPの存在だったりもします。そしてこれは健全な長期投資を行う上で非常に頼もしい制度なのです。

 

DRIPとは「配当再投資制度」(Dividend ReInvestment Plan)と呼ばれる制度のことです。「ドリップ」と発音します。

 

DRIPにより、証券会社の方で配当金を手数料無料で自動で投資してくれます。

 

DRIPの一番の魅力、それは「資産を加速度的に殖やしていく最高の手助けになる!」ことです。
コストを限りなく抑えながら、時間とともに株数を加速度的に殖やすことで資産を加速度的に殖やせる、そんな制度がDRIPなのです。

 

短期ではなく、長期でじっくりと株をほったらかして保有していくことでじわじわ、だけどグングンと株数が殖えるのです。時間さえかければリスクを大きく抑えながら資産を勝手に殖やせる、それがDRIPの大の魅力です。地味ですがとっても画期的な制度なのです!

 

「リスクを抑える」とは、例えば次のようなものです。

 

  • 株価下落によるダメージを軽減できます。むしろ株価下落は将来の資産価値、受取配当金を殖やすことにつながります
  • そのため株価下落でパニックに陥るリスク、損失を確定するリスクを減らします
  • インフレリスクを抑えます

 

しかし残念ながらDRIPは現在アメリカの証券口座でしか実施されていません。だからアメリカの証券口座をどうしても開設したいのです。

 

[追記:2018/12/05]

実は現在、日本でもDRIP可能な証券口座が存在します。

 

「サクソバンク証券」がそうです。私は使っていませんが、公式ページをみるかぎりではDRIPできるようです(下のページから「配当金」を選択)。。
[サクソバンク証券]米国株式取引ルール

 

手数料面では海外送金コストを考慮しても米国証券口座に対してかなり不利ですが、日本の証券口座でもDRIPできるようになったのは大きな進歩です。

 

しかし一つ、地味ですが大きな弱点があります。この弱点により、米国証券口座でDRIPをする方が圧倒的に有利となります。弱点について、こちらの記事の最後に書かれています。
DRIP(配当再投資制度)とは何か-低リスク・低コストで複利的に資産と配当金を殖やす-

 

どうしても海外送金の準備をするのが面倒であればサクソバンク証券の利用はありかもしれません。またFirstradeなどと併用するのも良いかもしれませんね。

 

さらに注意があります。アメリカの証券口座の中でも、DRIPを採用している証券会社とそうでない証券会社が存在することです。

 

私が開設しているFirstrade、SogoTradeはともにDRIPを受け付けています。しかし例えばInteractive Brokersという証券口座はDRIPを受け付けていません。

 

もしDRIPを利用したいとお考えであれば、各証券会社がDRIPに対応しているかどうかを事前にしっかりと調査してください。

 

DRIPの詳細や仕組みについてはこちらをご覧ください。この仕組みを知り、早くから利用するかどうかで、あなたの将来は大きく変わるでしょう。
DRIP(配当再投資制度)とは何か-低リスク・低コストで複利的に資産と配当金を殖やす-

 

4. 万が一の場合の補償制度が充実している

最後の重要なポイント、それは万が一の場合の補償制度が充実していることです。

 

証券会社が破綻するなどして証券口座に預けていた資産が失われてしまった場合に、一定額までの補償を受けることができます。アメリカでも日本でも補償制度は整備されているのですが、アメリカは日本と比較して圧倒的に補償制度が充実しており、より安心して投資(特に長期投資)を行える環境にあるのです。

 

大きな違いは2つあります。1つは保護上限額の大きさ。現在日本では最大1,000万円分の資産しか保護されませんが、アメリカではなんと最大50万ドルも保護されます。1ドル100円としてアメリカでは日本の5倍もの額まで補償してくれるのです。

 

→日本の保護上限額
→アメリカの保護上限額

 

もう1つの大きな違いは有価証券の補償のされ方です。日本の場合は有価証券はすべて現金化されてしまうのですが、アメリカでは有価証券も形を変えずに保護してくれるのです。

 

つまり日本だと株式はすべて強制売却されてしまうようなものですが、アメリカでは株式はちゃんとその株式のまま保護してくれるのです!特に長期投資家にとっては強制的な株式等の売却は配当金を受け取れなくなるなどかなり痛いものですから、株式のまま保護してくれるアメリカの制度は非常にありがたいものです。

 

→日本の場合:Q7
→アメリカの場合:Limits of SIPC coverage

 

※ただしアメリカでも場合によっては有価証券のままでの保護を受けられず、現金化されてしまうこともあるようなのでご留意ください。上のリンクに書かれています。

 

アメリカに住んでいなくてもちゃんと補償は受けられるの?と心配される方もおられるでしょう。アメリカの証券補償制度は米国居住者、非居住者関係なく平等に受けられるのでご安心ください。

 

→Are non-residents of the U.S protected by SIPC? What about non-U.S. citizens?

 

投資をするなら万が一のことが起こっても安心できる環境で行いたいものですが、こうした環境もアメリカの方が断然上なのです。

 

まとめ

アメリカの証券口座を作るメリットを一言でいえば、「世界中の企業の株を安く、効率的に、万が一の場合のリスクを軽減して殖やすことができる!」です。これは日本の証券口座だけではどうしても制限が加わって無理なのです。

 

しかしアメリカの証券口座を開設することに対して不安もあるでしょう。準備がめんどくさそう、英語が苦手、トラブルが起こったらどうしよう...など。

 

心配しないでください。本サイトでは海外投資で一番面倒でトラブルが起こりやすい、海外投資をスタートするまでの準備を細かく解説しています。

 

私も海外投資を始めるための準備でものすごく苦労した経験があります。そのため頭を悩ます部分、つまづきやすい部分、そういった部分を本サイトでしっかりと解説して、誰でも簡単に海外投資を始められる工夫をしています。

 

ちなみに口座開設後にトラブルに巻き込まれる頻度はかなり少ないと思います。私も特に大きなトラブルに見舞われたことはないですし、何かあればそれはそのときで考えれば良いじゃないですか。(もし私が何か大きなトラブルに見舞われたら、その解決策を本サイトで紹介する予定です)

 

一人でも多くの人が海外投資に関心を持ち、大きなチャレンジをしてもらえることを待ち望んでいます。

 

米国証券口座を開いて米国株投資をスタートしたい方は、次の記事をご覧ください。
→米国証券口座を開いて米国株式投資を始める

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